新・エレクトロニクス工作室
2026年3月16日掲載
コイルはT-25#10のトリファイラ巻き9回としました。よくFB-801を使うのですが、今回はとても入りません。FT-23#43であれば良いと思いますが、試してはいません。図1と図2のBとCをバイファイラ巻きとして、Aだけ別に巻いても問題はないはずです。ただ、実際には逆に面倒になるだけでしょう。
可能であれば写真8のように3色のポリウレタン線を使うと便利です。これは全く同じ線径を使う必要があります。よくある黄金色のみの場合は、マジックを端から端まで塗ります。赤と黒のマジックを使えば3本の色分けができます。これを40~50cmの同じ長さに切って、両側を縛ります。同じ張力になるようにするのがコツです。片方を多少引いても動かない装置のターミナル等に固定します。その反対側はドリルのチャックにかませます。そして引いて張りながらドリルを回転させます。これで写真9のようなトリファイラ用のワイヤーが作れます。

写真8 トリファイラ巻きには3色のポリウレタン線が便利

写真9 3本を撚ったところ
これをT-25#10に9回程度巻きます。この場合、最初から巻き数を考えた均等巻きをしないのがコツです。私はかなり密着巻きに近いように巻くようにしています。もちろん限度はあります。そして巻いた後で、均等になるように広げて調整します。このように巻いたところが写真10になります。とりあえず50MHzをターゲットとしていますのでT-25#10に9回としていますが、周波数が低くなる場合はT-25#6かT-25#2の方が良いと思います。

写真10 9回巻きのトリファイラを2個作る
作ったトリファイラ巻きのコイルは、足が基板に入る程度にカットします。そして同じ色を向かい合わせにします。ハンダ付けの準備にポリウレタン線をカッターの刃でこすります。次にハンダメッキをしておきます。これで、そのまま基板に入れるだけになります。
次に基板のハンダ付けですが、最初にピンをハンダ付けしました。ピンヘッダーを1個ずつカットして8ピンの足にします。バランスを取るのが難しいと思いますので、写真11のようにブレッドボード上に載せて、まとめてハンダ付けします。最初はカットせずにピンを抜いて使おうとしたのですが、その位置にはハンダ付けがあって無理でした。なお、基板の四隅にある1,2,7,8はピン番号になります。中間は入れ難いので省略しています。

写真11 ブレッドボードを使ってピンヘッダーをハンダ付け
このようにして487C1-3Rで作った基板が写真12と写真13になります。

写真12 487C1-3RのDBM完成

写真13 横から見るとこんな感じ
1SS106で作った基板が写真14と写真15になります。

写真14 1SS106のDBM完成

写真15 横からだと上下に見えるダイオード
小型の基板なので、触れた時にトロイダルコアにテンションが加わってしまいます。ポリウレタン線が切れる事がありますので、マジックハンダを使ってトロイダルコアを基板に固定します。これで写真12や写真14のようにがっちりしますので安心です。マジックハンダはコイルの巻き始めや終わりを固定するもので、秋月電子でもハックルーの名称で売っています。
作ったDBMの動作確認を第33回の「DBMチェッカ2」で行ってみました。まず比較用に測ったR&KのM-1が測定結果1になります。
もちろん作ったDBMも測りました。測定結果2が487C1-3R版で、測定結果3が1SS106版になります。入力はRFに11.275MHz、LOに39MHzを入れています。このように上手く動作しました。ダイオードに1SS106を並べて使ってもほとんど同じように見えます。M-1と比べてもそん色は無いようです。もちろん、この使い方では・・・ となるのでしょう。50MHzの出力に比べて27MHzのレベルが少し低いようです。恐らくトロイダルコアのインダクタンスが足りないのかもしれません。試してはいませんが、T-25#6の9回巻きにすれば良くなると思います。

測定結果2 487C1-3RのDBM(M-1に比べて優劣がつけ難い)
このように動作の確認はできたのですが、決して順調だったわけではありません。1SS106版の方ですが、最初は測定結果4のようになってしまいました。やけにスプリアスが多いというのが最初の印象でした。正に「やってしまったか・・・」という感じです。

測定結果4 1SS106版にはトラブルがあった(他に比べてスプリアスが多い)
これをテスターで追うのは可能ですが面倒です。そこでテスターではなく、週刊BEACONのNo.180で作った「ダイオード用カーブトレーサⅢ」を用いる事にしました。これで順方向の特性をチェックすると、3ピン→4ピンは2回通った事が解りました。3ピン→6ピンは3回通った事が解りました。しかし、3ピン→5ピンには導通がありません。従って、5ピンからBのコイルのハンダ不良であろうと考えました。
ここにハンダ付けルーズがありました。恐らくポリウレタン線の被覆が完全に溶けていなかったのだと思います。その時には気が付きませんでしたが、本来はバランスして出力しないはずのLOの入力信号が漏れています。この付近の接触不良しかないのでしょう。このようにならないように、コイルをマジックハンダで固定していたのです。最初からハンダ付けの失敗ではどうしようもありません。
測定したように、どちらのダイオードを使っても性能的には大差ありませんでした。ただ、あまりに基板が小さいので、487C1-3Rを使う方が作りやすいのは確かです。もう少しだけでも1SS106の間隔は広げるべきでした。
この基板ですが、2種類の2枚を一組とします。ご希望の方は私まで(私のコールサイン@kha.biglobe.ne.jp)お知らせ下さい。一組分として切手110円をSASEで送って下さい。ただ回路は簡単ですが、作業内容としては初心者向きではありません。部品の調達やトラブル等のサポートはできませんので御了承願います。もちろんトロイダルコアのトリファイア巻きができる必要もあります。
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