Monthly FB NEWS 月刊FBニュース 月刊FBニュースはアマチュア無線の電子WEBマガジン。ベテランから入門まで、楽しく役立つ情報が満載です。

ニュース

ラジオスカウティングinアイコムならやま研究所2024開催される

2024年4月15日掲載


3月30日(土)、31日(日)の2日間、奈良県奈良市にあるアイコム株式会社ならやま研究所で昨年に続き2回目となるラジオスカウティングinアイコムならやま研究所が行われた。

今年の目的は、世界スカウト機構(WOSM)が毎年10月に開催しているJOTA(Jamboree On The Air)に参加するスカウトの育成のために開催され、近隣各府県はもとより、福岡県、山口県、長野県、埼玉県、栃木県など11都府県からの参加者が集った。

参加者数は、スカウト28名と、スタッフ、引率など大人48名の合計76名で昨年の2倍以上であった。参加したスカウト達は参加目的や無線従事者免許の有無によりいくつかの班に分かれて、以下のようなプログラムに参加し、実際の無線交信や体験、見学を行った。無線従事者免許を持っていないスカウト達は体験運用やデジタル簡易無線を用いたプログラムに積極的に参加していた。

実施プログラム

①DX交信: 世界の無線局を相手に英語でCQ World Wide WPXコンテスト SSBに参戦。
②国内交信: HF、VHF、UHFを用いて国内の無線局と交信。
③交信体験: 無線従事者免許の無い方を対象にアマチュア無線の体験運用。
④CW体験: 欧文モールス符号の送受体験。
⑤電波で探し物: FMラジオで宝探し(両日)。ARDFの体験(31日)。
⑥ドローン: 戸外でドローンと画像通信の見学。
⑦衛星通信: サテライト通信の解説とデモ運用見学(31日)。
⑧BCL体験: 海外の短波放送の受信体験。
⑨デジタル簡易無線機: ならやまで鬼ごっこ。

今回は、⑤以降のプログラムが追加され、電波や無線に親しみを持って興味を深めることができたようだ。

①DX交信
ならやま研究所に設置されている巨大アンテナを使用し、この期間中に開催されているCQ World Wide WPX コンテスト SSBにJJ0WIE、JO4LNIの中学3年生の2人を含む総勢9人でJA1YSS/3のコールサインで参加した。


左: JO4LNI 右: JJ0WIE 2人とも中学3年生

アンテナが高性能であったためパイルアップを受け、海外局との交信を楽しんでいた。


②国内交信、③交信体験
交信方法のレクチャーのあと、HF~430MHz帯のSSB、FM、D-STARを使用し、日本国内局との交信を楽しんだ。また最大高51mのクランクアップタワー LUSO51MAGNUMの昇降デモの際にはスカウトやスタッフたちがカメラなどで動画や写真を撮ったりとその迫力に驚いていた。


交信方法のレクチャー


HF帯での国内交信



V/UHF帯での交信


D-STARでの交信



アイコム株式会社ならやま研究所のアンテナ群

④CW体験
JOTA-JOTIで行われている欧文モールス符号の体験も行われた。指導者の送信した符号をまねて縦振り電鍵でモールス符号を打ったり、PCの採点ソフトで出た点数でスカウト仲間達と一喜一憂していた。


指導者をまねてのモールス体験


PCソフトで一喜一憂するスカウト


⑤電波で探し物
FM電波で宝探し(フォックスハンティング)や3.5MHz帯でのARDF体験で、ならやま研究所周辺に隠されたチェックポイントを探し回っていた。

FM電波で宝探しでは、ポータブルFMラジオを手にFMラジオの周波数で8か所(犬、からす、うぐいす、パトカー、にわとり、つくつくぼうし、救急車、あ~ああ~ターザン)をそれぞれ微弱電波で送信している場所を探し出し、置いてあるスタンプを8つ集めると宝探しが完了というプログラムであった。


使い方のレクチャー


お宝発見!



宝探しのスタンプカード
8か所のスタンプを集めてゴール地点できつねのスタンプを押して完了


ARDF体験では本格的な機材が準備された


これからスタート



なにか聞こえる?


さぁ次はどこかな


⑥ドローン操作体験
安全のため紐を付けたドローンで操作体験やドローンから送られてくる画像を楽しんでいた。


指導者のサポートによる操作体験


ドローンを見上げるスカウト達


⑦衛星通信解説とデモ運用
アマチュア衛星の解説や、衛星の飛来時間帯には実際のデモ運用が行われ、スカウト達も興味津々でその様子を見守っていた。またスタッフが持ち込んだアンテナでも受信できるか試していた。


アンテナの設置


デモ運用



デモ運用に見入るスカウト達


スタッフが持ち込んだアンテナ


⑧BCL体験
初日の夕方から夜間にかけて行われ、インドネシアの声、ラジオタイランドなど近隣国の短波放送のBCL体験が行われていた。

⑨デジタル簡易無線機を持って衛星ならやまで鬼ごっこ
スカウト達がそれぞれデジタル簡易無線機を持ち、位置のヒントを教えあっての鬼ごっこは、スカウト達に人気で楽しんでいた。


鬼ごっこのルールや無線機の使い方のレクチャー


鬼に捕まったスカウト達


今回のプログラムに参加して、スカウトはもとよりスタッフも資格のレベルアップや免許を取ろうとJOTAに向けての意気込みが感じられた。またどの取得方法(講習会、CBT試験)がおすすめかという問い合わせも、運営した関係者に寄せられているそうだ。


運営スタッフの皆さん。お疲れさまでした

2024年4月号トップへ戻る

サイトのご利用について

©2024 月刊FBニュース編集部 All Rights Reserved.