Monthly FB NEWS 月刊FBニュース 月刊FBニュースはアマチュア無線の電子WEBマガジン。ベテランから入門まで、楽しく役立つ情報が満載です。

ニュース

2024年9月からのアマチュア無線スケジュール

2024年9月2日掲載

2024年も3分の2が過ぎ、あと4か月を残すばかりとなった。そこで9月から年末にかけて(一部は2025年1月初旬)の、日本のアマチュア無線界のスケジュールを紹介しよう。

各地のアマチュア無線イベント

今年は9月にJARLの地方本部が主催する、アマチュア無線イベントが2つ予定されている。

●北海道アマチュア無線セミナー2024(9月22日)
・開催日時:
2024年9月22日(日)09:50~16:00
・会場: デ・アウネさっぽろ(札幌総合卸センター)
・住所: 北海道札幌市東区北6条東4丁目1-7
・案内ページ: https://jarl.hokkaido.jp/?p=816


札幌市東区の「デ・アウネさっぽろ」。隔年開催の「北海道ハムフェア」もここで行われている

「北海道アマチュア無線セミナー」は、JARL北海道地方本部が2年に一度(「北海道ハムフェア」の開催がない年)、秋に開催している恒例のイベントで、施設内の2つの会場を使った講演のほか、無線機器メーカーと関連団体・官庁などによるブース展示が行われ、毎回300名前後が来場する。

基本は2年に一度の開催だが、コロナ禍による「北海道ハムフェア」の中止・延期などがあった関係で2018年以降は行われておらず、今回6年ぶりに開催される運びとなった。講演プログラムは下記の8本。

・講演1(10:10~11:00)
 「JARLの今後について」(JARL会長 JA5SUD 森田耕司氏)

・講演2(11:10~12:00)
 「DX通信の魅力と楽しみ方」(JA8CEA 樋口文興氏)

・講演3(11:10~12:00)
 「無線電信へのいざない」(JARL胆振日高支部長 JA8PMN 小林敏哉氏)

・講演4(12:10~12:40)
 「アイコムの新しさ紹介」(アイコム株式会社 JK3AZL 高岡奈瑞氏)

・講演5(12:50~13:40)
 「(演題調整中)」(総務省北海道総合通信局)

・講演6(13:50~14:40)

  •      「モールスがつなぐ縁と、モールスを継承する人々: CWopsに入会して」(JM8SMO 稲垣克彦氏)
  •      「DX Marathon Program - Fastest Growing DX Program in the World Today」(WC3W Mark Wohlschlegel氏)

・講演7(13:50~14:40)
 「CTESTWINの使い方について」(JARL石狩後志支部長 JK8CFM 岡田壮弘氏)

・講演8(14:50~16:00)
 「Turbo HAMLOGとhQSL」(JARL関東地方本部社員 JG1MOU 浜田博氏)

なお前日の9月21日(土)には札幌市内で有料の「北海道アイボールミーティング2024」が開催される予定だが、こちらはすでに参加申し込みを締め切っている。


2023年、同じ会場で開かれた「北海道ハムフェア」で講演する森田JARL会長

●第56回東海ハムの祭典(9月29日)
・開催日時:
2024年9月29日(日) 10:00~16:30
・会場: 岡谷鋼機名古屋公会堂(※)
  ※名古屋市公会堂のネーミングライツ導入に伴う2024年4月からの愛称
・住所: 愛知県名古屋市昭和区鶴舞1-1-3
・公式ページ: http://www.tokai-jarl.jp/saiten/


名古屋市昭和区の「岡谷鋼機名古屋公会堂(旧名称: 名古屋市公会堂)」。1930(昭和5)年に完成した由緒ある施設だ

「東海ハムの祭典」は1968年にスタートした東海地区の無線イベントがルーツという歴史ある催事だ(東京のハムフェアよりも古い)。2015年からJARL東海地方本部の主催行事になり、名称を「東海ハムの祭典」と改めた。1969年の第2回から2010年の第42回までと、大規模改修工事後の2019年から現在まで、名古屋市昭和区の名古屋市公会堂で行われている。ただし2024年4月にネーミングライツが導入され、現在の施設名称は「岡谷鋼機名古屋公会堂」となっている。

近年は7~9月頃の日曜日に開かれることが多い。また会場で行われる各種イベントのオンライン参加や講演のネット配信も積極的に行っているのが特徴で、2023年は会場を訪れた方、オンラインでの参加者、運営スタッフを含めて2,500名が来場したという。

2024年は9月29日(日)の10:00~16:30に開催。8月27日現在、公式サイトでの詳細なプログラム発表はまだ行われていないが、愛知県支部大会・表彰式、支部と語る会、ミニコンサート、抽選会、子供向け工作教室、届け!若人の声サミット、一般向け防災・減災に関する講演会,アマチュア無線に関する講演会(メーカー・総通局)などと、クラブや団体などの一般・純粋展示、フリーマーケット、無線機器の展示販売、特別記念局(8J2TKI)の運用、交信体験などを計画中のようだ。


「第56回東海ハムの祭典」のPRポスター

その他の注目イベント

●JARL主催 第32回 全日本ARDF競技大会(10月12~13日)
JARLが主催し、毎年全国持ち回りで開かれているARDF(Amateur Radio Direction Finding)の競技大会が、今年は10月12日(土)にクラシック競技3.5MHz帯部門、10月13日(日)にクラシック競技144MHz帯部門が、それぞれ群馬県高崎市周辺で開催される。
(公式サイト: http://www.ardf.jp/2024allja/)

