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特別寄稿

YLハムのカンボジア日記

XU7AKK 木村まり

2017年10月に夫の都合でカンボジアに来てから2年余りとなりました。2020年に帰国ということもあり、これまでの生活を振り返りつつ、YLハムの目から見たカンボジア生活を記録しておくことにしました。

筆者について:

ホームコールサインJL3GOI。第1級アマチュア無線技士、日本語教師。開局して30年余りになります。大阪の自宅ではIC-746+IC-PW1で1kWの免許を貰っています。カンボジアに来てからはもっぱらSSBとFT8にQRV。CWは国試に受信実技があった1アマ合格当時が最高レベルでしたが、それ以降日が経つにつれて自信が無くなりほとんどCWは運用していません。プノンペンのアパートからは、写真のようなささやかな設備(IC-706MKⅡGとダイポール)でQRVしています。IC-706MKⅡGは発売当初から使い続けています。機能満載で、プノンペンのアパートからの運用では小さなボディに似合わずパワフルに活躍してくれています。カンボジア在住2年余りとなり、目下2020年の免許更新準備中です。

【首都プノンペン】

日本からのアクセス

全日空ANAが成田空港からのみプノンペンへの直行便を運航しています。私の地元大阪からは直行便はありませんが、関空からはベトナム航空をはじめいくつかの航空会社が各国の空港経由でプノンペンへのルートを持っています。

開発・建設ラッシュ

プノンペンに住み始めてまず驚いたことは、内戦で失われたものすべてを取り戻そうとするかのような大変エネルギッシュな街の復興でした。いたるところで高層ビルの建設が進み、また大規模な住宅開発もあり、海外資本の大型ショッピングモールなども次々とオープンしています。また、朝夕の通勤時にはおびただしい数のバイクが、トゥクトゥク(小型3輪タクシー)や自動車・バス・トラックなどと混然一体(?)となって、道路を埋め尽くし渋滞が発生しています。通行区分は"あってない"ようなもので、普段は片側2車線(計4車線)の道路も朝の通勤時には自主的(?)に1車線対5車線(計算が合いませんが、、、)となり、反対車線を逆行するバイクも多く、各自の判断でおおらかに走っている車、駐停車している車などにはただただあきれてしまいます。そんな道路も雨期になり激しく雨が降った後はすぐには水が引かず、まるで川のようになることがあります。それでも皆さん慣れたもので、まるで水陸両用車のように水をかき分け波を立てて走っていきます。バイクの人たちも見事な航跡(?)を残して走り過ぎて行きます。


朝のラッシュ時は車もバイクも反対車線にまではみ出してきます。対向車線では、車の3車線の両側をバイクの列が挟でいます。


雨季に見られる道路のようす。スコールが止んだ直後、川のようになった道路をバイクが走ります。


この日乗ったトゥクトゥクのナンバーは8649(ハローCQ)でした。


バイクは人だけでなくいろんなものを乗せて走ります。

携帯電話とフリーWi-Fi

街にはカフェと薬局と携帯電話のお店が日本とは比べようのないほど多くあります。そしてカフェやファーストフードのお店はもちろん小さなレストランでもフリーWi-Fiがあたり前で、日本に比べ羨ましい限りのネット環境に驚きました。そのようなこともあり、ほとんどの人がスマートフォンを持ち、歩きスマホはもちろん、バスやタクシーの運転手も当たり前のように運転中も使っています。中でもバイクスマホはヘルメットに挟み込みハンズフリーで使っているのには感心してしまいました。街の通りにずらっとならぶ携帯電話の店では、様々な種類の中古の携帯電話が売られており、電池やディスプレイの交換など、修理もできる店が沢山あります。私も過充電のため発生したガスのせいか電池のパッケージがふくらみ液晶ディスプレイが湾曲してきたので、電池を交換してもらったことがあります。

街の市場"プサー"

市内のいたるところにはプサーという昔ながらの市場があります。新鮮な野菜や果物そして魚(主に川魚)をはじめ肉(豚や鶏)が店先にぶら下げられ売られています。値段は交渉次第、クメール語で頑張らなければなりません。食事以外に、服や履物などの日用品を扱う店も所狭しと並んでいます。そして驚いたのは美容室の多いことです。どこのプサーにも小さな美容室が何軒も並んでいて、いつも女性客でにぎわっています。女性は皆さんロングヘア―なので、普段の洗髪も美容院でということが多いのではないでしょうか。プサーを取り囲むように周辺にはたくさんの飲食店があります。外食文化の国なので、朝早くからお店で食事をする人、勤務先に着いてから食べるためにテイクアウトする人たちで大変にぎわっています。


街のあちこちにある地元の市場"プサー"。食料品から衣料品、さらに美容室までも!


小さなバナナの串焼き。おいしく安い!

