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過去最高! 42,000名の入場者で賑わった「ハムフェア2019」

今年で43回目を迎える日本最大のアマチュア無線のイベント「ハムフェア2019」が8月31日(土)と9月1日(日)に東京ビッグサイト 南展示棟3・4ホール(東京都江東区)で開催された。ハムフェアが土・日の2日間行われるようになってからでは過去最高となる42,000名(初日30,000人、2日目12,000人)が来場した。


ハムフェア2019初日、30,000人の入場者で賑わう会場内

新会場の東京ビッグサイト南展示棟で開催

ハムフェアは毎年、東京ビッグサイト(東京国際展示場)で開催されているが、来年はここが東京オリンピック・パラリンピックのプレスセンターになることから、展示場の改装工事が進行している。その関係で今年はいつもの西展示棟ではなく、7月にオープンしたばかりの「南展示棟3・4ホール」が会場として使われた。東京ビッグサイトの敷地内に入ってから、動く歩道を利用してやや長めの移動距離となったが、新築の展示棟はさすがにきれいで空調も効いていた。ただしエントランスホールがないことから、一般入場者は会場内とホール前の通路に分散し長い入場待機列を作ることとなった。


初日の開場前、南展示棟3ホールの入口には長い行列ができた

9時45分からは開幕セレモニーが開催され、髙尾義則JARL会長(JG1KTC)が「今年のハムフェアは、来年のオリンピック・パラリンピックイヤーに向けて“世界がともだち、アマチュア無線”をキャッチフレーズに開催します。本日はIARU会長をはじめ、IARUの第2地域会長と第3地域議長、アメリカ、韓国、タイ、マレーシア、インドネシア、ルクセンブルグ、ドイツの連盟の皆様をはじめ、世界各国の皆様にお越しいただいています。各国の皆様を歓迎するとともに、日本のハムと大いに親睦を深めてください。ご来場の皆様にとって、楽しい出会いや新しい発見がある2日間となりますよう、ハムフェアを存分に楽しんでください」と挨拶を行い、来賓の紹介とテープカットを行った。


テープカットを行う髙尾JARL会長(中央)と来賓代表者


ハムフェア2019特別記念局の8J1HAMの前で来賓と関係者が記念撮影

テープカット後、一般来場者たちはJAIAコーナーをはじめとするアマチュア無線機器メーカー各社のブースや、アマチュア無線クラブなど約190団体が出展するクラブコーナー、JARLが設けた特設コーナーなど、思い思いのコーナーへと足早に進んでいった。

アイコムが新製品IC-705とIC-PW2を展示、「翻訳トランシーバー」のコンセプト展示も

アイコムは、今年もアマチュア無線家の期待に応える製品を意欲的に展示していた。


アイコムのブースはIC-705を見る来場者で終日混雑した

最も注目を集めたのはポータブルトランシーバーの新製品、IC-705だ。サイズは約200W×80H×85Dmm、重量約1kgの小型ボディでHF+50MHz+144MHz+430MHzをSSB・CW・RTTY・AM・FM・DVの各モードでカバーする10W機だが、背面にID-51やID-31シリーズでも使用できるリチウムイオンバッテリーBP-272(付属)を搭載することで、手軽なポータブル運用(バッテリー時の最大出力5W)ができるという製品だ。内部にはGPSアンテナ、GPSロガーも搭載している。


アイコムが久しぶりに発表したポータブル機、IC-705。HF~430MHz帯のアマチュアバンドをD-STAR(DV)を含むオールモードでカバーしている

受信部はアイコムが得意とするRFダイレクト・サンプリング方式(25MHz以上はダウンコンバージョンIFサンプリング方式)を採用。極めて優れたフェーズノイズ特性を達成するとともに、クラス初の高速/高解像度を誇るリアル夕イムスぺクトラムスコープ&ウォーターフォールを実現した。フロントパネルにはIC-7300やIC-9700と同じサイズ(4.3インチ)の大型カラーディスプレイ(タッチ操作にも対応)を搭載している。

