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JARLが最新のバンドプランを発表

一般社団法人 日本アマチュア無線連盟(JARL)が最新の「アマチュアバンドプラン」を6月3日に公式サイトで発表した。4月21日に周波数拡大が実現した1.9MHz帯と3.5MHz帯も掲載されている。このバンドプランは諸外国の運用や世界的な慣習等をふまえた“JARL独自の区分表記”になっている点に注意したい。


JARLが6月3日に発表した「アマチュアバンドプラン」の一覧表より

アマチュア無線のバンドプランの根幹となる「周波数の使用区別」は総務省が告示で定めている。今年4月21日に1.9MHz帯は新たに1,800kHz~1,810kHzの10kHz幅と1,825~1,875kHzの50kHz幅の2つが、また3.5MHz帯は新たに3,575~3,580kHzの5kHz幅と3,662~3,680kHzの18kHz幅の2つがそれぞれ追加されたが、総務省はその際に、既存の1.9MHz帯、3.5MHz帯の周波数範囲を含め、以下のように周波数の使用区別を告示した。

<1.9MHz帯>
・1,800~1,810kHz: 全電波型式
・1,810~1,825kHz: A1A
・1,825~1,875kHz: 全電波型式
・1,907.5~1,912.5kHz: A1A、F1B、F1D、G1B、G1D

<3.5MHz帯>
・3,500~3,520kHz: A1A
・3,520~3.535kHz: A1A、F1B、F1D、G1B、G1D
・3,535~3,575kHz、3,575~3,580kHz、3,599~3,612kHz、3,662~3,680kHz、3,680~3.687kHz: 全電波型式

今回JARLが発表した「JARLバンドプラン」は、上記の総務省告示に諸外国の運用や世界的な慣習等をふまえた、下図のような表記になっている。


JARLが6月3日に発表した「アマチュアバンドプラン」の一覧表から、今回周波数が拡大された1.9MHz帯、3.5MHz帯部分を抜粋。諸外国の運用や世界的な慣習等をふまえ、総務省告示の「周波数の使用区別」とはやや異なる表記になっている

これについてJARLは「1.9MHz帯及び3.5MHz帯の周波数拡大に伴うJARLバンドプラン改正の概要」というJARL Webの告知で以下のように背景を説明している。以下、JARL Webより転載。


●1.9MHz帯の追加割当された区分について

今回の使用区別告示の改正では、1800kHzから1810kHzの10kHz幅、1825kHzから1875kHzの50kHz幅の追加割当が行われました。

この追加割当の周波数については、使用区別告示ではこの周波数が全電波型式での割当となりましたが、特に1800kHzから1810kHzの区分については、諸外国の現状からは、この周波数でイギリスやドイツなどの国際アマチュア無線連合の第1地域(Reg1)での割当はなく、アメリカなどの国際アマチュア無線連合の第2地域(Reg2)、同じく第3地域(Reg3)のオーストラリアなどではすでに割当があるもののコンテスト等でのCWによる運用を確認しています。

この周波数で、日本国内でSSBやAMなどの電話による運用やRTTYなどのデータ通信がこの追加割当された区分で運用すると、Reg2やReg3でCWで運用している局に混信等の与えてしまうことが想定されることから、JARLとしてはCW専用区分としてのバンドプランに取りまとめることとしました。

また、1825kHzから1875kHzの追加割当の区分については、前述のとおり諸外国での運用している周波数等を考慮して、1825kHzから1830kHzについては、CW区分を追加することとし、1830kHzから1845kHzについては、現在、1840kHz周辺で運用が行われているFT8を代表とする狭帯域データに混信等を与えないように「CW・狭帯域データ区分」に、1845kHzから1875kHzまでの区分については、SSBの電話やSSTVなどの画像通信、RTTYなどのデータ通信の運用が可能な「狭帯域の全電波型式区分」としました。

●3.5MHz帯の追加割当された区分について

今回の使用区別告示の改正では、3575kHzから3580kHzの5kHz幅と、3662kHzから3680kHzの18kHz幅の追加割当が行われました。

まず、3575kHzから3580kHzの5kHz幅が追加割当となることで、1.9MHz帯同様に、3573kHz周辺で運用されているFT8を代表とする狭帯域データがバンドエッジを気にすることなく運用することができることから、追加割当される周波数については、「狭帯域の全電波型式区分」としました。

一方、3662kHzから3680kHzが追加割当が行われる区分についても、これまで割当されていた3680kHzから3687kHzまでの周波数帯を合わせると25kHz幅となることから、追加割当された区分についても「狭帯域の全電波型式区分」としました。


このバンドプランはJARLの周波数委員会が策定・答申し、5月23日の理事会で承認されたもの。JARLは「アマチュア無線の円滑な運用にご理解ご協力をお願いします」と呼び掛けている。

JARLバンドプランはJARL WebにPDF形式で公開されている。ダウンロード保存やプリントアウトもできるので、常に確認できるよう、シャックに常備しておくと便利だろう。


バンドプランのPDFをプリントし、手元に置いておくと便利だ

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次号は 12月 1日(木) に公開予定

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