大型ショッピングモールとスーパーマーケット

私がプノンペンに来る前に日系資本のショッピングモール(イオン)が完成し、あらゆる日本の食材が手に入るようになったのですが、その後も次々と大きな日系やタイ系などのショッピングモールのオープンが続いています。商品が充実しているスーパーマーケットも多くあり、イオン系列のMaxValuなどはプノンペン市内に多く見られます。"そーめんのつゆ"まで置いてあるのには感心しました。また、それぞれ異なる系列のスーパーマーケットごとに扱う商品に特徴があり、同じ商品でも値段が随分違っていることがあります。カンボジアでは日本の商品は人気があり、そのぶん偽物商品、いわゆる"fake product"が食品にもよく見られます。私たち日本人でもついうっかり騙されそうになります。食品に限らず日本の家電製品は故障が少なく信頼できることで人気がありますが、やはり日本の有名ブランドの巧妙な偽物が出回っています。


外資系大型スーパーやショッピングモールが相次いでオープンしています。


日本語が変!? 支払う前に食べろと言われても生肉はちょっとねぇ~???


中のチューブは"SB"ではなく"S8"でした。


お見事"Panesanic"! ロゴがそっくりで1年余り騙されて使っていましたが、ついに底がパックリ!

【アマチュア無線】

カンボジアの免許"XU7AKK"をゲット

カンボジアに来て1ヶ月ほどたった11月に、TRC(Telecommunication Regulator of Cambodia)に出向き免許の申請を行いました。現地の申請書に記入を済ませ、指定された必要書類(日本の局免許の英文証明、パスポートのコピー、無線機の仕様書等々)を申請料15ドルとともに提出しました。カンボジアの免許は1年ごとの更新となり、毎年12月31日が免許満了日となっています。そこで、受付の方のアドバイスで、2018年1月1日付けで免許を発行して頂くことにしていただきました。後日免許を受け取るときには、MPTC(Ministry of Post and TeleCommunication)に出向き免許料25ドルを支払い、その領収書を持ってTRCの窓口でカンボジアの免許XU7AKKを受け取りました。

免許の申請書類には、リグ名称(私の場合IC-706MKⅡG、マニュアル添付)、アンテナ(指向性、ケーブルロス等々)を事細かく記載するようになっています。お世話になったTRCの職員の方々はとても親切で、申請書のクメール語で書かれたよく分からない所は丁寧に教えて下さいました。


とても親切なTRCスタッフのおかげで免許もすんなりゲットしました。


郵政通信省の前でパチリ!

XU7AKKでQRV

プノンペンでの住まいは、中心部から少し離れたところの8階建てアパートの5階です。周囲には大きなお屋敷があり、ちょっとした高級住宅街の雰囲気もあるようなところです。そんなところで、アパートのバルコニー(5階東南角部屋:日本式で言うと6階)に釣り竿を利用したダイポールアンテナを突き出し、日本から持ってきたIC-706MKⅡGとで運用しています。1本は21MHz用(18MHz運用時は両端に延長コイルを追加)ともう一本は14MHz用(10MHz運用時は両端に延長コイルを追加)の2本を取っ替え引っ替えバルコニーの手摺に取り付け使っています。コンディションが今一つということもあって、コンテストの時は相手局の設備に助けられてSSBなどでもまずまずQSOができますが、普段はなかなかお相手いただけません。

そんななか、弱い信号でもOKとの噂のFT8を始めてみてびっくり。日本の局とはもちろん、ワールドワイドに交信できてしまうのに感心してしまいました。ソフト(WSJT-X)の操作に手間取り、お相手いただいた皆様にはいろいろご迷惑をおかけしていることとは思いますが、おかげさまでコンディションが悪い中でも楽しく無線を楽しむことができています。急遽QRZ.comに登録し、LoTWやeQSLも使えるようにしました。また、最近は7MHzのFT8にも挑戦しています。

XU7AMOでQRV

NPIC無線クラブXU7AMOは、私がボランティアで日本語を教えている学校の教員や学生、そして近くのFMラジオ局の技術者らがメンバーとなり、資格取得とコンテストをメインに活動しています。私もメンバーの一員としてQRVすることがあります。クラブ管理者は私の日本語教室の生徒さんでもあるSombath先生です。先生はIT学科で教鞭をとっておられます。目下カンボジアで唯一のIC-7610の機能を存分に生かし、世界中のアマチュア局と交信しようとマニュアル片手に日々格闘中(?)です。


通信工学科にある無線室でクラブ管理者のSampath先生とIC-7610のまえで。

日本語教師として

家事の合間には、日本語教師の資格と経験を生かしてカンボジア人の大学の先生たちにボランティアで日本語を教えています。忙しい中熱心に学ぶ先生たちとの日本語教室はとても楽しく、笑い声が絶えません。特に女の先生たちとの日本語教室はまるで"女子会"との声も周りから聞こえてきそうです。


楽しさ満点で笑いが絶えない"女子会的雰囲気"の日本語教室女子クラス。大学の電気工学科と電子工学科の先生たちです。

帰国を前に

帰国の日が近づくにつれて、月日が過ぎ去るのがますます速く感じるようになりました。クメール語も勉強しましたが、クメール語で話が弾むまでには程遠く、それでも片言で地元の人と話が通じたときはうれしいものでした。帰国後は、カンボジア人ハムの運用する無線局とクメール語で交信を楽しみたいと思っています。


結婚式では新婦の待つ家に新郎が行列を伴って向かいます。子供の衣装がとてもかわいい。


家々にはバナナやマンゴーの木がよく植えられています。アパートの近くにはジャックフルーツの実を付けた"街路樹"がありました。

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次号は 11月2日(月) に公開予定

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