2014年10月号

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第9話 トラブル発生!~無線機を活用しよう~ あーちゃん編

アポロ事件以来、3人が集まる時には各自が無線機を持ってくるようになりました。3人で行動する際には、無線機がいろいろな場面で役に立ちます。

例えばこんな時。3人はいつもより少し遠出して、アミューズメントパークに遊びに行きました。あーちゃんがフードコートの場所取りをしている間に、サミーは飲み物、エリーは食べ物の買い出しに向かいました。連絡手段は無線機です。

 「いろいろお店があるよ。ハンバーガーか、焼きそばか、ラーメンか・・・。あ!たこ焼き屋さん発見しました!」
 「ならダンゼンたこ焼きでしょ! わたしマヨネーズ付きがいいなぁ」
 「たこ焼きで、ネギ大盛りね☆ 自販機前に着いたけど、2人は何がいい?」
 「オレンジジュースで(^O^)」
 「私はミルクティーでよろしく!」
 「OK☆」
 「近くのテーブルが空いたから、確保しておくね!」

こんな具合です。離れたところにいる人に一斉に連絡を取りたい時には、無線機がこのように役に立ちます。

さて、ある日3人は山にハイキングに行きました。提案者はもちろんあーちゃんです。
涼しくなってきたから登りやすいよ、と話をしたところ、2人ともあーちゃんのハイキングについてきてくれることになりました。

 「今回はせっかくふたりも一緒ということで、いつもよりちょっと豪華なランチタイムにしたいと思います!」
あーちゃんは、一人ならばおにぎりやカップ麺をかきこんで済ましてしまうのですが、2人が一緒なので少し張り切ってお昼の準備を始めました。

 「近くに湧水の飲み場があるから汲んでくるね」
 「あーちゃん、一緒に行こうか?」
 「いいよいいよ。2人は山に慣れていないだろうし、ここは私に任せて(^^)」
 「無線機持っていってね。何かあったら連絡して」
こうして、あーちゃんは意気揚々とひとりで山の中に入っていきました。

 「なんか心配だ・・・(・o・)」

山に入ったあーちゃんは、水飲み場のすぐ近くにきのこが生えているのを発見しました。
 「わぁ!こっちにも、あっちにも」
ポケットサイズのきのこ図鑑で確認すると、それらは食べられるきのこでした。
 「持って帰ったら2人とも喜ぶだろうなぁ♪」
ご機嫌のあーちゃんは、きのこを獲るためどんどん山深くに入っていきました。そしてついに、あーちゃんは大変なことに気付いてしまったのです。

 「JP3KMI、JP3JZK、聞こえますか。こちらはJP3KGT、どうぞ」
 「JP3KGT、こちらはJP3KMI。よく聞こえます。どうしたの?」
 「国産マツタケを発見しました・・・!」
 「マジ?!」
 「まさか」

思わぬところで高級食材をゲットすることができ、あーちゃんは大満足です。もうそろそろ戻らなきゃ、とあたりを見渡してビックリ!
 「ま、迷ってしまった・・・!!」
水飲み場はいつの間にか見えなくなっていました。どうやらハイキングコースから外れてしまったようです。おろおろしながら、あーちゃんは闇雲に歩き始めました。

 「こわいよ~(ToT) またサルが出てきたらどうしよう・・・」
思わず身構えるあーちゃん。その時、「待ってました」と言わんばかりに、草むらからぴょいっとサルが現れました。
 「やっぱり!もうサルはイヤーーーッ!!\(゜ロ\)」

その場から猛ダッシュしたあーちゃんはなんとかサルから逃げ延びることができましたが、完全に帰り道を見失ってしまいました。
不安になってきたあーちゃんですが、今回は心強い味方・GPS機能付き無線機を持ってきています。気持ちを落ち着けて、2人に連絡を取りました。

 「道に迷っちゃった・・・」
 「大丈夫?ちょうどあーちゃんが迷ったんじゃないかって話してたところ (>_<)」
 「2人の予想通りです。お願い、助けて~」
 「こっちは全然見えないかな?」
 「まったく。方向も分かんない」
 「なら、GPS機能をオンにして、そっちの位置を送ってきて」

エリーはID-51のGPS機能をオンにする方法を無線でレクチャーしてあげ、あーちゃんはなんとか自分のID-51のGPS機能をオンにすることができました。一度GPS機能をオンにすれば、通話するごとに位置情報が自動的に送信されます。エリーたちは、あーちゃんから送られて来た位置情報で大体の居場所をつかみました。

 「あーちゃん、正確な場所を知りたいから、そこから見える風景の画像を送ってきてくれない?」
 「わかった。今から撮ります!」
あーちゃんはスマホで写真を撮影すると、サミーに送信しようとしましたが、画面には『圏外』の表示が!これでは画像を送ることができません。

 「どうしよう。スマホは圏外だって。これじゃ画像が送れない・・・」
 「そういう時こそ無線機! ID-51はスマホを繋げば画像を送信することができるから試してみて。声が聞こえてるなら電波は届いてるってことだから、画像もちゃんと送れるはず!」
エリーはあーちゃんに画像の送り方を説明しました。

 「あーちゃんのリュックにOPC-2350LUケーブルが入ってるはずだから・・・」
 「え、なんてなんて?なにそのケーブル。私持ってきてないんだけど」
 「ハムショップの店長のオススメで私が買ったやつだよ。あーちゃんに万が一のことがあるかも知れないと思って、山登り中に勝手に入れさせてもらったんだ(^^) さっきあーちゃんのスマホを借りたときに、アプリも入れておいたから安心して」
 「あ、そうなんだ・・・」

そこまで信用がないとは山ガールの面目丸つぶれのあーちゃんですが、あーちゃんに言い返す言葉はありませんでした。
何はともあれ、エリーが入れてくれたケーブルのおかげで、あーちゃんは無事に画像を送信することに成功しました。

 「送ったよ。ちゃんと届いた?」
 「うん、ばっちり!なるほど、あの山が見える位置にいるのね。ならこの場所からの距離と方角は――」
 「今から迎えにいくね。それまでに、マツタケをもう2、3本探しておいて」

エリーとサミーは、あーちゃんから送られてきたGPSによる位置情報と写真の風景から、あーちゃんの居場所を的確に見極めて、救助に向かいました。それからしばらくして、
 「あーちゃん!」
 「サ、サミィィィィ!!。゚(゚´Д⊂」

サミーとあーちゃんは無事に合流することができました。あーちゃんは半泣きで再会を喜びました。

 「無線機持ってきて本当によかった。これがなかったら、誰とも連絡がとれずにサルの餌食になってたかも知れない」
 「あーちゃん、これからも山に登るときは忘れずに持っていってね」
 「そうする!そういえば、エリーは?」
 「それが、今度はエリーとはぐれちゃったんだよね・・・(・o・)」

その後、無事にエリーの救出にも成功し、3人はあーちゃんの獲ってきた3本のマツタケやきのこを焼いておいしくいただきましたとさ。

次回は
「第10話 トラブル発生!~無線機を活用しよう~ サミー編」
お楽しみに☆

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