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アパマンハムのムセンと車

第31回 モービル&アパマン運用に役立つヒント

JF1KKT 横田勝彦

2025年4月15日掲載

連載31回目となります。はやいもので4月も中旬となりました。もうすぐオールJAコンテスト、その後はゴールデンウィークと続きますが、皆さんのご予定はいかがですか?

季節的にも移動に適した気候になってきました。とはいえ、山の上はまだまだ肌寒いと思います。移動運用やコンテストに参加される方、くれぐれもご自愛くださいませ。


もうすぐGWですね

オールJAコンテスト

もうすぐオールJAコンテストの時期になります。今年で67回目になります。毎年4月の最終日曜日の前日の21時から最終日曜日の21時まで開催されます。

このコンテストは伝統的に学校のクラブ局が強いイメージがあります。私も中学に入学して最初のクラブ活動がこのコンテストであったことを思い出します。なつかしいなぁ~って思っておられる方、多いのではないでしょうか。私が住んでいる関東地方では、季節的にも移動運用がしやすい最初の大きな国内コンテストとなります。コンディション的にも21MHz以上のバンドでEスポが期待できます。

アマチュア無線を再開してからは、近所のクラブ局で運用させてもらっていますが、以前は50MHzで移動してコンテストに参加していました。今年もクラブ局から参加の予定です。皆さんとお会いできることを楽しみにしています。


オールJAは伝統的に学校クラブ局の参加が多いです

移動無線車

先日、近所のOMさんから移動運用に使える車を探している、とお声を掛けていただきました。最近の移動用車両というと、車中泊も容易にできるキャンピングカーがどうしても人気になっています。

しかし、実際に購入しようとすると、軽ベースのものでも数百万します。ベンツだって買えてしまうほどの高額車両ですhi これではなかなか庶民の手には負えないので、現実的なところですと、いわゆる軽バンに落ち着いてきます。軽バンは、昨今の軽配送人気&一部車両の輸出人気で、値段が高騰しております。

現在、日本の軽バンは、スズキのエブリイバン、ダイハツのハイゼットカーゴ、ホンダのN-VANと、大きく分けて3種類に分けられます。


スズキ エブリイバン(スズキ株式会社Webサイトより)


ダイハツ ハイゼットカーゴ(ダイハツ工業株式会社Webサイトより)


ホンダ N-VAN(本田技研工業株式会社Webサイトより)

エブリイバンは、日産のNV100クリッパーバン、マツダのスクラムバン、三菱のミニキャブバンと、OEM供給されています。ハイゼットカーゴも、トヨタのピクシスバン、スバルのサンバーバンと、OEM供給されています。

これらを使って、なるべくお金と手間を掛けずに移動無線車とするにはどうすればいいのか? 少し説明をします。

(1) 車内のオペレーション部分
簡単に済ませるなら、ちゃぶ台に無線機を並べるだけで、立派なシャックになります。


懐かしいちゃぶ台の例 四角形の方が使いやすいかも?

寝袋用のフロアマットを使用すれば、お尻も痛くありません。ただ、ちゃぶ台だとフットスイッチが使えないので、SSBやFMなどの運用にはちょっと物足りないですね。キャンプ用のテーブルを流用するなどすると良いかも知れません。

余談ですが、最近の私は運動不足のせいか、あぐらの姿勢で長時間座っていると、足が痛くなってしまいますhi ポイントはテーブルを置くだけにすれば、車内が簡単にシャックになります。


キャンプ用テーブルの例

問題点は、テーブルも無線機も置いているだけですので、車両移動中は片付けるか、何らかの方法で固定する必要があります。短時間に多数の移動地を回るようなスタイルには向きません。

(2) 車内の就寝部分
荷台にマットレスを敷いて、寝袋に包まるのが簡単です。寝袋が嫌なら、普通の布団を使います。夜、寒いと思うなら、電気敷毛布を使用するとポカポカですhi

