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楽しいエレクトロニクス工作

第80回 シニアスピーカー

JA3FMP 櫻井紀佳

長年アマチュア無線を運用してきて年を取ると耳の特性も変わり、耳に少なからず支障がでることもあると思います。私はまだ老人性難聴にはなっていないと思いますが、その時の状況に合わせて周波数特性を変化させると聞きやすくなるのではないかと考え、そのようなユニットを作ってみました。

その回路は基本的にはオーディオのトーンコントロール回路です。


無線機のスピーカー出力をINPUT端子に入力すると、IC1A、IC1Bと周辺のCRで構成されるLPFに入り3.1kHzより上の周波数を先に落とします。これはシニアになると高音部が耳に付く、と言われるので不要な周波数帯を先に減衰させようとするものです。

その特性は次のようなものです。


その後トーンコントロール回路で低音部と高音部を別々に変化させます。この回路はオーディオ関係では標準的なもののようです。シニアの耳は高音部が課題で低音部は関係ないのかも知れませんが、両方試してみたかったのでこのようにしてみました。

R11とR15のVRをセンター付近にしておくと全く平坦な特性ですが、VRを回すと次のように特性が上下に変化します。C8とC9を変化させると高音部の、C10を変化させると低音部の特性をスライド的に移動させることができます。


R11の変化による高音部の特性の変化


R15の変化による低音部の特性の変化

トーンコントロールされた信号はIC3のNJM368Bへ入力され、電力増幅されてOUTPUT端子より出力します。元々無線機のスピーカーまたはヘッドホン出力をこのユニットの入力にしているのでアンプのゲインは必要ありません。このNJM368Bのゲインは26dB位ありますので、入力側でR9 2.2kΩとR18 220Ωで分圧し20dB近く落としています。

NJM368Bは既に製造されていないようですが使いやすいアンプで、まだ通販でも手に入ると思います。型名の最後にBのないものは13.8Vの電圧はかけられないのでB付のものが必要です。ボリュームコントロールは付けていませんが音量調整は無線機側で行います。

これらの回路は47mm x 72mmの穴開き基板に部品をハンダ付けしました。


トーンコントロールのボリューム用端子は基板から出してVRへリード線で半田付けします。出来上がった基板は部品屋さんで買ってきた80mm x 50mm x 35mmのプラスチックケースに入れました。外部との接続は、スピーカーとの入出力と電源のコネクターが必要です。


出来上がったユニットをさっそく無線機のヘッドホン出力に接続し、外部スピーカーを繋いで聞いてみました。高音部、低音部のVRが中間の位置では内部のLPFで3.1kHz以上がカットされるため、直接聞くより少しノイズが低音気味に聞こえます。

SSBの信号を聞いて高音部と低音部のVRをそれぞれ回してみました。聞きやすいポジションを探してみましたが、予想に反してそれほどよいポイントは分かりませんでした。確かに音質は変わりますが期待したような効果は感じられません。また、CWは元々600Hz位で聞いているのでこのユニットの効果はあまりありません。

使ってみた感じは、私はまだシニアとしての耳の劣化が少ないためかあまり効果があるように感じられませんでしたが、人によっては効果があるかも知れません。




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