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日本全国・移動運用記

第50回 北海道ハムフェア出展と移動運用

JO2ASQ 清水祐樹

9月21日(土)、22日(日)の2日間で開催された北海道ハムフェアに、筆者は個人のブースを出展しました。会場周辺と帰り道の途中、展示した機材を使用して、実際に移動運用を行いました。今回は、その移動運用の様子を紹介します。

出展したブースの内容

出展したブース(写真1)には、開場と同時に多くの皆様がお越しになりました。ブースのテーマは移動運用と衛星(サテライト)通信で、運用風景の写真、運用風景の動画、サテライト通信等の詳細を説明した資料、使用している無線機、自作のアンテナなどを展示しました。


写真1 ブースの様子。開場の直前に撮影したもので、この後、ブースの前は多くの来場者でにぎわった。

会場には飛行機と電車で移動し、バッテリー以外の荷物は全て手持ちで輸送しました。バッテリーは飛行機に搭載ができないので、宅配便で発送して新千歳空港で受け取りました。V/UHF帯とサテライト通信の運用はIC-9700のポータブル仕様(写真2)で、JS2AVK濱島さんの作品を参考にしました。このポータブル仕様にはCWのパドル、1200MHz帯のホイップアンテナも装備しています。


写真2 IC-9700ポータブル仕様。掲示してあるQSLカードは、Masacoさんから手渡しでいただいたもの

会場での運用

会場では、D-STARでの交信にもチャレンジしました。最寄りのレピータである札幌430にまでは5kmほどの距離があり、高層ビルが立ち並ぶ市街地にある会場からでは、見通し距離とはいえません。展示品として使用したサテライト用のアンテナ(430MHz帯7エレ)を使用して、屋外から反射源になりそうな高層ビルにアンテナを向けると、強力な信号が聞こえてきました。屋内からの運用も考えてみたところ、会場の建物は窓が小さく、レピータの方向に窓はありませんでした。それでも、建物内から7エレのアンテナを外に向けて、パワーを上げるとレピータにアクセスでき、会場内でターミナルモードを使用している局とQSOできました。

札幌1200のレピータにもアクセスを試みました。1200MHz帯のビームアンテナは持っていかなかったので、430MHz帯のアンテナで代用しました。しかし、残念ながら1200MHz帯ではレピータからの信号は確認できませんでした。

サテライト通信で使用している430MHz帯の7エレのアンテナは、給電部にマッチング回路を設けていない直接給電のため、奇数倍である1200MHz帯にも同調します。1200MHz帯で送信すると、偶然にもSWRが1.5以下になっていました。ただし、性能は1200MHz帯の専用アンテナには及ばないと思われます。同様の構造である430MHz帯のMasacoビーム(2018年7月号)も、1200MHz帯でそのまま使える可能性があります。

続いて、サテライト通信の運用です。会場は札幌駅から徒歩10分の市街地で、すぐ南側にはJRの高架があるほか、周囲には高層ビルが立ち並んでいます。今回は徒歩移動のため会場の直近でしか運用することができず、サテライト通信に適した場所に移動することができませんでした(写真3)。


写真3 サテライト通信の運用。会場の南側にはビルやJRの高架があり、衛星が南側に移動すると聞こえなくなった。

AOSから時間が経っても、衛星からの信号がなかなか聞こえず、粘り強く待っていると急に強力な信号が聞こえて、パイルアップになりました。ところが衛星が南側に移動すると、ビルや高架の陰に隠れて信号が消えてしまい、CWで数局とQSOできただけの結果となりました。

帰り道での運用

帰り道では途中下車して、千歳市で7MHz CWを運用しました。アンテナは2013年4月号で紹介した長さ2.5mの釣竿アンテナです。これを大型クランプ付きの基台で固定して使用しました(写真4)。


写真4 徒歩移動で使用しているアンテナ基台。大型のクランプに、同軸コネクタと同軸ケーブルを取り付けてある。同軸コネクタの外側は大型のワニグチクリップ付きビニル線で挟み、ビニル線の他方をアースに接続する。

運用場所に金網のフェンス、金属製の柵などがあれば、そこにアンテナを取り付けること、また、車止めの長いチェーン、金属製の側溝のフタなどがあれば、そこに電線を接続してアースとして利用することを考えていました。ところが、駅前広場にあった金属製の柵は柱が太すぎて、持参したクランプで挟むことができませんでした。そこで、街灯の鉄製ポールの根元付近に、釣竿アンテナを斜めに固定することを思い付きました(写真5)。


写真5 7MHz帯の運用風景

この釣竿アンテナのコイルは、車のボディアースを使った時に目的の周波数に同調するように調整してあります。アースを電線で接続して使用する場合には、車のボディアースで使用する場合よりもコイルを巻き足すか、エレメントを延長して、同調周波数を再調整する必要があります。この釣竿アンテナにはあらかじめ巻き足し用のコイルを付けており、巻き数の微調整だけでSWRはほぼ1まで下がりました。アースは大型のワニグチクリップ付きビニル線で鉄製ポールの根元に接続しました。

出力は使用した無線機の都合で5Wです。夕方の時間帯で、近距離はスキップして聞こえにくくなることが予想されます。それでも、1エリアより西には強力な伝搬があり、QSBを伴いながらも各局の信号はよく聞こえていました。30分足らずの間に30局と交信し、飛行機の時間にはまだ余裕があると思っていたものの、日没で暗くなってログに記入することが難しくなり、ここで閉局としました。

この夏は7MHzのコンディションが悪く、移動運用で数局しか交信できないことも多かったので、QRP運用で30局は大満足の結果でした。アイコムから発売予定のIC-705を使用する場合のシミュレーションにもなりました。

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次号は 12月2日(月) に公開予定

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