参加資格に制限はなく、エントリーすれば誰でも参加できる競技大会で、学生のほか一般人の参加も多い(競技者の性別と年齢により、18クラスに分けられる)。残念ながら今年のエントリー受け付けは8月末で終了したが、8月1日から10月31日まで特別記念局の「8J1ARDF」がJARLの関東7都県の支部持ち回りでPR運用を行っている。応援の意味も込めて交信してはいかがだろうか。


「JARL主催 第32回 全日本ARDF競技大会」の公式サイト

●体験運用の日(10月19~20日)
2023年の電波法令改正で、アマチュア無線資格を持たない人も、アマチュア無線局の免許人の監督下で、その無線設備を使って「体験運用(交信体験)」ができるようになった(モールス通信は不可など一定のルールあり)。年齢や学歴などの制約はなく、特別な手続きも不要であることから、各地で盛んに体験運用が行われるようになった。

アマチュア無線やエレクトロニクス関係の出版社であるCQ出版株式会社は、昨年10月21~22日に「体験運用への理解を深める」「体験者同士の交信チャンスを得る」ことをテーマに、JARLとJARDの後援による「体験運用の日」を提唱したところ、社団局を中心に全国30局以上の局がこの日に体験運用イベントを開催し、盛り上がりを見せた。

2024年は10月19日(土)と20日(日)の2日間、第2回の「体験運用の日」が開催されることになり、すでに全国の13局がエントリーを表明している。この日はボーイスカウト日本連盟が主催する「JOTA-JOTI」の開催日でもあり、全国各地でスカウトによるアマチュア無線の体験運用も行われる予定だ。

この日に限らないが、アマチュアバンドをワッチ中に「ただいま体験運用者が待機しております」というアナウンスの局を聞いたら、時間に余裕があればぜひ応答し、優しい口調で体験交信の相手を務めてあげてほしい。

●JARLアイボールミーティング(12月)
例年、12月中旬にJARL主催の「アイボールミーティング」(会費制)が東京都内で開催されている(今年の開催スケジュールは未発表)。JARLが社団法人だった時代から開かれていたものが、2011年の一般社団法人化で一時中断したが、2016年から再び行われるようになった(2020~2022年はコロナ禍のため中止)。

一般のJARL会員のほかJARL役員、総務省や関連団体関係者、JAIAなどメーカー関係者など100名以上が参加。ときにはアマチュア無線資格を持つ国会議員も出席し、年末の挨拶と懇談の場として活用されてきた。開催日が決定するのは11月初旬で、申し込み要項はJARLメールマガジンで告知される。


2023年12月に開催された「JARLアイボールミーティング」の記念写真

2025年1月から「電子免許状」導入

総務省は2025年1月に、総合無線局監理システム(電子申請・届出システム)のリニューアルを行い、同時に無線局の電子免許状等の導入をする予定で準備を進めている。これによってアマチュア局も、従来同様「書面(紙)の免許状」を受け取る方法のほかに、電子免許状として「①総務省のサーバーで電子免許状の原本を表示する」「②総務省のサーバーから電子免許状の写し(PDF)をダウンロードしてPCやスマートフォンで表示する」「③総務省のサーバーから電子免許状の写し(PDF)をダウンロードしてA5サイズで印刷する」といったことが可能になり、①~③のいずれも法的に有効な免許状として扱われるようになる。


電子免許状等の発行形態の説明図(総務省資料より)

これに合わせて、免許申請手数料も改正される見込みで、例えば空中電電力50W以下のアマチュア局を新規開設する場合、書面申請で書面の免許状を受け取る場合の手数料は4,800円(現行よりも500円高)となる一方で、電子申請で書面の免許状を受け取る場合は2,850円(現行よりも50円安)、電子申請で電子免許状を受け取る場合は2,600円といったように、申請方法と受け取る免許状の形式で手数料が大きく変わることになる予定だ。


電子免許状等の導入で、免許申請手数料も変更される見込みだ(総務省資料より)

電子免許状等の導入と免許申請手数料等の改正は、パブリックコメント(意見提出)の期間が終わり、現在は法改正のための準備中で、閣議決定と交付を経て2025年1月から施行される見込みだ。施行と合わせて「電子申請・届出システムLite」のシステムもリニューアルが図られるので注目していきたい。
詳しくは https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban09_02000508.html 参照

JARL主催コンテスト案内

最後に2024年9月以降、2025年1月上旬までの間に、JARLが主催するコンテストを紹介しておこう。いずれも日時はJSTで表記している。

●All ASIAN DXコンテスト 電話部門
・開催日時: 9月7日(土)9時~9日(月)9時
・周波数帯: 1.9~28MHz帯

●全市全郡コンテスト
・開催日時: 10月12日(土)21時~13日(日)21時
・周波数帯: 1.9MHz帯以上

●QSOパーティ
・開催日時: 2025年1月2日(木)9時~1月7日(火)21時
・周波数帯: 全アマチュアバンド

これらのコンテスト規約などは以下のJARL WEBサイトより閲覧できる。
https://www.jarl.org/Japanese/1_Tanoshimo/1-1_Contest/Contest.htm

2024年9月号トップへ戻る

サイトのご利用について

©2024 月刊FBニュース編集部 All Rights Reserved.