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アパマンハムのムセンと車

第14回 モービル&アパマン運用に役立つヒント

JF1KKT 横田勝彦

2023年11月15日掲載

連載14回目となります。すっかり季節もコンディションも秋めいてきました。って、もうちょっとしたらクリスマスじゃないですか! クリスマスが過ぎれば年末年始、そしてQSOパーティの時期になります。ほんと早いですね~hi

さて、今回は冬場を考えた移動用車両の選び方から話をしていきたいと思います。


クリスマスツリーってアンテナじゃないですよhi

冬場の移動用車両の選び方

私事ですが前回お話したように、新しい移動用車両の準備を進めていたのですが、諸事情で変更を余儀なくされています。今まで数台の車で運用をしてきましたので、作り方のコツみたいなのはわかっているつもりなので、今ある別の車種で作成していこうかと思っています。

さて、これからの季節、移動運用を考慮した場合、スタッドレスタイヤは欠かせない装備になります。都内であまり雪の降るところに行かなければ、オールシーズンタイヤもアリだと思います。


ミシュランCROSSCLIMATE 2(日本ミシュランタイヤ株式会社Webサイトより)

最近のオールシーズンタイヤは優秀で、雪上性能はもちろん、夏場の高速性能も素晴らしく良くなっています。4WD車と組み合わせるなら、オールシーズンタイヤは良い選択だと思います。

移動運用だけを考えるならば、ランニングコストとイニシャルコストをトータルで考えて、軽自動車のバンタイプ(具体的車名でいえば、スズキ エブリイバン、ダイハツ ハイゼットカーゴ、ホンダ N-VANなど)が使いやすいでしょう。


スズキ エブリイバン(スズキ株式会社Webサイトより)


ダイハツ ハイゼットカーゴ(ダイハツ工業株式会社Webサイトより)


ホンダ N-VAN(本田技研工業株式会社Webサイトより)

エブリイバンとハイゼットカーゴは、それぞれOEM車種もあります(エブリイバン:ニッサン NV100クリッパーバン、三菱 ミニキャブバン、マツダ スクラムバン、ハイゼットカーゴ:トヨタ ピクシスバン、スバル サンバーバン)。

数ある軽バン、それも中古車ベースで考えるならば、エブリイバンとハイゼットカーゴがベストであると考えます(新車ではスズキ スペーシアベースなど、魅力的な車種はありますが、中古でも値段がまだまだ高いです)。

高速を使って遠方に移動するならば、私のオススメはエブリイバン(DA17V系)の5AGSモデルです。実際に乗っているオーナーさんから、高速でリッター20km以上走ると聞いています。マニュアルでもいいとお考えなら、エブリイバン(DA17V系)の5速マニュアルが燃費は最強です。さらに欲を言えば、可能であれば4WDモデルをチョイスするのが良いと思います。これでスタッドレスタイヤを装備すれば、山の上で雪に降られてしまったとしても、なんとか帰ってこられると思います。

いずれの車種にも共通して言えることは、下級グレードはスモークガラスがついていない場合があるので、外から中が丸見えになります(防犯上からも、運用しているところを覗かれるという点からも好ましくはないと思います)。ただ純正のスモークは薄いので、濃いフィルムを貼り直すつもりなら気にしなくても大丈夫です。

自宅ベランダのロングワイヤーを延長してみました

以前にも紹介したと思いますが、今までの自宅のアンテナは、13mのワイヤーにATU(CG-3000)で運用していました。アースは25cm幅の短冊状のアルミ板を、全長10m位になるようにつないで、ベランダ内に敷いています。ATUはアルミ板の上に直置きし、アース端子とアルミ板との間の配線を5cm程度にしています。ここの配線の長さが重要で、HF帯ローバンドであっても、かなりの影響を受けます。

さて、先日の全市全郡コンテストで応援に行ったクラブ局で、1.9MHzの運用を任されたのですが、これがとても面白かったので、自宅からも1.9MHzに出たい! と思うようになりました。そこで、今まで使っていた13mのエレメントを22mに延長しました。

今までよりも9m長くなっていますので、当然のことながら張り方を考えないと敷地に収まりません。解決策として釣り竿から降りてきたエレメントを水平に張り、そこからATUに引き込むようにしました。まあ、早い話が、なんでもいいから張り巡らして長さを稼ぐ、ジグザグエレメントですhi


ロングワイヤーの様子。赤で印したようにエレメントをジグザグに張っていますhi

このエレメントにしてからは、今まで同調は取れても、送信中にどんどんSWRが悪化していた1.9MHzでもなんとか悪化することなく使えるようになりました。CG-3000はチューニングのスタート信号がないので、連続キャリア状態でSWRが悪ければ、勝手にチューニングを再開します。そのせいかも知れません。

