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33回目JAIGミーティングinフライブルグ開催記

DF2CW 壱岐邦彦

5月の気候が爽やかになる頃、JAIG(Japanese Radio-Amateur's In Germany)グループは毎年ドイツのどこかでミーティングを開催してメンバー相互のアイボールを楽しんでいます。今年はフランスとスイスの国境に近い南西ドイツ、「黒い森」と日本語に訳されているシュバルツヴァルトの中心地の歴史的に由緒のある、そして大学の町でもあるフライブルグで開催されました。私達のメイン会場となったホテルは市の中心から15km程はなれたWaldkirch(ヴァルトキルヒ)というところにある「Hotel Suggenbad」(Foto1)でした。

JAIGグループは、開催地の選択にあたり、再会を喜び合うことはもとより、ドイツの歴史と風光の明媚な地を選んでいて、そのプログラムにバスツアーによる見学旅行をも組み込んでいます。今回は「フライブルグ市の見学」、フランス側にある「コルマー市の見学」、そしてシュバルツヴァルトをバスで一巡して、この地方特有の屋外の「農家の博物館」と「時計の博物館」の見学等が企画されました。

5月18日木曜日は早期参加者のためのプログラムで、この日の午後はフライブルグの旧市街見学でした。フライブルグはシュバルツヴァルトの中での最大の都市で人口は約22.5万です。大学の町でもあるところから若い人たちが沢山住んでいます。私達はホテルからバスと電車を乗り継いでフライブルグに向かいました。集合場所として約束してあったところは市庁舎の前の広場でした。市内のガイドは若いドイツ人でドイツ語での案内でした。(Foto2

2日目の19日はフランス側にある「コルマーへのバスツアー」です。コルマーの町は政治情勢の変化によって、たびたびドイツ領になったりフランス領になったりしていますが、今日ではフランス領になっていて、ライン河を挟んでドイツの対岸にあります。しかし旧市街といわれる地域は、ドイツ的な建物が多く、それが綺麗に保存されていて、初めてみる人には「あれっ、ドイツに戻ってきたのか?」との印象を与えてしまいます。通常はフランス語ですが、まだまだドイツ語が通じます。ここではドイツ語グループと日本語グループの2組に別れて市内を見学しました。日本から参加した方々のために、私達のメンバーの誰かが独日通訳をしてくれました。ガイドのフランス人はドイツ語で開口一番、「ここアルザス地方はフランスで最も日照時間が長いところ」と話し始めました。「アッそう」といいながら私達は笑いの止まるをジッと我慢していました。なぜならこの日は私達には不運にも雨降りだったからです。(Foto3

およそ2時間に亘る見学の後、またバスに乗り次の目的地Kaiserstuhl(カイザーシュトゥール)と呼ばれるワインの名産地に走りました。再びライン河を越えてドイツ側に戻り、途中の丘陵地帯にはワイン畑を見ることが出来ました。大昔この地は火山活動が活発でしたがその土地はワインを育てるに快適な条件が整っていることを、ここに来たローマ人が見つけてワインの栽培を始めたといわれています。Vogelstrausse(フォーゲルシュトラウセ)と呼ばれるワイン醸造元直営のレストランで夕食を取りながら特産ワインを賞味しました。(Foto4


左上:(Foto1)Hotel Suggenbad、右上:(Foto2)市内見学の様子、左下:(Foto3)市内観光の様子、右下:(Foto4)ワインレストランでの様子

3日目のバスツアーはシュバルツヴァルトの森の中を走り、この日の目的地の一つであるGutachという町にある、この地方特有の1964年に屋外に纏められた農家の博物館、Vogtsbauern Museumを見学しました。ここは1600年の初めに建てられた農家をそのままにして(Foto5)それを中心に近郊に残存する農家を移築して保存しているものでした。私達はここでもドイツ語と日本語グループの2班に分かれてガイド付きの見学をしました。(Foto6

見学の後三々五々昼食をとった私たちは、次の目的地Furtwangen(フルトヴァンゲン) という町にある「時計の博物館」へと走りました。ここシュバルツヴァルトは日本で知られている鳩時計の生産地ですが、世界各国から収集されたあらゆる時計をこの博物館で見ることが出来ます。私達はここでこのツアーに参加した人たちでグループ写真を撮影しました。(Foto7


左:(Foto5)代表的な農家、右:(Foto6)ガイド付きの見学風景


(Foto7)参加者全員で記念撮影

この日の午後6時からはホテルのホールで恒例の「JAIGミーティングの晩餐会」です。日本から来られた荒川さん(JA3AER),西さん(JK3IYB)、大西さん(JA3PE),中嶋さん夫妻(JA9IFF,JQ1NRO)、またフライブルグ大学に留学中の香月さん(JA6EV)のお孫さん美桜さんなどの参加があって総勢50名以上のパーティーと成りました。

私、DF2CWは挨拶の冒頭に、最近サイレントキーとなったメンバー、ハイディ ハッケルさん(DG8FDJ)とペーター フィッシャーさん(DF7AA)を伝え、冥福を祈って皆で黙祷を捧げました。その後会食に移って、郷土料理を楽しんでいたら、シュバルツヴァルト地方の民族衣装を着た楽師夫婦のコルデスさんがこの地で作られた「手回しオルガン」をもって入って来ました。ドイツ音楽はこのためにつくられているかのように、次から次へと休みなく演奏されるので、みんなは興に乗じて一緒に歌ったりダンスをしたり、或いはこのオルガンを演奏させてもらったりして夜の更けるまで楽しみました。(Foto, 8、9、10、11


(Foto 8、9、10、11)会場の様子

翌日曜日は皆さんの帰途につく日です。
朝早く列車で帰る人、ゆっくり車で帰る人など、それぞれにスケジュールにあわせて、握手を交わしたり最後の写真を撮ったりしながら別れを惜しみ、お互いに手を振って来年お再会を約しました。(Foto12


(Foto12)別れの写真、左から西さん、中嶋さん、荒川さん)

2018年のJAIGミーティングは中部ドイツでの開催を計画しています。日程は12月頃発行のJAIGニュースでお知らせしますが、メンバー以外の方々の参加も歓迎します。

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次号は 12月 1日(木) に公開予定

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