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テクニカル

なぜTH-D74でもRS-MS1Aが使えるの?
~RS-MS1AのしくみとTH-D74設定方法~

JK3AZL 高岡奈瑞

JVCケンウッドのD-STAR対応ハンディトランシーバー、TH-D74の画像伝送方法についてご質問をいただく機会が増えています。そこで今回は、RS-MS1AのしくみとTH-D74で画像伝送をするための設定方法をご紹介いたします。

RS-MS1Aと無線機の組み合わせ

RS-MS1Aはアイコムが無償提供している、DVモードの拡張機能を使いD-STARを楽しく便利にするためのアプリです。

◎RS-MS1Aの無線機選択画面と機種別一覧


「その他(Bluetooth接続)」を選択するとTH-D74で画像やテキスト伝送が可能に。
なおiOS版のRS-MS1IはBluetoothユニット(UT-137)を組み込んだID-4100のみに対応しています。

アイコム製のAndroidアプリ:RS-MS1Aは、JARLが定めたD-STARシステムの諸元に合致したDVモードのデータであれば、アイコム以外の無線機や自作機でも画像伝送などが楽しめます。
(D-STARシステムの諸元などは「JARL D-STAR プロジェクト」サイトを参照してください。)

さらにRS-MS1A接続時CI-Vに対応する無線機では、データ通信を楽しむだけではなく、無線機が持つ機能の一部を操作することができるようになり、D-STAR運用の操作性と利便性が格段に向上できます。

CI-V(シーアイ-ファイブ)とは

Communication Interface-Vの略称で、パソコンと無線機を接続して外部制御するためのアイコム製インターフェースです。従来はパソコンのRS-232C端子とCI-Vレベルコンバーターユニット(CT-17)を介して無線機と接続していましたが、最近ではUSBケーブルやBluetoothで接続できるものも増えました。


CI-Vの接続例。CT-17の取扱説明書より。

◎CI-Vの基本フォーマット(ID-51の取扱説明書より抜粋)

◎DVモードコマンド例
DV MYコールサインデータ(コマンド1F00)とDVコールサインデータ(コマンド1F01)

DVモードでCI-Vを利用すると、無線機を外部制御できる他、コールサインデータやポジションデータ、オブジェクトデータなどのやりとりも可能になります。そのためRS-MS1A接続時にCI-V対応する無線機の場合は、画像やテキストの伝送だけではなく、マッピングや受信履歴表示、受信履歴から無線機の制御や外部サイトへの接続など、D-STAR運用の操作性と利便性が格段に向上できるようになります。


左はCI-V対応時のRS-MS1Aメニュー。右は非対応時のメニュー。CI-V対応機は機能が多いのがわかる。


CI-V対応時のRS-MS1A画面。DR制御の他、受信履歴からTO設定やマッピングもできる。

TH-D74でRS-MS1Aを楽しむ

TH-D74でRS-MS1Aを楽しむには、まずAndroid端末と無線機をペアリングさせます。
TH-D74のBluetoothはHSP・SPPのプロファイルに対応しており、HSPは市販のヘッドセットに、SPPはPCに接続するためのプロファイルです。SPPはBluetoothネットワーク上に仮想シリアルポートを作り、有線のシリアル接続同等の通信を行うことができます。

TH-D74に組み込まれたSPPのプロファイルは、メモリーなどの設定をPC上で管理できる「MCP-D74」や、PCから周波数を変更できる「ARFC-D74」などのJVCケンウッド製ソフトウェア向けに搭載されたものと推測しますが、SPPのプロファイルはAndroid端末にも接続できるため、D-STARの諸元に合致したTH-D74でアイコム製のRS-MS1Aが利用できる、というわけです。

TH-D74とAndroid端末との接続は、TH-D74を「PCとBluetoothで接続する」(取説18-3)の手順で行います。

◎TH-D74とAndroid端末とのペアリング
・TH-D74のBluetoothをON。(メニューNo.930)
・TH-D74をペアリングモードにする。(メニューNo.934)
・Android端末でBluetooth検索
→TH-D74とAndroid端末双方にパスキー表示されたら「OK」で設定。


TH-D74とタブレットのペアリング

次にデータ通信をするための本体設定を行います。

◎TH-D74本体設定
・インターフェース設定で「PC入出力(DV/DR)」をBluetoothに変更。(メニューNo.984)
→この状態で画像伝送の「受信」が可能になります。
・デジタルファンクションメニュで「データ通信モード」を選択。(ディスプレイに[DATA]が表示)
→TH-D74でファーストデータ通信の「送信」が可能になります。

いよいよRS-MS1Aを起動します。

◎RS-MS1Aの設定
・Android端末でRS-MS1Aを起動。「その他Bluetooth接続」を選択。
→ペアリング済みデバイスで「TH-D74」を選択。
・RS-MS1Aで「自局コールサイン」を設定。

これでTH-D74とRS-MS1Aを接続し、画像やテキストの伝送が可能になります。


ID-31PLUSが送信、TH-D74で受信。


TH-D74が送信、ID-31PLUSで受信。

最後に

D-STARシステムを楽しむアプリには、RS-MS1A/I、RS-MS3A/Wの他にもさまざまなアプリが開発されています。


DStar TV Screenshots。http://www.dstartv.com/ より


ircDDB remote。

ハムフェア2017では、144/430/1200MHz帯オールモードデュアル機のIC-9700が参考出品されました。IC-9700はDVモードだけではなく1.2GHz帯のDDモードも搭載予定とのことで、近い将来、DVモードだけでなくDDモードも気軽に楽しめる時代が来る!と、期待が膨らんでいます。


ハムフェア2017で参考出品された144/430/1200MHz帯SSB/CW/FM/D-STAR対応のIC-9700。D-STARは1.2GHz帯のDDモードも搭載予定とのことで、発売が待ち遠しい。

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