Monthly FB NEWS 月刊FBニュース 月刊FBニュースはアマチュア無線の電子WEBマガジン。ベテランから入門まで、楽しく役立つ情報が満載です。

広げよう“IOTA”の輪 ~ONE PIECE of IOTA~

その7 IOTAへの長い道(JG8IBY 鍋谷氏より)

JP3AYQ 眞田真由美

こんにちは。JP3AYQ眞田真由美(Mami)です。ご縁あって月刊FBニュースにIOTA関連の記事を連載させて頂いております。今回で早くも第7回目となりました。12回シリーズで連載させて頂いていますIOTAシリーズもあっと言う間に今回から後半戦へ突入となりました。少しでも多くの方に、IOTAの魅力や楽しみ方を知って頂けるように、色々な視点からIOTAチェイシングのノウハウ、体験談や苦労話・移動レポートなどIOTAの魅力たっぷりなレポートを頂いて繋げて行きます。IOTAは世界の島々を電波で巡るアワードです。あなたも一緒に電波で島への旅に出かけませんか?はまると楽しいIOTAです!

さて、前回はJA4-4665杉原さんにSWL IOTA チェイシングでの懐かしいお話からコンテスト参加のアドバイス、思い出話などをSWL局ならではの視点から素敵なレポートをご執筆頂きました。如何だったでしょうか?今月は2015年からIOTAを意識してチェイシングを始められましたJG8IBY鍋谷(なべや)さんに、「IOTAへの長い道」として、IOTAを始められたきっかけから、最近IOTA100を達成されましたお話までレポートして頂きました。鍋谷さんはカムバックハムで、微弱電波でも交信が可能なCWやデジタルモードをうまく活用されて、記念すべきIOTA100を達成されました。IOTAは、どのバンドでもどのモードでも1QSOのCFMがあればOKですので、島に在住の固定局や近場の島移動の局などを狙えば、大きなアンテナを展開できないアパマン局でもIOTA100、200と狙う事は十分に可能です。DXのCONDXは現在あまり良くありませんが、まだまだ近場のDX島移動や国内の島移動局はQSO可能ですので、ぜひ気軽にIOTAチェイシングを楽しんで頂けたら嬉しいです。では、どうぞお楽しみください。

IOTAへの長い道

JG8IBY 鍋谷芳明

私のハムライフのスタートは1989年で4アマでの開局です。当時は社宅でアパマンハムとしてベランダにアンテナを突き出し、SSBオンリーで主に国内局と交信を楽しんでいました。たまに近場の海外局とQSO出来るたび喜んでいましたが、数年たつと多忙な仕事を言い訳に段々と興味が薄れ、QRTという長いトンネルに入り込んでいました。

その後も再開してはQRTの繰り返し。相変わらずの10W-TX、5band-GPアンテナにSSBでは海外局との交信には限界で、2005年に再開した時にはモチベーションを維持しようと3アマを取得してCWを始めました。ちょうどタイミング良く雑誌やインターネット等でRTTYやPSKといったディジタル通信が紹介され、特にPSKは私のようなプアーな設備にはCWと共にピッタリの運用モードで、海外とも頻繁に交信が可能になりました。


筆者とシャック


現在使用中の5band-GPアンテナ


隙間ケーブルでシャックへ引き込み

さて本題のIOTAですが、出会ってその魅力に引き込まれたのは2015年からです。海外交信の中でもIsland(島)からのQSLカードにはリゾートなどの美しい風景や、どうやって上陸したのかと思うくらいの絶壁や絶海の孤島など不思議な魅力に溢れたカードが多く、文字通り”愛すべき地(アイランド)”に憧れていました。超スローペースですが海外局もやっと70エンティティ位まで進んで、憧れのDXCCを意識し始めニンマリしながらQSLカードを改めて確認していた時、IOTAナンバーなるものに気付きました。アジア、オセアニアの島々との交信が多かった時期の事です。日本ではJIAを始めとするアワードがいくつか有る事は知っていましたが、全世界対象の島アワードがあることは知りませんでした。IOTAってナニ?? DXCC上ではこれらの島々の多くは1entityに過ぎないのでこれまで興味が無かったですし、知識も有りません。何気に調べてみると1000以上もの島のリストがあるではないですか!!DXCCと同じく100か所集めれば最初の申請が出来るって事はDXCCが100/339、IOTAが100/1100程ですからIOTAのほうが総数が多い分、早く達成出来そうな気がして”いいんでないかい?”と単純に思えたのです。これまでの取得カードをチェックすると既に50近くあります。さっそくIOTA Check Point-JAを担当されているJA9IFF/中嶋さんにメールして申請を前提とした登録をお願いしました。それからはDXペディションなどのQRV情報をもとにワッチ重視で交信を続けましたが、サイクル24の終盤を迎えた時期ではすぐに頭打ちになりました。