さらにIC-705をすっきりと収納し、アンテナの装着や同軸ケーブルとマイクケーブルを通すホールなど、多彩な機能を備えたオプションのマルチバッグ「LC-192」を用意されるという。来場者からはIC-705の発売を楽しみにする声が上がっていた。


マルチバッグのLC-192を持ち、フォトセッションに登場したJH1CBX Masacoさん

このほかアイコムは、HF+50MHz帯の1kWリニアアンプ「IC-PW2」を発表した。ファイナルにLDMOSを採用し、長時間送信でも1kW出力が得られるフルパワー・フルデューティー仕様で、2台のエキサイターと6つのアンテナが接続可能なアンテナセレクターを装備し、コンテストで行われるSO2R(Single Operator two Radios)という運用形式に1台で対応するという製品だ。


HF+50MHz帯の1kWリニアアンプ「IC-PW2」

またコンセプト展示コーナーでは、アイコムのIPトランシーバーを使用した「翻訳トランシーバー」のデモンストレーションが行われた。来場者が日本語で用件を送信すると、サーバーとクラウドを通じて英語に自動翻訳され、相手局へは英語で用件が伝わるというものだ(その逆で英語から日本語への自動変換も可能)。完成度は高く、多くの来場者が翻訳の精度や使い勝手を確認していた。


アイコムのIPトランシーバーを使った「翻訳トランシーバー」のコンセプト展示

JAIA各社が魅力的あふれる製品を展示


JAIA加盟各社の展示エリアも大混雑となった

JVCケンウッドは、昨年8月に発表したHF/50MHz帯ハイエンドトランシーバーのTS-890の操作体験ができる試聴コーナーを設け、同社スタッフがさまざまな機能について講演する企画を行って好評を博した。


JVCケンウッドのスタッフが交代で行うTS-890に関する講演は注目度が高かった

アルインコは140MHz帯のデジタル小電力コミュニティ無線機「DJ-PV1D」を初めて展示し、周波数表示や大型Sメーターを始めとする独自機能の説明を行った。


アルインコは140MHz帯デジタル小電力コミュニティ無線機、DJ-PV1Dを初展示

アツデンは、ハムフェア開催直前に発表したHF+50MHz帯1kWリニアアンプのAZR-1000と、同じデザインで海外向けとなるAZR-1500(1.5kW出力)の初展示を行った。またエーオーアールはVHF/UHF帯エアーバンドを最大4波同時受信が可能なAR7400と各種デジタル無線に対応した広帯域受信機のAR5700Dを発表した。


アツデンのHF+50MHz帯1kWリニアアンプ、AZR-1000の展示


エーオーアールの受信機、AR5700D(左)とAR7400(右)


多彩な展示を行ったJAIA加盟各社のブース

楽しい展示や催事が目白押し!

ハムフェアではJARLコーナーの展示を見たり、イベントコーナーで行われるトークショーと講演を聞いたりする楽しみがある。今年もさまざまな企画が行われた。いくつかを写真で紹介しよう。


左上:イベントコーナーで行われた総務省電子申請のトークショー、右上:会場内に設置されたRadio JARL.comの放送ブース、左中央:海外のアマチュア無線連盟もブースを出展。右中央:JARLの電子工作コーナー、左下:SOTA日本支部のクラブブース、右下:「Masacoのむせんのせかい」でも訪問した宮崎大学無線部のクラブブース

初日の夕方からは、JARL主催の「アイボールパーティ」が東京ビッグサイト内のレストランで開かれ、200名が参加し親交を深めた。今年は来賓として、JARL会員で2アマの7K1KJK(ex.JH0CPA)泉田裕彦衆議院議員が出席し、アマチュア無線への思いを交えた挨拶のほか、無線機などが当たるじゃんけん大会のプレゼンターを務めて会場を盛り上げた。


アイボールパーティで挨拶する、7K1KJK泉田裕彦衆議院議員。ハムフェア会場の展示も楽しんだという


アイボールパーティの乾杯の音頭はJL3KLL播磨JAIA会長(アイコム株式会社 代表取締役社長)が務めた

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次号は 12月 1日(木) に公開予定

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