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日本全国・移動運用記

第26回 山口県移動

JO2ASQ 清水祐樹

九州方面に車で移動運用に行く際には、山口県を必ず通過します。しかし山口県で移動運用する機会は少なく、未運用の地域が多くありました。そこで高速道路で通行することがない地域を主な対象として、移動運用の計画を立てました。

最初の移動地・阿武郡阿武町

今回の移動運用で、最もリクエストが多かったQTHが阿武郡阿武町でした。一郡一町で、周囲が萩市に囲まれている特徴的な立地条件の場所であり、移動局が少ないようです。移動ルートは、中国自動車道の鹿野ICを出て、町の中心部まで約67kmは一般道路を利用しました。一般道路での移動距離が長く、遠方からの移動には時間がかかります。

阿武町に入ると、内陸でありながら周囲に広い平地が広がる地域があり、この程度のロケならば十分に運用可能と思いました。しかし、雨上がりで、地面が泥だらけの場所では運用に苦労するので、公園のような場所を一通り探してみたものの、手頃な場所は見つかりませんでした。また、農村部で夜間に明かりを点灯して運用すると昆虫が多数集まり、虫刺されの原因になることもあるので、市街地に近い場所で運用したいと考えました。

阿武町の中心部は山に囲まれており、広い場所はあまり見当たりませんでした。海に面した場所は、釣り客の出入りもあって滞在には問題はないだろうと考え、ここで店開きしました(写真1)。市街地に近いため、各種の機器から発生すると思われるノイズも若干感じられたものの、運用に特に問題はありませんでした。


写真1 阿武郡阿武町での運用の様子

10月の夕方は、一般に7MHzの近距離の伝搬が良く、日没を過ぎると7MHzの国内が急激に聞こえなくなって、3.5MHz、さらに1.9MHzの伝搬が良好になります。この日も秋の典型的な伝搬のコンディションで、7MHzから1.9MHzまで、多くの局と交信できました。

事前のイメージと違った下関市

萩市に宿泊し、翌朝から萩市で運用しました。萩市の市街地は山に囲まれた地形で、住宅や商店が密集していて駐車スペースは限られます。少し郊外に出ると、道路が谷底を通っていることも多く、電波は飛びそうにありません。そこで、市街地で駐車場を見つけて運用しました。

この後は山間部の道を抜けて、山口市、美祢市へと移動しました。山口県は平成の大合併により、東部の一部の地域を除いては大部分が市となっており、必然的に市を順番に移動する、JCCサービスの移動運用になりました。

移動運用を行った市の中で、想像と最も違った所は下関市でした。関門海峡に面した市街地のイメージがあり、海岸での運用を想定していました。しかし、下関市の市域はとても広く、内陸部や日本海側も含めた広い範囲が含まれています。内陸部には、周りに山が無い広い平地もあり、運用場所の確保は容易でした。

海岸での運用

長門市もリクエストが多かったQTHです。山間部では電波が飛びそうな場所が見当たらず、北上して日本海側に面した港で運用しました(写真2)。


写真2 長門市での運用の様子

ここも釣り客が頻繁に出入りしており、車の横にネコが居座って長時間動こうとしませんでした。普段は、人があまり出入りしない場所にネコが来ても、人の気配があるとすぐに逃げてしまいます。この場所のネコは人に慣れており、カメラを向けても気にする気配が全くありません。釣り客など人と接する機会が多いのでしょう。ネコに警戒されないということは、長時間滞在する人が他にもいると考えられ、安心して運用できました。

伝搬のコンディションは、前述した10月の典型的な状態と変わらず、夕方から夜にかけてローバンドで安定して多くの局と交信できました。この時期の3.5MHzは、夜間になるとバンド全体にノイズが広がり、交信に支障をきたす場合もあります。この日はノイズが無く、快適に交信ができました。

市を順番に移動

3日目は瀬戸内海側の市を順番に回りました。工業地帯が多く、海に面した場所まで住宅や工場が密集しており、運用場所が見つけにくい市もありました。カレンダー上は祝日ではあったものの、月曜日のため稼働していると思われる工場もあり、トラックが頻繁に出入りする道路もありました。山陽小野田市、宇部市は工業団地の中の空きスペースを見つけて運用しました。

宇部市から東に進むと山口市で、ここは前日に運用していたので、自動車専用道路と高速道路を使ってさらに東の防府市に一気に移動しました。アンテナはいつものように釣竿を使用した車1台分のスペースで運用できるもので、伝搬のコンディションを見ながら素早くQSYして効率的に交信を進めました。

さらに各局のリクエストを考慮して、周南市、光市、下松市へと順に移動しました。周南市は海岸で広い場所がなかなか見当たらず、それぞれの市ともに、7MHzや3.5MHzのコンディションが良くなった時には多くの局から呼ばれました。しかし、コンディションが低下すると、HFの電波が地表波やスキャッターで伝搬する100~200km程度の範囲に出ている局数が関東や関西と比較して少ないため、CQ空振りを連発することが多くなりました。ロケ的に電波が飛びそうな場所を狙うために時間を掛けるよりも、簡単な設備を使って、伝搬のコンディションが良い時に素早く対応する方が、移動運用の戦略としては良かったようです。

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