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Short Break

ON AIRランプの製作


完成したON AIRランプ

放送局のスタジオで使われているON AIRランプを製作します。ランプはマニュアルでスイッチをON/OFFするのではなく、電波の発射を感知して電波が発射されているときだけ点灯するようにします。

回路図

全体の回路図を図1に示します。部品点数はそれほど多くありません。複雑な調整を行う必要もありませんので比較的短時間で製作できます。


図1 ON AIRランプの回路図

回路の説明

回路は、電波を感知する整流回路とそれを増幅する増幅回路、そしてランプの代わりに白色高輝度LEDを点灯させるLEDドライブ回路から構成されます。(図2)


図2 ON AIRランプのブロック図

整流回路は、アンテナとなるビニール線で拾った高周波を倍電圧整流しています。使用するD2、D3はゲルマニウムラジオでおなじみの1N60を使います。これは、ダイオードの両端で生じる電圧降下を最小限に抑えるためです。通常のスイッチングに使用されるシリコンダイオードの両端で生じる電圧降下は約0.7Vですが、1N60は0.2V程度と低く、微弱な信号でも整流します。ゲルマニウムダイオードでなくても電圧降下の低い、例えばショットキーバリアダイオードでも使用できます。

整流した直流信号を汎用オペアンプ(LM358)で増幅します。電源は単一電源ですので取扱いは簡単です。増幅率は、R2とR3の比で決まります。実験では、R3に1MΩの可変抵抗器を使い感度調整を行いましたが、最終的にはR3=100kΩの固定抵抗としました。ゲインが不足していると思うときは100kΩ以上の抵抗でもかまいません。

オペアンプの出力には1000µFの電解コンデンサをGNDとの間に挿入しています。これは、回路が電波を拾ってIC1の出力がHになるところまでは問題ないのですが、電波が止まるとすぐにLに戻ってしまうことを防止する対策用です。CWやSSBの時は送信時一瞬電波が出ていないときがあり、そのときでもLEDが消えずにこの点灯をホールドさせることが目的です。

LEDのドライブ回路には、コレクタ電流が1Aぐらいのものを選ぶとよいでしょう。今回使用した高輝度白色LEDは、規格では電流は20mAとの記載がありました。LEDを7個並列接続しており、最大電流は140mA(20mA×7個=140mA)となります。手持ちのトランジスタで適当なものがなかったため、コレクタ電流には十分すぎるほど余裕はありますが2SC4051を使いました。

製作

製作をスタートする前に完成したON AIRランプをイメージします。そのイメージに応じた材料を調達します。電子部品以外の材料はいわゆる百均と呼ばれるお店で調達しました(図3)。


図3 百均で調達したケースとアクリル板

「ON AIR」の文字を図4のようにカッターナイフで切り抜きます。これがけっこう時間がかかり、またなかなかきれいに仕上がりません。今回はすでにアクリル板を購入したため表示部分はアクリル板で進めましたが、完成してから考えるとアクリル板のような加工しにくい物ではなく、単に赤色の画用紙でも全く問題なくきれいに仕上がるように思いました。


図4 アクリル板をカッターナイフで根気よく切り抜く

次にON AIRのバックからLEDで照らす反射板を製作します。反射板は厚紙の表面にアルミホイルを貼ります。反射板は平面ではなく凹面にして、LEDの発光をより強く照射するようにします。

厚紙にLEDの個数分の穴を空け、LEDを後面から挿入します。挿入後はLEDと厚紙とを接着剤で固定します。また、回路図に記載のR5~R11の抵抗(680Ω)も取り付けます(図5)。


図5 LED反射板の製作

部品は、ユニバーサル基板に取付けます。LEDを取付ける厚紙を凹面にしたため、ケース内での高さのスペースがなくなり、基板上の部品を横に寝かせて取付けています(図6)。


図6 ケースに電子回路を組み込む

図5で示したLED反射板をケースに組み込んだものが図7です。


図7 ケース内にLED反射板、基板を組み込んだ状態

まとめ

アンテナとなるビニール線の長さは1mぐらいが適当と思います。ビニール線は、電波が通る同軸ケーブルに数回巻きつけます。いろいろ試したところ私のシャックではビニール線を2mぐらいの長さにするとHFローバンドの電波は拾いやすくなりますが、144MHzではランプは点灯しませんでした。SSBの場合、電波は常に出ているわけではないため、マイクに向かってしゃべるのを中止するとトランシーバーは送信状態であってランプは点灯しません。

今回のこの回路は通称キャリアコントロール(キャリコンとも呼ぶ)の回路の応用です。電波を拾って、何か電子回路を動かしたいときには役に立つ回路といえます。

CL

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次号は 12月 1日(木) に公開予定

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