アマチュア無線の今と昔
2023年10月2日掲載
連載第11回目になります。
私が無線界に復帰して早2年になろうとしています。
復帰直後はおっかなびっくり無線機にかじりついていましたが、今ではだいぶ余裕も生まれた感じがします。とはいっても、QRTしている間に流行りだしたものには、まだなかなかついていけてないと思うこともあります。今後はのんびりと楽しみながらやっていきたいと思います。
のんびりと楽しみたい
前回で、ビギナーさんには親切でありたいと書きました。とはいっても、オンエア上で直接アドバイスするような場面には、なかなか巡り会わないですよね。たまにスロースピードでCW QSOの相手をするくらいしか、まだ現実には出来てない状況です。最近、SNSで「あいつはヘボだ!」とか、お叱りを飛ばしているOMさんがいらっしゃるそうです。
ローカルがFT8の運用をしていて、X(旧Twitter)で言われたとのこと。悪口をSNS上で言うくらいなら、それを本人に伝えてあげればいいのに・・・ と私は思います。昔はコールブック(局名録)に全局の情報が出ている時代がありましたが、今ではJARL会員のみの掲載となり、詳細を載せていない方も多いでしょう。
そこで「@jarl.com」です。アクティブな方はJARLの会員であることが多いので、「(コールサイン)@jarl.com」宛にメールを送れば、相手にメールが届くことも多いと思います。その他に、送り先を「QRZ.com」で検索してみるのも手ですね(Googleでコールサインを入れて検索すれば、QRZ.comに出ている人はヒットします)。
SNSで悪口言うくらいなら、直接教えてあげたら? と思うのは私だけではないでしょう。もちろん、言い方には注意しないといけないですが、注意された側も逆ギレしたりせずに、真摯に受け止めれば良いと思います。
誹謗中傷はやめよう
昔はCQ ham radio誌に「HAM交換室」というコーナーで、毎月発売日に本屋で買って真っ先にこのページを見て中古無線機を探していたものでした。人気のある無線機は、すぐに売れてしまうことが多く、発売初日に売れてしまうことも多かったです。
変わって現代。中古品といえば、ヤフオク! やメルカリなどといったサイトでの取引がメインになってきました。誰でも手軽に出品でき、検索も容易。しかもサイトが用意したシステムを使うことで、振り込んだけど品物は送ってこない、といったようなトラブルとも無縁です。
ただ、商品の状態については、見解の相違もあり、いまだにあり得るトラブル原因です。最近の傾向として、アマチュア無線をわかっていない方が出品しているケースをよく見かけます。無線をわかっていない方に、無線機の状態を確実に把握して掲載しろ、というのも無理な話です。購入側が防衛出来る方法としては、説明が詳しい出品者から買う、といった方法があります。これだけでも電源も入るかどうかもわからない出品物を買うリスクからは解放されると思います。
万が一、動かない無線機を掴まされてしまった場合はどうするか? メーカーが修理対応をしている無線機であれば、そのままメーカーに送ればいいと思います。しかし、メーカーの修理対応期間が終わっている場合もあります。
ネットで検索すると、世の中には無線機の修理業者が沢山いることがわかります。中には修理を趣味にしていて、趣味と実益を兼ねて、他人からの修理を受け付けている方もいらっしゃいます(これも昔では考えられなかったですが)。そういう方に依頼する方法もあります。もちろん、自分で修理に挑戦する方法もありますよ!
