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国家試験の方法に「電子計算機その他の機器を使用」が加わる

総務省は3月3日、これまで無線従事者規則で「筆記により行う」としていた無線従事者国家試験の方法を「筆記の方法又は電子計算機その他の機器を使用する方法により行う」と改正し、官報で公布、即日施行した。これによりコンピュータを利用した「CBT方式(Computer Based Testing=コンピュータ利用の試験)」の無線従事者国家試験が本格実施されることになる。


インターネット版官報(3月3日付号外)より

無線従事者国家試験の実施方法は、総務省令である「無線従事者規則(平成2年郵政省令第18号)」の第3条で規定されている。これまでは「国家試験は、第五条に規定する電気通信術の試験については実地により、その他の試験については筆記によりそれぞれ行う。ただし、総務大臣又は総合通信局長(沖縄総合通信事務所長を含む。以下同じ。)が特に必要と認める場合は、他の方法によることができる。」と明記され、すべての無線従事者国家試験が筆記(マークシート含む)で行われてきた(点字による試験を除く)。


第四級アマチュア無線技士の国家試験開始前風景(2015年撮影)。これまでは1つの会場に多くの受験者が集まり、配布された試験用紙を読み、解答用紙(マークシート)に記入していく方法で行われていた

しかし、一昨年からの新型コロナウイルスの感染拡大により、2020年4月から7月に実施される予定だった無線従事者国家試験が全面中止されるなど、想定外の事態が発生したことから、総務省は「今後、試験の全面的な中止をできる限り防ぎ、受験の機会を安定して提供できるようにする」ことを目的として、無線従事者国家試験を筆記によるもののほか、CBT方式の試験ができるようにする方針を固め、昨年11月に省令の改正案を作成し、意見(パブリックコメント)募集を行った。

その後、寄せられた意見の公表と電波監理審議会への諮問・答申を経て、3月3日に無線従事者規則の改正が公布・施行された。改正された無線従事者規則の第3条は「国家試験は、第五条に規定する電気通信術の試験については実地により、その他の試験については筆記の方法又は電子計算機その他の機器を使用する方法によりそれぞれ行う。ただし、総務大臣又は総合通信局長(沖縄総合通信事務所長を含む。以下同じ。)が特に必要と認める場合は、他の方法によることができる。」と、“電子計算機その他の機器”を使用した国家試験が実施できることが明文化された。

現在、すべての無線従事者国家試験は公益財団法人日本無線協会が実施している。同協会は昨年4月に“国家試験のデジタル化”を図るとして、2022年度から一部資格でCBT試験を導入すると発表し、8月に東京で初のCBT方式による第四級アマチュア無線技士国家試験を試行した。その結果をふまえて10月に、「第三級アマチュア無線技士(3アマ)」、「第四級アマチュア無線技士(4アマ)」、「第二級陸上特殊無線技士(2陸特)」、「第三級陸上特殊無線技士(3陸特)」の4つの資格試験を2022年2月からすべてCBT方式に移行する(ただし2・3月は試行期間)と発表していた。


日本無線協会のCBT方式による国家試験の受験案内ページより

CBT方式に完全移行した3アマ、4アマ、2陸特、3陸特の国家試験は、全国およそ320か所のCBTテストセンター(CBTソリューションズが運営)で、自分が希望する日時を選んで受験することができるようになった。一度予約した試験の日時を変更することも一定条件下で可能だ。試験自体の内容(レベル)や合格点などは変わらないが、問題用紙や解答用紙は使わず、コンピュータの画面上に表示される問題を、キーボードを使って解答していくのは、まさに“国家試験のデジタル化”の象徴と言えるだろう。


3アマ、4アマ、2陸特、3陸特の国家試験は、全国およそ320か所のCBTテストセンターで、自分が希望する日時を選んで受験できるようになった

CBT方式で行われる無線従事者国家試験の受験申請はインターネット上の専用ページからオンラインで行う。また受験に必要な顔写真も画像データをアップロードする形式に変更されているので注意が必要だ。

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次号は 12月 1日(木) に公開予定

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