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JOTA-JOTI 2024が開催される

2024年11月1日掲載

世界スカウト機構が毎年10月第3週の金曜日から翌々日の日曜日に開催しているJOTAとJOTIが本年は10月18日~10月20日に開催された。

国内では公益財団法人ボーイスカウト日本連盟により、今年は一般社団法人日本アマチュア無線連盟、一般財団法人日本アマチュア無線振興協会、CQ出版株式会社、アイコム株式会社、日本ボーイスカウトアマチュア無線クラブの協力を得て、全国各地の地区や県連盟のイベントとして開催された。

月刊FB NEWSでは、日本ボーイスカウト大阪連盟が主催したJOTA PLAZAおおさか2024の会場(池田市民文化会館、カルチャープラザ)を訪問し取材を行った。また、おおさか以外の会場からも写真と概要の提供をいただいたので、文末で紹介する。


JOTA-JOTI 2024のロゴ

JOTA(ジャンボリー・オン・ジ・エア)

JOTAは世界スカウト機構が主催する公式国際行事で、スカウトがアマチュア無線行事に参加し、電波を通じて国内各地や外国のスカウト仲間と交信し、お互いを理解し、知識と友情を深めることが目的とされている。

1957年イギリスで行われた第9回世界ジャンボリー(スカウティング50周年記念ジュビリージャンボリー)でアマチュア無線のプログラムが提供されたのが始まりで、毎年10月の第3金曜日~日曜日の72時間運用される。

JOTI(ジャンボリー・オン・ジ・インターネット)

JOTIも世界スカウト機構が主催して行われる、比較的新しい世界のスカウトの公式国際行事で、無線の代わりにインターネットを利用して、JOTAと同じく情報を交換して友好を深めようとするもの。

近年では、インターネットチャットの他、FacebookやXといったSNSでのつながりを活用したイベントや、Minecraftというゲームの仮想空間を使ったプログラムも登場して、盛り上がりを見せている。


JOTA-JOTI 2024の参加バッジ

JOTA Plazaおおさか2024


JOTA Plazaおおさか2024は、JJ3YDM日本ボーイスカウトほくせつ地区アマチュア無線クラブが担当し、JARL関西地方本部および池田市民アマチュア無線クラブの協力により、アマチュア無線教室、無線交信体験、モールス信号体験、通信ゲーム(アポロ13号ゲーム)が行われ、ほくせつ地区だけでなく、遠くは大阪南部の岸和田市からなど多数のスカウトが参加した。

事前の調整によって参加スカウトは1組10~20名程度に分けられ、19日は午前2組、午後1組、20日は午前2組、午後2組とし、それぞれの組は、開始時間前に池田市民文化会館の向かいにあるカルチャーセンターに集合した。開始時間になると、まずはアマチュア無線教室としての講習を約30分間受講し、JOTA-JOTIの説明や、電波や無線のことを学んだ。



アマチュア無線教室の様子

講習終了後は、所属団ごとに5~10名程度の3班に分かれ、無線交信体験、モールス信号体験、通信ゲームをそれぞれ約30分ごと行った。

無線交信体験(体験運用)

池田市民文化会館に常設されているJA3RL(関西地方本部の局)のアンテナを利用して、JJ3YDM(日本ボーイスカウトほくせつ地区アマチュア無線クラブ)での体験運用が行われた。




体験運用のバンドは主に430MHz帯が使用され、まずは指導者によって相手局との交信設定がなされてからオペレーターをスカウトに代わり、スカウトたちはまず自分の名前や所属団を交信相手に伝え、その後質問を交えつつ交信を実体験した。相手局はシンプレックス交信による会場付近で指導者が運用する局や、D-STARを利用して東京会場のJO1ZRDや日本ボーイスカウト川越第9団アマチュア無線クラブのJI1ZZSなどJOTA参加局だった。初めは緊張していても、会話が進むにつれ表情がにこやかになっていったスカウトが多かった。また今回はD-STARとWEB会議システムを併用し、JI1ZZS局とおおさか会場で通信相手の様子をモニターを通し対面して運用する試し身をし、面白い体験を行っていた。


体験運用に参加したスカウトたち


体験運用中の様子



体験運用を行ったスカウトたちに授与された交信証明書

モールス信号体験

JARL関西地方本部とJH3YKV池田市民アマチュア無線クラブの協力によってモールス信号の体験が行われた。スカウトたちは、縦振れ電鍵を使って自分の名前をモールス符号で発信する練習を繰り返し行い、自信がついたところで試験となり、合格(パソコンソフトが全ての文字を正しく認識)すると、正しい発信ができたことの証明書が発行された。1回で合格できない場合は何度挑戦しても良く、最後には参加した全員が合格した。


モールス信号体験コーナー


発行された証明書


通信ゲーム(アポロ13号ゲーム)

各班の中で2つのグループに分けられ、一方は無線を使ってモノの制作指示を出すグループ、もう一方は無線で指示を受けてモノを作るグループとなった。スカウトたちには事前に何も知らされてなかった今回の制作物は、紙コップ、竹串、ビニールテープなどを使って作るアポロ13号の模型だった。声だけで制作内容を正確に伝えるのは非常に難しく、作る方のグループは何度も指示を再送してもらって挑んだが、アポロ13号が完成した班はほとんどなかった。それでもスカウトたちはスマートフォンとは全く異なる交互通信で会話する、という貴重な機会を経験できた。


アポロ13号の完成品を前に、制作指示を出す側のグループ


指示を受けてアポロ13号を制作する側のグループ


最終的に、JOTA Plazaおおさか2024には、10月19日(土)に32名、10月20日(日)に52名、2日間合計84名の参加があった。


指導者メンバーとJR3QHQ田中JARL関西地方本部長。19日朝の開会式にて。

おおさか以外の会場からも写真と概要が届いたので紹介しよう。

JOTA 2024 東京

東京会場は東京巣鴨のJARDハム教室会場で開催され、2日間で小3から高3までのスカウト約80名、指導者を合わせると約100名の来場者があった。

プログラムに参加したスカウトたちは、まずアマチュア無線についての解説や和文を含むCWレッスン等を受講し、その後JARDハムクラブのJO1ZRDを使って、無線従事者免許所持者はHF帯を含む各バンドでゲスト運用、無資格者は主にV/Uバンドで交信体験を行った。ゲスト運用・体験運用ともに、IC-9700によるD-STAR交信では遠隔地のボーイスカウト関係者とのQSOも行われ、運用者の多くがたいへん感激し免許取得や無線通信の技能章取得に意欲を高めた。









JOTA 2024 愛知会場

愛知会場は、本年も北名古屋市徳重にある北名古屋第1団野営場を拠点としてキャンプ方式で開催された。参加したスカウトたちは、JH2YSS/2を使った体験運用、講習会「無線ってなぁに」、モールス体験の各プログラムに参加した。昨年に続けて参加し、体験運用ではD-STARで北海道との交信を行ったスカウトからは、「来年こそは免許を取得する」と言った声も上がったそうだ。










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