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新・エレクトロニクス工作室

第43回 基板で作るクリスタルフィルタ

JE1UCI 冨川寿夫

2025年11月17日掲載

はじめに

最近ではクリスタルフィルタをラダー型で作るのが主流になっているようです。写真1のようなメーカ製はジャンクでも入手難なので、当然の流れなのでしょう。そこで、基板を発注して写真2のようなラダー型のクリスタルフィルタを作ってみました。


写真1 入手難であるメーカ製クリスタルフィルタ


写真2 基板を発注して作ったクリスタルフィルタ

何でクリスタルフィルタ単体・・・? と疑問に思われる方も居られるでしょう。トランシーバ基板に直接フィルタを組むケースが多いのも確かです。それはそれで良いのですが、フィルタ単体でのチェックがとてもやり難くなってしまいます。単体であれば、特性を確認してから本体の基板に使う事ができます。これはメリットなのでしょう。そこでフィルタ用の基板を作り、先にチェックができるようにしました。

このように、一般のクリスタルフィルタと互換できるようにするという目的があります。これは次々回で納得して頂けると思います。もちろん全てのフィルタサイズに合わせるのは無理です。本体側のSSBジェネレータやトランシーバ基板から見ると、どちらのフィルタでも使えるようになります。一般のクリスタルフィルタを使えるように、基板を作れば良いのです。これもメリットになるのでしょう。

回路

5素子のラダー型フィルタとして、図1の回路としました。押し込めば7素子も可能かもしれませんが、まあ最初ですので5素子で良い事にしました。今のところ私の作るものであれば、性能的に5素子で充分と思います。その方が性能的にバランスは良いのですが、今後は7素子も作ろうと思います。


図1 5素子のラダー型で作製

とりあえずですが、図2図4のような3個のクリスタルフィルタを作ってみました。計算についてはサイテックのホームページにあるソフトで計算しました。図の左側にあるのが条件で、右側がその計算値になります。


図2 16.2095MHzのクリスタルを使用


図3 4.5MHzのクリスタルを使用


図4 7.8025MHzのクリスタルを使用

また、せっかく一般的なクリスタルフィルタにサイズを合わせるのですから、インピーダンスを500Ω程度に合わせておく方法もあります。これは容易なのですが、スペースの都合もあり今回は行いませんでした。

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