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再免許申請期間経過後の「救済処置」について

「アマチュア局の無線局免許の有効期間は5年間。その後も運用を続けたい場合は免許満了前1か月以上、1年を超えない期間内に再免許申請を行わなくてはいけない」。

これは、4アマの国家試験でも出題されることがある基本事項なのだが、実際にアマチュア無線局を開設・運用していると、ついうっかり有効期間を忘れてしまい、気付いた時には再免許申請が行える期間を過ぎていた…という経験をした人が意外に多いようだ。

ではもし、免許の有効期間満了まで1か月を切ってから気付いた場合、どうすれば今後5年間もその局の運用を続けることができるだろうか?


気が付いたら免許の有効期間満了まであとわずか。再免許申請も行えない時期になっていたら、どのようにすればよいだろうか?

最も一般的なのは、有効期間が満了するのを待ってから、もう一度開局申請を行い、従来と同じコールサインを発給してもらうという方法だろう。しかし、使用する無線設備にJARDなどの保証を要するものが含まれている場合や、空中線電力200Wを超えるハイパワー局の場合は、再度の開局手続きを取ると手間も費用もかかり、時間的なロスも大きくなってしまうのが難点だ。

「廃止・新設」という救済措置がある

実は、免許有効期間満了前1か月を割り込んでしまい、通常の再免許手続きが行えなくなってしまった場合に利用できる「廃止・新設」という救済措置が存在するのをご存じだろうか。

これは「現在免許を受けている(=まもなく有効期間が来る)無線局の廃局届」と「同等の無線局の開局申請」を同時に行う場合に限り、無線設備の確認を必要としないという免許手続きだ。現在免許を受けている無線局の内容に変更がなければ(細かい条件は後述)、工事設計の記載やJARDなどの保証、ハイパワー局の落成検査といったプロセスを省略し、同一コールサインの無線局の免許が得られるというものだ。


関東総合通信局のホームページ「廃止・新設について」より

総務省 関東総合通信局のホームページには、「有効期間中の再免許手続きについて一部救済措置が適用されます」として、その方法と適用される条件が詳しく紹介されている。その主要部分を紹介しよう。



廃止・新設について

廃止・新設とは、「今ある無線局の廃止」と「同等の無線局の開局申請」を同時に行う場合に限り、無線設備の確認を必要としない免許手続きです。[無線局免許手続規則第15条の2 および 第15条の5 関連]

再免許申請期間経過後から免許が失効するまでの1か月間でも、事業者による保証を受けることなく開局手続きができます。アマチュア無線局の場合は、次のすべての条件に合致した場合にのみ、この手続きをすることができます。

・免許の有効期限が満了前であること
・設置場所に変更がないこと(「移動しない」アマチュア局のみ)
・常置場所の場合はその無線局の常置場所を管轄する総合通信局の管轄区域に変更がないこと(「移動する」アマチュア局のみ)
・現在の無線局の無線設備の全部または一部を使用するものであること
・現在の無線局の電波の型式および周波数の全部または一部を使用するものであること
・空中線電力に変更がないこと・無線従事者に変更がないこと

また、次の条件に合致した場合にのみ工事設計の記載を省略することができます。
・現在の無線局の無線設備の全部を使用するものであること
・事項書の備考欄(15欄)に「工事設計に変更無し」の記載があること

<注意点>
・廃止届を同時に提出する必要があります
・撤去以外の無線設備の変更はできません
・従事者番号の変更はできません
・コールサインの変更はできません
・免許番号が変わります
・運用できない期間が生じます・申請書の必要項目は省略なく記入する必要があります・社団局の場合は定款・構成員名簿等の提出が必要です



なお、この救済措置による開局手続きを行っている間(今ある無線局の有効期間が切れてから、新しい免許状が届くまで)は、その無線局の運用はできない点に注意が必要だ。

詳しくは関東総合通信局のアマチュア局コーナー、(https://www.soumu.go.jp/soutsu/kanto/ru/ama/)にある、「有効期間中の再免許手続きについて一部救済措置が適用されます(廃止・新設について)」の項目を確認してほしい。

有効期間には十分注意したい

もちろん、こうした特例措置を受けるよりも、有効期間満了の1か月前までに再免許申請を済ませてしまうのがベストであることは言うまでもない。


無線局免許状の「免許の有効期間」欄の確認は怠りなく。特に「移動する局」「移動しない局」など、1人で複数局の免許を受けている場合は要注意だ

JARL(一般社団法人 日本アマチュア無線連盟)では、あらかじめ免許の有効期間を登録している会員を対象に、満了3か月前に通知するサービスを行っている。さらに地方総合通信局によっては、満了3か月前にハガキで管内の免許人に通知してくれるところもある。

また、自分自身でできる方法として、「シャックの壁掛けカレンダーに、満了3か月前の日に赤丸をつけておく」「スマートフォンのリマインダーに満了3か月前の日を登録しておく」「有効期間が来る前年、電波利用料の支払い通知書が届いたら、すぐに再免許の準備をする」といった工夫をしている局もいるようだ。

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次号は 12月 1日(木) に公開予定

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