電気毛布は掛毛布でもいいのですが、敷毛布の方が消費電力は少ない傾向にありますので、電源事情を考慮すれば敷毛布を選ぶとよいと思います。電源はポータブル電源から供給します(詳しくは後述します)。


車中泊用マットレス

(3) アンテナ
ロケーションが良いところなら、モービルホイップでも良いでしょうけど、少しでもたくさんの局長さんにサービスするとか、コンテストで上位に食い込もうとするならば、少々力不足です。

ルーフキャリアを付けて、そこにアンテナを取り付ければ良いのですが、手軽さを考えたら、タイヤで踏むタイヤベースが一番楽です。垂直系でアースが必要ならば、ルーフが広いので、良好なボディアースになると思います。

(4) 電源
昔はガソリンで動く発電機が主流でした。しかし、ガソリンを使った凶悪犯罪のせいで、最近ではガソリンを買うだけでもいろいろ手続き(身分証明書の提示、書類への記入等)が必要となり、セルフのスタンドでは発電機用のガソリンが買えないケースがでてきました。そんな状態ですので、私はカセットボンベで発電する発電機を使用しています。


ホンダ 発電機EU9iGB(本田技研工業株式会社Webサイト)

これならば、ホームセンターのみならず、コンビニでも燃料が買えるので便利です。・・・と書いてみたのですが、騒音問題と運転時間問題があります。

人里離れた山奥で、回りに誰もいない(キャンプしている人もいない)ようなところなら問題はないのでしょうけど、オートキャンプ場などでは発電機はうるさいので禁止されているところもあります。

なお、カセットボンベはガソリンよりも割高ですが、輸送中、車内に置いていても一切匂わないのが良い点です。ベストチョイスは移動する局は50Wまでなので、ポータブル電源+スイッチング電源が良いと思います。電力効率から見たら良くないのでしょうけど、市販品を組み合わせるだけですので、手軽です。


ポータブル電源 ケンウッドIPB01K(株式会社JVCケンウッド Webサイトより)


スイッチング電源 アルインコDM-330MV(アルインコ株式会社Webサイトより)

(5) その他
軽バンは後席ドア、リヤ回りがスモークガラスになっている車種があります。車中泊をするわけですし、特に無線をやるとなると車内で照明を使うので、スモークだけでは車内の様子が外から分かってしまいます。

まったく光を透過しないフィルムを貼るのでもよいですが、中から外も見えないので、走行中、安全面から好ましくないと思います。具体的には車中泊用のサンシェードを使うと、脱着もできるうえに、光をまったく通さないのでプライバシーも確保できます。

余談ですが、フロントガラス、運転席側ドアのガラス、助手席側ドアのガラスさえノーマルであれば、その他のガラスはすべて真っ黒で光を通さなくても、法律上問題はありませんし車検も通ります。

4WDは必要か?

先日、トヨタのハイエースと日産のキャラバンの比較をやっているYouTubeを見ました。どちらにも四輪駆動車(4WD)がラインアップされていますが、ハイエースはフルタイム式、キャラバンはパートタイム(切り替え)式です。

一見、フルタイム式のほうが優れているように思えますが、雪がなければフルタイムもパートタイムも差はありません。むしろ燃費上ではフルタイムの方がロスは大きいです。個人的には、モータースポーツ用ではないのに、フルタイム四駆は、オーバースペックのような気がします。

参考までに、同じ車両、同じ道路で四駆と二駆で、二駆だとリッター20キロ走るところ、四駆だと15~16キロくらいしか走らなかったという経験をつい先日しました。雪深い地域を走る予定がないなら、二駆+スタッドレス(+チェーン)で十分と思います。


ハイエース(トヨタ自動車株式会社Webサイトより)


キャラバン(日産自動車株式会社Webサイトより)

なおご意見、ご感想、ご質問等については、筆者である私宛(jf1kktアットマークgmail.com)へご連絡頂けますと幸いです。

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