Monthly FB NEWS 月刊FBニュース 月刊FBニュースはアマチュア無線の電子WEBマガジン。ベテランから入門まで、楽しく役立つ情報が満載です。

今月のハム

JA1LHC 中島良彦さん

東京都八王子市にある自宅敷地内にリモートシャックを構築したJA1LHC中島良彦さん。実際の運用で無線機を直接操作することはほとんど無く、もっぱらパソコンからのリモートで運用している。無線機を格納したシャックから運用する場合も同様にリモート運用である。

ものづくりや機械を触るのが好きだった父親の影響でラジオ少年となった中島さんは、中学3年の4月の国家試験で電話級アマチュア無線技士を取得し、JA1LHCを開局した。50MHz FMで運用をスタートしたが、その後50年以上経った今に至るまで、中島さんのメインバンドはずっと50MHzである。

その頃50MHzで知り合ったローカルのえみげんクラブ(JA1YWV)メンバーと共に、今なお活発に活動している。中島さんは、アマチュア無線を始めて良かったこととして、いつでも好きなことが言えて、一生付き合えるこのクラブ仲間ができたことを一番にあげる。


えみげんクラブのメンバー各局

「えみげんクラブ」は会員数が30名程度。毎週日曜日にロールコールミーティングを実施している。また月1回開催の会合には概ね半分くらいのメンバーが集まっている。毎年8月にはフィールドデーコンテストに有志で移動運用に出かけているが、かつては社団局部門にエントリーして入賞を目指して戦っていたが。いまでは、それぞれが好きなバンドに個人コールで参加しているという。

中島さんは大学卒業後、父親が経営してした酒蔵(中島酒造所)に就職し、その後父親がリタイアすると経営を引き継ぎ、蔵元として「日出山」、「高尾山」等のブランドで日本酒の製造販売を行ってきた。酒蔵ではいろいろな機械を使っているが、時々それらが故障する。たとえば、ポンプとかバーナーとか酒を搾る機械とかである。元々機械いじりが好きだった中島さんはそれらをできるだけ自分でメンテナンスを行ってきたという。7年前の2012年にリタイアを決めて酒造免許を返納し、その後はアマチュア無線活動を楽しんでいる。


今も敷地内に残っている酒蔵(中島酒造場)

2018年中島さんは自宅敷地内にリモート運用のためのシャックを新設した。このシャック内には複数台の無線機とリニアアンプを設置し、同時に複数のクラブメンバーが外部からインターネット経由でアクセスして同時運用が行えるようにした。ひととおりの設備が整った後は、変更検査を受けて1kW免許を取得した。「配線が複雑なので、回り込みの対策には苦労し、そのためフェライトコアは大量に購入しました」と話す。


多数の無線機が収納されたリモートシャック


回り込み対策のために大量のフェライトコアを使用

リモート運用にはアイコムのRS-BA1を使用しているが、和文モールスに対応するため、独自のハードとソフトを使いRS-BA1の機能にはないCWの「パドル打ち」を可能にした。また通常はサーバーPC側で走らせるFT8用のソフトをクライアントPC側で走らせて運用することにも対応。そのほか、独自設計のソフトでリグの選択やアンテナの回転にも対応している。


独自設計のコントロールソフトも同時に使用

さすがに一人でこれらのシステム構築を全て対応するのは難しいため、リモートシステムの設計や免許申請はJA1QUT水島さんに、ハードとソフト面の設備構築などはJA1TGO加藤さんに協力をお願いして完成させたという。その後、クラブ員16名分の設備共用の変更申請を行ったが、1kWは6装置あり、1局あたりの変更申請書が155ページ(A4用紙155枚)にも及んだ。「そのため16局分を合計すると約2500ページになり、直接関東総合通信局に持ち込んで提出しました」と中島さんは話す。


16局分の変更申請書

2019年10月に免許もおりて、申請した全員が1kW出力でのリモート運用ができるようになった。また設備共用で免許を受けているため、オペレーター本人の3時間縛りの制約は受けず、遠方からのリモート運用も可能な状態になっている。しかし、「リモートでいろいろな操作をするには、相当の訓練が必要ですね」と笑って話す。


リニアアンプの一部。全てIC-PW1を使用。リモートによる電源制御にも対応させた。


使用していないリグはアンテナを切り離してダミーロードに接続される。

中島さんの今後の計画は、まずはHF用のタワーを2基追加し、現在クラブ仲間に開放しているリモートシャックとは切り離して、自局専用のリモートシステムを構築すること。それにより、クラブ仲間の使用状況に関わらず、自分がいつでも好きなときにリモート運用できる様にすることである。


中島さんの自宅シャックのリモートシステム。
ここから別棟のリモートシャックにアクセスして運用する。

次に、EME用に10m程度の低めのタワーを2基建て、それぞれに144MHzと430MHzの高利得アンテナを載せてEMEにトライすることである。すでに、両バンドのアンテナは購入してあり、今はそれらを載せるタワー待ちの状態となっている。


中島さんの現在(2019年10月)のアンテナ群

最後に中島さんは、「えみげんクラブでは、毎年ハムフェアにクラブブースを出展していますので、ご来場の際にはぜひお立ち寄り下さい」と話す。


中島さんの最新(2019年)QSLカード

今月のハム バックナンバー

2019年11月号トップへ戻る

次号は 12月16日(月) に公開予定

サイトのご利用について

©2019 月刊FBニュース編集部 All Rights Reserved. 発行元: 月刊FBニュース編集部