ニュース
2025年11月17日掲載
JARD(一般財団法人 日本アマチュア無線振興協会)は、3アマから2アマへステップアップできる「2アマeラーニング養成課程」の2026年度1月期の受講者を、12月1日(月)から18日(木)まで募集すると発表した。

日本のアマチュア無線技士の資格は、入門に適した「第四級アマチュア無線技士(4アマ)」から、最上級の「第一級アマチュア無線技士(1アマ)」まで4つの資格がある。上級になるほど、運用できるバンドの数や操作できる無線設備の最大空中線電力は増えていく。その一方で資格取得のための試験は難易度が高くなっていく。
総務省の統計によると、日本における「アマチュア無線技士」の無線従事者資格の累計取得者数(2024年度末現在)は、4アマが3,178,216人なのに対し、3アマは280,503人、2アマは87,553人、最上級の1アマは35,644人となっている。この数字からも1アマ、2アマといった上級資格の取得は一定の難しさがあることがわかるだろう。
JARDは2015年7月から、3アマの有資格者を対象にした「eラーニング方式」による2アマ養成課程(短縮コース)を年4回(1月、4月、7月、10月)開講している。独学で国家試験に挑むよりも効率良く学習でき、2アマ資格に手が届くと好評だ。受講者募集は開講する月の前月の初旬から20日間程度実施している。

JARDホームページに掲載された「2アマeラーニング募集案内」より
(https://www.jard.or.jp/eln-center/2nd-class/2nd-class_guide.html)
この養成課程を受講し最後の修了試験に合格すると、晴れて2アマの無線従事者免許証を手にすることができ、「すべてのアマチュアバンドでの運用」や、「最大空中線電力200Wまでの無線設備の操作」が可能になる。
このeラーニング養成課程では、受講者がインターネットに接続したパソコンやスマートフォンを使い、受講者専用ページにある電子テキストや授業動画などを使って、法規(全7章)と無線工学(全13章)を学習していく。

受講者専用ページにある電子テキスト(サンプル)

映像補助教材として、講師による章ごとの解説動画もある(サンプル)
受講開始時には自分で「学習スケジュール(マイ計画)」を立て、それに従うことで無理なく学習を進めていける。自宅だけでなく、通勤途中の空き時間などにスマートフォンでも閲覧できるので、タイパ(タイムパフォーマンス)良く学ぶことができる。

受講を始める際にマイページで「学習スケジュール」を立て、それに従って学習を進めていく
1つの章の学習が終わるたびに、理解度を確認する「中間試験」があるのでこれをクリアしていく。最終的に無線工学と法規のすべての章の学習を終えると受講者ページ上で「判定試験」が行われ、これに合格した場合は、全国300カ所以上にある「CBTテストセンター」に予約を入れ、本番である「修了試験」に臨む。
2アマeラーニングの標準的な受講期間は4か月だが、延長料(11,000円)を支払うと2か月間延長し、最大6か月間受講することも可能だ。受講中にわからないことがあれば、受講者ページから質問や学習相談をすることもできる。

受講中の疑問点について質問できるフォームも用意されている
また万一、本番の修了試験で不合格になってしまった場合は、1回のみ「再修了試験」(有料)を受けることができる。
2015年7月のスタート以来、毎年約800名前後が2アマeラーニングを受講している。少し古いデータだが、JARDによると2021年度は、受講者の「履修率(所定期間内に学習を終えて判定試験に合格、修了試験の受験資格を得た者)」が85.4%、修了試験受験者の「合格率」が96.6%、受講者における「修了率(修了試験合格者数÷受講者総数)」が82.2%という。
ちなみに2アマeラーニングを受講し、毎年新たに2アマ資格を取得した人の数は、日本無線協会が実施する2アマ国家試験の年度別合格者数よりも多い。まさに3アマから2アマへステップアップする場合の登竜門と言えるだろう。
次ページは「募集要項の紹介」
アマチュア無線関連機関/団体
各総合通信局/総合通信事務所
アマチュア無線機器メーカー(JAIA会員)
©2025 月刊FBニュース編集部 All Rights Reserved.