しかし今の設備をグレードアップしてまでやるつもりはありません(お金が無いとも言う・・・)でしたので、インターネットでIOTAに関する情報を探っていたところ、JN6RZM/山本さんのホームページ(*1)に巡り合ったのです。そこにはIOTAの魅力と情報が溢れていました。最初は情報を一方的に得るだけでしたが、ロシアのDXペディション支援でメールのやり取りが始まり、スケジュールQSOにも参加させて頂くようになりました。いまではSkypeで時間があればIOTAの事だけでなく、お互いの健康についても話題にしています。素晴らしいIOTAの師匠に巡り合えたと思っています。


唯一のアフリカ/Réunionと南極East Ongul Island/昭和基地のQSLカード

IOTAを追いかけ始めて1年ほどでCFMも90を超えましたが、IOTAでは最初の申請時に「6大陸に属する島+南極に属する島」からのカードが最低1枚含まれる事が必須条件となっています。ここがDXCCとは違うところですが、ナント私はいまだに南米とのQSOが出来ずに最後の壁として残っていたのです!!もちろん南米局のカードは持っていますが、その全てが島からの運用ではありませんでした。JN6RZM/山本さんの支援で南米局とコンタクトを取ってQSOを目指すも、昨今のコンディションではその努力も空しく歯が立ちません。申請条件をクリア出来ないままIOTAが100を大きく超え、140に迫るところまで進みました。これは珍レコード(笑い)になってはマズイと思い”打倒!南米”攻略を始めました。

その1 小出力で海外と交信可能と話題のJT65Aを2016年5月から運用。
その2 facebookに登録し国内外のハムとコミュニケーションを始める。SPOT情報を交信の補助手段として利用、交信後は可能であればOQRS, PaypalでスピーディーなQSLの入手を図る。
その3 QROを目的に2アマを取得して100W中古機を入手、2017年2月からMax100W運用。

そしてついにこの4月、SA-008 Tierra del Fuego(40m、JT65)、SA-002 Falkland Is(40m、RTTY)との交信に成功したのです。現在カード請求とClublog matchの結果待ちの状態ですが、これでようやくIOTAチェイサーの仲間入りが出来そうです。


いま、シャックの壁にはIOTAアワードのためのスペースをリザーブしています。

IOTAを始めた事で新たなハムの世界に巡り合えました。そしてメールやfacebookを通じて国内外のハム仲間と知り合うことが出来ました。これからはアイボール交流もしてみたいと思っています。IOTAを知ってからの2年半、私のRoad to IOTA 100は、”とても長いが楽しい”ものでした。QSO出来なかった事も含めてです。もしかしたら交信出来るかも?をモットーにIOTAを楽しんでいこうと思っています。

以上、今月は2年半をかけてIOTA100を達成されましたJG8IBY鍋谷さんにレポート頂きました。このレポートがFBニュースに掲載される頃には、きっと壁にリザーブされましたスペースに2年半の長く楽しいIOTAチェイジングの思い出がいっぱい詰まった、IOTA100の賞状が飾られている事と思います。おめでとうございます。アワードを追いかける上で、すべての局とQSOするのは大変難しい事ですが、DX局との交流やご自身のスタイルに合わせて、長くも楽しいチェイシング方法がある事を、私も勉強させて頂きました。JT65やRTTY、PSKなどのデジタルモードは微弱電波でも遠方の局とQSO出来るチャンスのある、今注目のモードです。島在住の固定局で運用されている方も多いですし、今後は大きなペディションでもQRVされる可能性も高いです。リグとインターフェイスとPCさえあれば簡単にQRV出来るモードですので、このCONDXのイマイチな今、導入に踏み込まれてみては如何でしょうか?次回私たちが計画していますV6J、ミクロネシアのレアIOTA島めぐりでもSSB・CWに加え、デジタルモードも運用するつもりです。島との交信では、どのモード、どのバンド(HF)でも、たった1つのQSOがあればIOTAアワードに使えます。ぜひ電波で世界の島めぐりへの参加を心よりお待ちしております。素敵なレポートをありがとうございました。

来月は、6月の後半に行われましたV6J(OC-226)ミクロネシアMokil島IOTAペディション報告と題しまして、V6JチームリーダーのJA3FGJ平林さんにレポート頂く予定です。どうぞお楽しみに!

(*1)JN6RZM山本さんのブログ(日々のIOTA最新情報を発信されています)
http://jn6rzm.cocolog-nifty.com/

IOTA申請に関する情報は、IOTA CP JAのJA9IFF中嶋さんが日本語でHPを開設しています。ご質問・お問い合わせはお気軽に!
http://www001.upp.so-net.ne.jp/ja9iff/iota.html

2017年7月14・15日に「関西アマチュア無線フェスティバル」が大阪府池田市民会館にて開催されます。IOTAブースも出展され、IOTA CP JAによるQSLカードチェックも行われます。IOTAアワードやカードの申請方法を聞く事も出来ますので、ぜひ関ハムにお越しの際はIOTAブースへお立ち寄り下さい。
http://www.jarl.gr.jp/kanham/

広げよう“IOTA”の輪 ~ONE PIECE of IOTA~ バックナンバー

2017年7月号トップへ戻る

次号は 12月 1日(木) に公開予定

サイトのご利用について

©2024 月刊FBニュース編集部 All Rights Reserved.