古い無線機がたくさん出回っている理由として、2つの理由があると思います。ひとつはアマチュア無線家の年齢層が上がってきて、終活、あるいはサイレントキーとなって遺品整理の対象になってきているからです。もうひとつは、現在市販されている無線機にない魅力がある物が、プレミアがつく勢いで出回っている、というのもあります。
特に1200MHz帯に出られる無線機は高値の傾向があるようです。でも、その割にコンテスト以外では閑散としているのは何故? いずれにしても、中古品には新品にはない魅力があります。ジャンクと同じですね。だからフリーマーケット巡りは止められないですHi
プレミアのついている無線機の例 アルインコDJ-G7(アルインコ株式会社Webサイトより)
これもまたローカルから聞いたお話です。430MHzのFMでQSOしていると、やけに変調の浅い局長さんがいらしたそうです。
ローカル:「もう少しマイクゲインを上げていただけませんか?」
お相手局:「すみません、周りに家族がいるもので、大きな声が出せないんです」
固定機ならばマイクゲインがついているので調整はできるでしょうが、モービル機やハンディ機なら、マイクゲイン調整は普通ありません。若しくは純正以外のマイクを使っていることも考えられますね。もっとも、今回のケースはマイクゲインを上げたところで、根本的な改善にはならないと思われます。そこでおすすめしたいのが、CW運用やFT8等のデジタルモードでの運用です。
周りに家族の方がいても、ヘッドホンさえしてしまえば、運用は十分可能です。FT8に至っては、ヘッドホンもなくて運用出来ます。ぜひオールモード機と3アマ以上のライセンスを手に入れて、サイレントなハムライフをエンジョイされては如何でしょうか?
CWは3アマ以上の資格が必要ですが(これも以前書きましたが、受験手段も試験内容も簡単になりましたね)、FT8等のデジタルモードは4アマでも運用出来ます。
余談ですが、変調は「浅い・深い」それとも「薄い・濃い」、どっちでしょうか? 昔は「変調が薄い・濃いって醤油じゃないぞ!」って話があったりしましたねHi
変調は濃い? 深い?
この記事を読んでいる皆さんの中にも利用されている方が多い「J-クラスタ」。昔はなかったけど、現在では当たり前のように使われているギアのひとつかと思います。
クラスタとは、オンエアしている局の日時、周波数、モード、コールサイン、運用地などを掲載した、一種の掲示板(ネット上の)です。ここに掲載されるとパイルアップが激しくなるくらい、今や運用に欠かせないものになりました。もちろん私も重宝させていただいておりますHi このJ-クラスタですが、近々リニューアルされるようです。詳しいことは実際にサイトをご覧いただければと思います。
話は変わりますが、昔はこんな便利なサイトはありませんでしたね。今はワッチしないでクラスタがバンドスコープだという人がいるくらいです。クラスタに情報をアップしている方は、本当にワッチ力に優れている方だと思いますし、ワッチ力の「賜物」だと思います。
クラスタはアップしてくれる方がいなければ成り立ちません。皆さんもそうなるように頑張ってワッチしましょう! (やっぱりワッチはアマチュア無線の基本だと思います)
J-クラスタ画面の例
私事ですが、我が家のネット接続をケーブルTVから光ケーブルに変更しました。理由はどうにもこうにもスピードが遅すぎたこと、回線が安定しないことなどからです。スマホをテザリングしたほうが安定して速いくらいでしたから(苦笑)。回線を変更しましたので、これで速くなるかな? と思っていましたが、期待したほど速くなりませんでした。その理由の1つが無線LANルーター。
無線LANルーターの一例
以前から持っていたものをそのまま流用したのですが、これがいけなかった。最新の無線LANルーターに替えると良いという話を耳にし、ポチっとして買いました。するとかなり速くなり、交換した甲斐があったと安心しました。
さらに、周波数を2.4GHz帯から5GHz帯に変更。マンションのような集合住宅はWi-Fiの電波が飛び交っていますので、利用者の多い2.4GHz帯は混雑していてスピードが出にくい状態だったようで、変更後は明らかにスピードが上がりました。無線LANルーターまで新調したのですが、LANケーブルで直結しているPCのスピードを計測してみると無線LANより高速で、できればLANケーブルでつなぎたいところです。
特にIC-905を買って、2.4GHz帯とか5.6GHz帯をやろうって思っているなら尚更です(IC-905には無線LANは搭載されていないのでLANケーブルでつなぐしかありません)。私のところはマンションなので、ドアの隙間自体が少ないのですが、平べったいLANケーブルを使ってテストしてみようと企んでいますHi
やっぱりLANケーブル接続が安定していて速い
なおご意見、ご感想、ご質問等については、筆者である私宛(jf1kktアットマークgmail.com)へご連絡頂けますと幸いです。
アマチュア無線の今と昔 バックナンバー
アマチュア無線関連機関/団体
各総合通信局/総合通信事務所
アマチュア無線機器メーカー(JAIA会員)
©2024 月刊FBニュース編集部 All Rights Reserved.