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特別寄稿

マグネチックループアンテナ(MLA)の1.8/3.5/7/10MHz帯対応の検討

JH3OUI 中谷充宏

2026年6月15日掲載

マグネチックループアンテナ(MLA)は古くから軍用、業務用途で研究、実用化されてきた。アマチュア無線でも古くからOMの方々の間で検討されており、月刊FBニュースでも過去に製作記事が紹介されている。超小型アンテナである反面、マニアックなアンテナである為に一般化されにくかった様にも思われる。下図の様にループのインダクタンスLと、それに直列入れた容量C成分で共振させて、このループに外部からドライブする原理となっている。


MLAの原理図

送信可能な7~28MHz帯用のMLAはアンテナメーカーから製品化もされている。過去の資料を見ていると「一般的な戸建て住宅でも1.8/3.5MHz帯を運用してみたい」と言う要望が多くある事が解った。アイコムからもロングワイヤー用のアンテナチューナーが販売されているが、これにはアンテナエレメントとして10m程度のケーブルが必要で、それさえも難しい設置条件ではこのアンテナが有効となる。

1.8MHz帯対応となるとループも大きくなるので2重ループにする事にした。またMLAには300pF台のエアバリコンが必要だが、AMラジオ用は製造中止となっている。最重要キーパーツとして探したところ100pFのエアバリコンが中国から入手できたので、これを使用しトグルSWでエアバリコンと並列に入れた固定コンデンサを切り替える方式とした。作ってみると、エアバリコンの依存度を下げて使い易くなった。更に、結果的に1.8/3.5/7/10MHz帯の4バンドに対応できる様になった。


試作したMLA

耐電力は、IC-705の10W出力を想定しているが、送信時はIC-705の5W出力でもループには1kV近い高電圧が印加されるので、M型コネクタの外被金属部分にも手が触れない様に注意する必要がある。それ故、使用する部品の耐圧には注意が必要で、コンデンサは余裕をみて2kV以上を使用したい(今回は部品入手の都合で1kVを使用)。


マッチングボックスの内部

1.8MHz帯使用時では帯域幅も調整範囲も狭く、他の部品のバラつきにより、固定コンデンサの容量を上下に微調整する必要が発生するかも知れない。

各主要部品の詳細

●ループ

3m長の8D-FB、または8D-2VのM型コネクタ付を2本用意する(今回は8D-FBを使用)。内部導体は使用しないのでコスト面を考えると8D-2Vの方が良いかと思われる。そしてループの直径が1m程度なので1.8MHz帯用としては非常にコンパクトとなる。また二重ループの間隔で特性が変化する為、セパレーター等で12cmに固定する必要がある。

●エアバリコン

このアンテナのキーパーツはエアバリコンである。中国製の1.5kV耐圧100pFのエアバリコンを見つけたので、これを使用する事にする。しかし1.8MHz帯に対しては、エアバリコンの100pFでは変化量が小さい。それ故、可変範囲は狭くなっている。対策としてトグルSWを使用して並列の固定コンデンサを切り替える方式をとっているが、それでも1.8MHz帯ではまだ可変量が小さく、コンデンサの総合容量を微調整する必要がある為、固定コンデンサを並列に接続した。

●トグルSW

250V耐圧の“ON-OFF-ON”2回路の大きなトグルSWを使用した。

●固定コンデンサ(2kV以上の耐圧品を推奨)

1.8MHz帯の微調整用としてコンデンサの定数変更の可能性あり(ループ素材により少しばらつく)
  ・ループエレメントが8Dの同軸ケーブルの場合
    1.8MHz帯用: 680pF、220pF、82pFを並列接続(82pFは微調整用)
    3.5MHz帯用: 150pF、56pFを並列接続
  ・ループエレメントが10Dの同軸ケーブルの場合
    1.8MHz帯用: 820pF、82pFを並列接続(82pFは微調整用)
    3.5MHz帯用: 180pF

●トロイダルコア

FT-140-#43を使用した。比較したが遜色無かったため、FT-114-#43、H5AT20-7.5-15、H5AT20-5-10等も使用可能と思われる。またループによりバラつき発生の可能性もあるが、1.8~10MHz帯の各SWRのバランスを考慮して5ターンとした(調整の可能性あり)。

調整範囲の確認結果


必要であれば固定コンデンサの定数変更にて対応となる

SWRの確認


1.8MHz帯(fc=1.84MHz)


3.5MHz帯(fc=3.53MHz)



7MHz帯(fc=7.10MHz)


10MHz帯(fc=10.50MHz)(参考値)

横軸スパンはそれぞれ500kHz


部品表


マッチングボックス配線図

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