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IC-9700レビュー ファミリーで移動運用

埼玉県日高市(富士山山頂221m)

JJ1PHP 谷口真司

前回の移動運用は日本一の標高である富士山の富士宮口五合目でしたが、今回は富士山山頂です。といっても同じ富士山の名前がついていますが、埼玉県日高市にある富士山(ふじやま)に出かけました。

涼しい季節になり、自転車で移動運用に出かけようという事になりました。どうせ出かけるならば、電波が良く飛びそうな所であり、ちょっと面白そうな所が良い!ということで、JJ1JFV(ひろあき)と地図で調査を行い、今回の移動運用は家から一番近い富士山に決定しました。この富士山は自宅から片道10kmの距離ですので、ちょうど良いサイクリングの距離でもあります。

現地での移動運用も楽しみですが、現地までのサイクリングも今回の目的です。JJ1JFV(ひろあき)は、いつもの外出スタイルでハンディー機のID-51PLUS2を肩掛けバッグの中に入れているので交信することはできますが、サイクリング中はハンドマイクでPTTスイッチを使って交信することになり、片手離し運転となり危険です。そこでID-51PLUS2のVOX機能を使いハンズフリーで交信できるようにするために、オプションのヘッドセット(HS-94)と変換ケーブル(OPC-2006LS)を準備しました。


サイクリング時の運用スタイル ID-51PLUS2(VOX機能使用)+ヘッドセット

VOX機能を使用しての通信は、しゃべり出しの最初が切れ気味になってしまいますが、すぐに慣れ、話をしながら楽しく安全にサイクリングすることが出来ました。心配だったヘッドセットの脱落もありませんでした。自宅を出て約1時間のサイクリングで富士山の麓まで到着しました。富士山山頂の方向を示す道標があります。自転車はここに置いて、徒歩で山頂を目指します。


道標は、将軍標という魔除けの木柱で作られています

ここから山頂までは、距離が短いですが心臓破りの急坂があります。リグ・バッテリー・アンテナなどの機材を抱えて山頂に到着。山頂には日本一の富士山と同じ浅間神社がお祀りされております。今回は浅間神社の横に場所を少しお借りして3バンドGPをカメラの三脚を用いて設置しました。


富士山山頂の浅間神社 標高221mの山頂標識もあります(左)、設置した3バンドGP(右)

今回は、バッテリーでの運用のため、出力を50%設定の25Wとして省エネ運用としました。IC-9700のディスプレイをマルチファンクションメーターにしておくと、VD(終段電力増幅器のFETのドレイン電圧)や、FETの温度をモニターすることが出来ます。今回の運用ではあまり温度を気にする必要はありませんが、VDのモニターはバッテリー電圧のモニターにも代用できるため、今回の様なバッテリーでの移動運用中、いきなりのバッテリー切れということを防ぐことができ、非常に便利な機能です。

アンテナの設置も終わり、運用の準備ができました。今回は、山頂とはいえ標高221mしかない事と、周辺も少し木に囲まれていることもあり、運用されている方が多い144MHz帯のSSBモードからスタートすることにしました。CQを出したところ、想定とは違いすぐにコールを頂けました。QSOの中で、「QTHは富士山(ふじやま)山頂。標高221mです。」ということを紹介し、QTHで話が膨らみ、楽しいQSOをすることができました。

相手局から見てこちらの了解度が低い状況では、IC-9700の出力を100%(50W)に切り替えることで了解度が改善し、コールサイン・レポートの交換をすることができました。また、相手局の信号強度が弱い場合にプリアンプをスイッチ操作でONにすることができます。プリアンプを入れても、周辺に人工ノイズが少ない環境ではフロアノイズのレベルはあまり上がらず、相手局の信号が浮き上がってきます。この機能はSSBモードでの運用時、特に効果的です。


144MHz帯SSBモードで運用中。マルチファンクションメータモードにしています

初めのコールから2時間以上途切れることなく、多数のみなさまからコールを頂き、1エリアは山梨県以外の全県(茨城県・群馬県・千葉県・神奈川県・埼玉県)と最遠は7エリア(福島県)とも交信することができました。144MHz SSBモードで約2時間 QSOしていたため、VD(終段電力増幅器のFETのドレイン電圧)が少し下がってきたこともあり、クローズすることにしました。

最後に自宅にいるJR3KPU(おじいちゃん)をコールした後に片付けを始めました。片付けの最中に浅間神社に目を移すと、アンテナ設置時の時に居たカマキリが同じ場所でこちらを見ていました。神社の守り神かもしれません。 そのあと浅間神社とカマキリに場所をお借りしたお礼を言って、富士山を下山しました。


浅間神社のカマキリ。今回の移動運用を見守ってくれていました

せっかくサイクリングで来たので、近くに高麗(こま)神社という大きな神社があり、そこでお参りをしました。高句麗からの渡来人 高麗王若光(こまのこきしじゃっこう)をお祀りし、1300年の歴史があるとの事です。


高麗神社の鳥居(左)、御本殿にお参り。お願い事は秘密だそうです(右)

その後、この季節の土日は大渋滞となってしまう巾着田曼珠沙華公園にも足を延ばしました。ここは約500万本の曼珠沙華(彼岸花)の群生地です。ここを流れる高麗川(こまがわ)が蛇行して、巾着の様な地形になっていることから、巾着田と呼ばれているところです


高麗川が巾着の形をしています(左)、曼殊沙華が一面に咲いています(右)

写真を撮るのが下手なために様子をうまくお伝えできないのですが、22haの土地に500万本の真っ赤な曼珠沙華(彼岸花)は圧巻です。曼珠沙華の見ごろの期間はあまり長くないため、この記事をご覧いただいている頃には時季が過ぎているかと思いますが、来年機会があればこちらまで足を延ばされては如何でしょうか。一見の価値はあるものと思います。

曼珠沙華が綺麗なために長居をしてしまい、巾着田を出るころには周辺が暗くなってしまいました。ここから家までは約15km。小学3年生にはちょっと遠い距離ですが、安全運転で帰宅しました。

富士山山頂からの移動運用ではたくさんの方からコールを頂き、曼殊沙華の鑑賞、最長距離のサイクリング。今回も無線を通じて充実した休日を過ごすことができました。

今回もQSOしていただいた各局へ感謝申し上げます。

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次号は 12月2日(月) に公開予定

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