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JARL、アマチュアバンドプランを改正し発表

2025年11月4日掲載

一般社団法人 日本アマチュア無線連盟(JARL)は10月中旬、「アマチュアバンドプラン」のうち、2400MHz帯、5600MHz帯、10.1GHz帯の一部を改正し、PDF版を公式サイト(JARL Web)で公開した。同連盟によるアマチュアバンドプランの改正は2023年9月25日以来、約2年ぶりとなる。

今回のバンドプランの改正について

今回改正されたJARLのアマチュアバンドプランは下図のとおり。135kHz帯から1200MHz帯までと10.4GHz帯については2023年9月に改正されたものと同じで変更はない。


改正されたJARLのアマチュアバンドプラン(1ページ目)
JARL WebからPDF版がダウンロード可能だ


改正されたJARLのアマチュアバンドプラン(2ページ目)

改正されたのは2400MHz帯、5600MHz帯、10.1GHz帯で、これまで「レピータ」(レピータ局のアップリンク・ダウンリンク用)と、「アシスト」(レピータ局間を結ぶアシスト局用)の専用周波数だった部分に「全電波型式」が加わった。これにより2400MHz帯、5600MHz帯、10.1GHz帯ではレピータやアシスト局以外の通信に使用できる周波数が拡大したことになる。ただし5600MHz帯の一部で「衛星」と「アシスト」が共用して部分については「全電波型式」は追加されていない。


改正された2400MHz帯、5600MHz帯、10.1GHz帯のアマチュアバンドプラン。赤枠が今回変更された部分で、これまで「レピータ」や「アシスト」専用だった周波数に「全電波型式」が加わった


これは改正前(2023年9月25日施行)の2400MHz帯、5600MHz帯、10.1GHz帯のアマチュアバンドプラン。上記の改正後の図と比較すると違いは一目瞭然だ

ところで今回の改正は、総務省の告示「アマチュア業務に使用する電波の型式及び周波数の使用区別」が2025年7月17日に改正・施行されたことに起因するものだ。初心者には少々ややこしい話なので、概略を説明しておこう。

バンドプランには「総務省版」と「JARL版」の2つがある

実は日本のアマチュア無線界には、2つのバンドプランが存在している。1つは総務省が作成し、法的拘束力のある「いわゆるバンドプラン(法令)」(正式名称: 「アマチュア業務に使用する電波の型式及び周波数の使用区別」)で、もう1つはJARLが制定する「アマチュアバンドプラン」だ。

●総務省の「いわゆるバンドプラン(法令)」について
日本では総務省が、LFの135kHz帯からEHFの248GHz帯まで、25もの周波数帯(バンド)を「アマチュア業務用」として割り当てている(一部の周波数は他用途との共用)。

これらの周波数帯は多数のアマチュア局で共用し、さまざまな電波型式(モード)や運用形態(電信、電話、レピータ、EME、衛星通信など)で利用されていることから、混信や妨害を避けながら効率良く運用ができるように、電波型式や運用形態別の「使用区別」を、総務省が電波法令(総務省告示)で設けている。

これが「アマチュア業務に使用する電波の型式及び周波数の使用区別」、通称「いわゆるバンドプラン(法令)」または「総務省バンドプラン」と呼ばれるものだ。法的根拠のあるものなので、これに従わずに運用すると法令違反に問われることになる。


総務省が告示した「アマチュア業務に使用する電波の型式及び周波数の使用区別」、通称「いわゆるバンドプラン(法令)」より、1200MHz帯、2400MHz帯、5600MHz帯、10.1GHz・10.4GHz帯を抜粋。JARLのアマチュアバンドプランよりも簡素だ

この「いわゆるバンドプラン(法令)」は、総務省の電波利用ポータル内で解説と解説とPDF版の簡易図表が公開されている。

●JARL制定の「アマチュアバンドプラン」について
JARLは、総務省が告示した「いわゆるバンドプラン(法令)」に準拠しつつ、諸外国の運用状況や世界的な慣習などをふまえ、運用モードや運用形態を中心にわかりやすくまとめた「アマチュアバンドプラン」を制定している(JARLの周波数委員会が作成し、理事会の承認を経て公開)。実は総務省のバンドプランよりも古く、1971(昭和46)年2月14日に「VHF・UHFアマチュアバンドの使用区分」として制定されたものがルーツだ。

全体としては総務省のバンドプランよりも細かいのが特徴だ。例えば144MHz帯を見てみると、JARLのアマチュアバンドプランには、総務省版にはない「CW」「広帯域データ」といった区分や、「非常通信周波数」「デジタル呼出周波数」などが追加されている。


総務省「いわゆるバンドプラン(法令)」の144MHz帯


JARL「アマチュアバンドプラン」の144MHz帯。総務省版をベースにしているが「CW」「広帯域データ」といった区分や、「非常通信周波数」「デジタル呼出周波数」などが独自に追加されている

次ページは「今回の改正を時系列で見てみる」

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