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グアムにD-STARレピータが開局!

JARLが開発し、いまや全世界に広がるアマチュア無線のデジタル化技術、D-STARネットワークに、2019年9月、また新たなレピータが追加された。レピータのコールサインはAH2G。太平洋に浮かぶ美しい南の島、グアムのD-STARレピータである。


タモン湾。北の方には、グアムの有名観光スポット「恋人岬」が見えている。

グアムは西太平洋に位置する島で、ミクロネシアのマリアナ諸島最大の島である。アメリカ合衆国の海外領土であるため、グアムは「アメリカで最初に日が昇る場所」といわれている、アメリカ合衆国の最西端の地である。北緯13度に位置する赤道に極めて近い場所のため、気候は一年を通して熱帯性気候。日本はもちろんのこと、韓国、フィリピン、そしてアメリカ本土からたくさんの観光客が訪れる人気スポットである。また、人口16万人のうちの半数はアメリカ軍人である。

D-STARレピータ開設の経緯

2019年6月、市場調査のためグアムを訪問したアイコムと、マリアナ諸島アマチュア無線クラブ(MARC)と間で、ランチを食べながらD-STARレピータの設置についての最初の話し合いが行われた。その後MARCでの3ヶ月間のクラブミーティングを経て、2019年9月28日、ついにAH2G D-STARレピータが設置された。

このAH2Gから最初の電波を出したのは、MARCの会長を務めるKN4IASシェーン・カラハンさんで、日本のJO3WWAアーロン・キャンプさんとのグアム―大阪間のQSOを成功させた。


レピータ設置などアマチュア無線の話で盛り上がるMARCのメンバー一同。
KK6VRK(左)、KH2L(中央)、KN4IAS(右)

レピータの設置を実際に行ったというKN4IASシェーンさんは、AH2Gでの最初のQSOが海外局との交信になり、とても嬉しく思い、以下のように話した。「システムが上手く動作しているようで、無事にD-STAR QSOが成立しました。このレピータによって、グアムのアマチュア無線家たちに、世界中、そしてアメリカ本土と交信できる新しい道が開けました。本当に嬉しいです」

MARCとグアムのアマチュア無線事情

MARCは構成員20名程度の小さなアマチュア無線クラブだが、近年その活動は活発になっている。この度、HF、QRP、リフレクター運用の代替手段としてD-STAR運用が可能となったことで、クラブメンバーやアマチュア無線人口の増加も期待される。

また、MARCはグアムの商業用放送局KSTO内にクラブハウスがあることで、アンテナの設置に関しては好条件であった。このKSTOのオーナーであるKH2Lエド・ポッピーさんはグアムで最もアマチュア無線歴の長いハムであり、今回のD-STARレピータ設置は彼の厚意によるところが大きい。下の写真のように、素晴らしいアンテナ設備である。このアンテナはグアムで最も標高の高い場所に設置されているため、通信範囲は島全体をカバーしている。


MARCクラブハウスのあるKSTO放送局(左)とそのアンテナ設備。グアムの中央に位置する。

アマチュア無線の非常通信団体

MARCのある商業用放送局のアンテナタワーは非常に頑丈に作られており、さらにグアムは「台風の通り道」として知られていることなどから、MARCはARRLからアマチュア無線の非常通信団体に指定された。そのため、クラブハウスにはARRLから支給された防災用ポータブル無線局が2セット備えられている。実際、近年マリアナ諸島で大きな台風が発生した際に、MARCのメンバーが無線通信で活躍した実績もある。


(左)2019年10月の台風ハギビス(台風19号)の衛星写真。グアムは下の方に見える。
(右)ARRL支給の防災用ポータブル無線局キット。

D-STARで“Håfa Adai(ハファデイ)”

“Håfa Adai(ハファデイ)”は、グアム先住民の母国語であるチャモロ語で、「こんにちは」という意味である。今回のAH2Gレピータ開設によって、グアムのハムは世界の様々な国とQSOができることをとても楽しみにしているので、このD-STARレピータを経由して交信できた暁にはぜひ、「ハファデイ!」と元気よく挨拶してみてはいかがだろうか。
レピータ情報は下記のとおり。
· コールサイン: AH2G
· 周波数: 146.910MHz
· デュプレックス(シフトの方向): マイナスシフト
· 備考: アナログレピータは、現在447.000MHz(マイナスシフト)のUHFレピータのみ稼働中。

引用:
台風ハギビスの写真の引用元: https://thegate.boardingarea.com/wp-content/uploads/2019/10/vis-animated-67.gif
その他の写真はMARC、MARC会長のシェーン・カラハンさん、およびアーロン・キャンプさんからご提供いただきました。

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次号は 12月2日(月) に公開予定

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