1.9MHzに出るためのエレメントだったのですが、副産物(?)として、3.5MHzの飛びが良くなりました。今までも3.5MHzにはオンエア出来ていましたが飛びはイマイチでした。今回のエレメント長は22mですので3.5MHzの1/4λ以上の長さがあります。

移動運用時に7MHzで実感した「1/4λ以上のエレメントがあれば飛ぶ」というのを、3.5MHzでも実感した感じです。今後の移動運用時のエレメント長の選び方の参考にしたいと思います。これからの季節は、夜になると7MHzがDXバンドとなり、国内QSOが難しくなります。国内派の方は3.5MHzに下がることで、まだまだ楽しめると思います。

この秋からは1.9/3.5MHzに出てみませんか?

前項で自宅のロングワイヤーのエレメントを伸ばした訳ですが、そのせいもあって、最近は3.5MHzを良く聞いています。私のところではノイズは多いものの、国内の局をはじめ、DX局もちらほらと聞こえてきます。この原稿を書いている11月初旬は、16時くらいから国内局が聞こえ始め、それに混じって海外局も入感してきます。つい先日にもKH8のDXペディション局と3.5MHzのCWでQSO出来ました。

さて、エレメントを延長してから、1.9MHzは、まだ1局しかQSOしておりません。相手局が少ないこともあるのですが、最初、1.800~1.875MHzを聞いていて「CWで運用している局がいないな~」と思ってました。ローカルのOMさんにこの話をしたら、CWの国内QSOは1.910MHz付近で行われることが多いと聞き、実際に1.9MHzでQSOを無事にすることが出来ました。


1.9MHzバンドプラン(JARL Webサイトより)

余談になりますが、30年前の記憶を思い起こすと、今の1.9MHzはバンド幅が広くなりました。なんたって以前は5kHzしかバンド幅がなかったのですから。ホント、浦島太郎ですhi

話を元に戻しますね。今までメインで出ていた7/10MHzに加え、1.9/3.5MHzにオンエアするためには、アンテナにひと工夫しないといけません。一番お手軽なのは22mのロングワイヤーにATU。ちなみにアースは車のボディアースです。具体的には10mのグラスファイバー製ポールの下側からエレメント線を上に向かってはわせ、ポール先端から地面に向かって斜めに垂らす感じになります。エレメントを垂らした先はビニールひもを付け、重しの代わりに2リッターのペットボトルにしばって固定します。

エレメント用の電線は軽くて細いものが良いと思います。本当は銅線のほうが良いのですが、私は、直径1mmのアルミ線を使っています。私は100均で買い求めましたが、22mなんて長いのはないので、途中で圧着端子の丸い部分を切り落としてカシメて、アルミ線どうしをつないでいます。


100均のアルミ線


圧着してアルミ線を延長している様子


1.9MHzを重視するならエレメント長を45mにするのもありです。これなら1.9MHzも1/4λ以上となり、先ほどの話にもあるように、飛びは期待出来ます。ただ、建て方(特にエレメントの張り方)を工夫しないといけないかなと思っています。 なお、参考までに、13mとか22mとか45mという長さですが、各バンドの1/2λの整数倍を避けるように計算して出した値です。

送信音のモニターは重要です!

最近のトランシーバーは自局の発射する電波のモニターがモニター出来るようになっています。


IC-7300のモニター画面

トランシーバーですので、別受信機で聞いているのとは違い、実際に送信されている電波をモニターしているわけではないのですが、実際の送信電波に近い信号ということになります。もちろんないよりは全然マシです。先日の全市全郡コンテストの時ですが、クラブ局のマルチ・マルチの運用のお手伝いに行きました。その時に実際に回り込みに遭ってしまいました。最近のコンテストはヘッドホン(ヘッドセット)で運用することが多いですので、運用中は自分の送信電波もモニターするようにしたいものです。

この時は、たまたまモニターしていなくて、QSOの相手の局長さんにご指摘いただき、初めて気がつきました。どうやら、自局の別のバンドの送信電波が、他のバンドのマイク系統に回り込んでいたようです。症状は再現出来ましたので、原因の特定(マイクユニットからマイクコネクターまでのケーブルが、やたら細くてシールドが不完全そうだったので、怪しいと思ってます)、対策(シールド線の交換、フェライトコアを入れる、パスコンを入れるetc.)をこれからやっていきます。結果が出ましたら、またご報告したいと思います。

なおご意見、ご感想、ご質問等については、筆者である私宛(jf1kktアットマークgmail.com)へご連絡頂けますと幸いです。

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