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新・エレクトロニクス工作室

第16回 猛暑時のミニ製作集

JE1UCI 冨川寿夫

2023年8月15日掲載

このような工作を考えるのは、間違いなく真夏のハンダ付けをするのも嫌な季節でしょう。私の場合、栃木県の那須で標高400m程度のところに住んでいます。かなり猛暑的にはマシなのですが、それでも暑いのは同じです。(しかも冬は抜群に寒い・・・)

工作をする作業部屋にエアコンなどありません。毎年、この時期は何となく自作から離れ、資料や部品の整理に原稿書きをしています。普通そんなものでしょう。

作業用FAN

暑さに自作を考えるのも嫌になったような時期に、ふと作りたくなったのがこのFANです。冷却用FANを連ねて動かすと、多少は涼しく作業ができるのでは・・・ という淡い期待で作った写真1のようなFANです。最近は携帯型のFANも良く見られるようになりました。このようなFANは、家の中を探すと実は沢山出てきます。パソコンを分解した時のジャンクとかです。


写真1 このような作業用FAN(背景が汚いのは見ないで・・・)

最初はバラックで写真2のようにして出窓に置いていました。これは試しに組み上げたものです。使ったFANは12Vのものです。12Vであれば実験用の共通電源が使用できます。これを2つパラに配線し、上下間はワイヤーで縛っただけでした。養生用テープで窓枠に固定しただけですので、当然ですが不安定です。もちろん、これでも風は来るのですが、ショート等のトラブルを起こしそうです。


写真2 最初はバラックで作ったものを置いていた

そこで、これを多少まとめてみました。安定するように材木の上に固定する事とし、探したところ30年前に電鍵を作った時のチーク材が残っていました。これを使う事にしました。ハンダ付けは普段から行っていますが、実は木工工作は完全なるシロウトです。材木をのこぎりで切ったのですが、相当に曲がってしまいました。下手くそとしか言いようがありません。これを紙ヤスリで写真3のように整形しました。明らかに熱くなるような作業です。


写真3 チーク材を適当なサイズに切ったもの

配線は写真4のように熱収縮チューブを2重に被せました。これも熱くなりそうな作業です。写真では見えませんが、プラス側とマイナス側は位置をずらせてハンダ付けしています。もちろんショート防止のためです。そのままずれた位置で熱収縮チューブを被せ、その上からまとめて2重に被せてしています。


写真4 熱収縮チューブを2重に被せて配線を処理

配線は写真5のようなナイロンクリップで、FANと一緒にL金具で木台に固定しました。もちろん、FANの配線に余計なテンションが加わらないようにするためです。上下のFANは安定するように、結束バンドで固定し直しました。


写真5 配線はナイロンクリップを使って固定

風量の想像は付くと思います。効果があるかと聞かれれば、無い事はないでしょう。その程度ですので、一般的な家電である扇風機の方が遥かに効果があります。それでも網戸を通した外気を多少は取り入れる事ができます。あまり近くに置くと、部品やハンダこてがFANに触れる事があります。ガードがありませんので注意が必要です。

後から考えると、不安定な縦に並べるのではなく、横にしても良かったかもしれません。横であれば3パラでも4パラでも安定に固定できます。但し当然場所はとります。

DC12V分配器

実験用の装置や測定器を自作すると、多くが12V入力と思います。もちろんキットで仕入れたものとか、いろいろな事情がありますので9Vや5V入力も無い事はありません。しかし12V入力を基本とすると、全体が統一されますので便利です。

統一するのは良いのですが、電源からの出力を分配器でタコ足配線をする事になると思います。タコ足はある程度仕方ないのですが、少なくとも数100mA程度の小容量の機器専用にすべきです。メインとなる電源も1A程度にしておき、間違ってショートしても被害が無いようにしておきましょう。このように使う12V電源の分配器を紹介します。

通常の実験用としては写真6のような電源を使っています。いつ作ったのか記録も記憶もないような古い自作電源です。12.5V 1.5Aと表示が不滅インクを使っていますので、相当な年代ものでしょう。1.5Aは過大な見積もりで、恐らく1A程度しか流せません。


写真6 使用している実験用電源

これを各装置に分配するために、写真7のようなメインの分配器を使っていました。少々ターミナルの数が多過ぎるようにも思えます。これで不便は無かったのですが、机の反対側にGPS発振器やTV用ブースターを作ってしまいました。その上、上記の卓上FANまで作ってしまいました。これらは高周波の流れや風の流れを優先しますので、反対側への配置になるのは仕方ありません。このため机上のラックを横断する電源コードが3本に増えてしまいました。これが目障りだったのです。


写真7 作業机の左側にある分配器

この横断を1本に整理するために、写真8の小型分配器を机の反対側、つまり右側に新設しました。良く見ると気が付きますが、使っているターミナルは全て異なるものです。実は分解したジャンクの寄せ集めです。


写真8 机の反対側に設置した分配器

この内部は写真9のように、フェライトコアとコンデンサでRFの対策をしています。まあ「一応」という程度でしょう。ケースにはタカチ電機工業のSW-75を使用しました。


写真9 内部は一応RF対策を

このようにタコ足配線には違いありませんが、多少スッキリさせる事ができました。但し、数A以上のような電流を使う機器であれば、専用の電源と1対1で使う方が安全です。私もIC-7300Sは専用の電源と1対1にしています。

1.3GHzプリスケーラ

暑い時期には不要になったものの整理もします。写真10は廃棄する事にした周波数カウンタの内部にあった1.3GHzのプリスケーラです。


写真10 カウンタ内部にあった1.3GHzのプリスケーラ

写真11のようなユニットで、これだけでも上手く動作します。そこで、プリスケーラとしてケースに入れる事にしました。


写真11 シールドケースを開けるとこのようなユニット

使い古したリードのアルミケースP-5に穴をあけ、写真12のようにケース内に入れました。先にプリスケーラを入れないと組み立てができなくなります。電源には5Vを使いますので、DCジャックの裏側に5Vのレギュレータをハンダ付けして、ケースに固定しました。これで12V入力として使えます。


写真12 リードP-5に穴あけをして押し込みました

動作を確認すると正常に動作しました。写真13の外付けプリスケーラの完成です。出力は1/256になります。


写真13 このようにまとめました

終わりに

毎年7月と8月は、何となくハンダ付けのペースが下がります。8月末のハムフェアが終わった頃に、ボチボチと自作ペースが復活するというのが例年のペースです。その猛暑の中で、ふと作りたくなったのがこれらの工作です。まあ、どれも微妙な感じですが、この時期の工作としては最適でしょう。

今回紹介した3点は、どれも昨年の夏に作製したものです。ハムフェア後には例年通りにエンジンがかかり、自作を続けました。今年もペースが下がる時期になりました。例年と少々異なるのがコロナ禍からの復活という年で、関ハムを始めとして遊び回っています。このままエンジンに点火するのかは不明です。

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