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総務省が「アマ無線の社会貢献活動と小中学生の体験機会拡大」の法改正案を作成

総務省は10月15日、アマチュア無線に係る制度整備(「アマチュア無線を社会貢献活動で活用できるようにする」「小中学生の運用体験機会を拡大する」の2つ)を行うため、電波法関係省令と告示等の改正案を作成した。11月17日まで、広く一般からの意見(パブリックコメント)を募集している。


総務省が10月15日に公表した「電波法施行規則の一部を改正する省令案等に係る意見募集 ~アマチュア無線の社会貢献活動での活用、小中学生のアマチュア無線の体験機会の拡大~」より

この改正案はアマチュア無線や社会貢献活動の社会環境の変化を背景に、JARLとJARDが10月5日に総務省へ共同提出した要望書(詳細はJARL Webに掲載)の内容を踏まえて作成されたもので、以下(1)と(2)の2つを骨子としている。


今回の改正案の概要について(総務省の公表資料より)

(1)アマチュア無線の社会貢献活動での活用

★趣旨:
我が国は、その自然的・地理的条件から各種の自然災害が発生しやすい特性を有している。これまでアマチュア無線は、被災地の通信確保等において「非常通信」として活動を行い、地域において重要な役割を果たしてきている。非常災害時など地域課題の解決には、地域との連携による「共助」が重要とされ、近年、ボランティア活動の位置づけや活動の範囲も広がっている。米国においては、アマチュア無線の社会貢献活動が活発に行われアマチュア無線の社会の認知度が高いと言われている。

また、非常災害時等の自主防災組織・消防団活動、野生鳥獣による農作物や人身被害などの広域化・深刻化に対処する鳥獣被害対策事業等、また、より多くの方の協力が必要となる遭難者捜索など、国等の施策においても、その目的を円滑かつ効率的・効果的に達成するためには、地域の自発的な協力(共助)が欠かせず、地域の活動にアマチュア無線による社会貢献活動が期待されている。このため、アマチュア無線の定義を明確化することにより、アマチュア無線の積極的な活用や地位向上を図り、地域社会に貢献する。

★内容:
非常災害時等のボランティア活動や、地域における活動において、アマチュア無線を身近なくらしの中で活用できるようにします。これにより、アマチュア無線のより一層の活用が期待されます。

●非常災害時の災害ボランティアでの活用(事前・直前準備、訓練含む)
・情報伝達・災害救助活動の支援
・自主防災活動
・避難情報の収集・避難者の誘導
・避難所運営・安否確認
・消防団活動の連絡補助
・支援物資の運搬
・避難所
・ボランティアセンターの運営
・ガレキの撤去
・倒壊家屋の片付け

●ボランティア活動での活用
・マラソン大会・体育大会
・祭り・地域行事
・地域の清掃活動
・地域の観光案内

●地域活動での活用
・消防団活動(防火パトロール、火災予防運動、遭難者捜索)
・有害鳥獣対策


改正後はアマチュア無線を社会貢献活動でも使えるようになる(総務省の公表資料より)

これらをアマチュア無線で行えるようにするため、電波法施行規則におけるアマチュア業務の定義を「金銭上の利益のためでなく、もっぱら個人的な無線技術の興味によって行う自己訓練、通信及び技術的研究その他総務大臣が別に告示する業務を行う無線通信業務をいう」と変更する案が公表された(太字が変更部分)。

さらに“総務大臣が別に告示する内容”として、次の2項目を告示する案が作成された。

1.特定非営利活動促進法(平成十年法律第七号)第二条第一項に定める特定非営利活動に該当する活動その他の社会貢献活動のために行う業務

2.国又は地方公共団体その他の公共団体が実施する事業に係る活動(これらに協力するものを含む)であって、地域における活動又は当該活動を支援するために行うものであり、かつ、金銭上の利益を目的とする活動以外の活動のために行う業務

この改正案が実現した場合、アマチュア無線は有資格者が一定条件下において災害ボランティア活動や地域ボランティア活動などの通信にも利用できるようになる見込みだ。


米国では災害支援やボランティア運用、地域イベントなどに、日常的にアマチュア無線が参加しているという(総務省の公表資料より)


最近の非常災害でアマチュア無線が活躍した事例を紹介(総務省の公表資料より)

(2)小中学生のアマチュア無線の体験機会の拡大

★趣旨:
電波有効利用成長戦略懇談会における提言等を踏まえ、本年4月無資格者がアマチュア無線を体験できるアマチュア無線体験局を制度化したところ、さらにワイヤレスIoT人材の裾野を広げていくため、親と子、祖父母と孫といった家庭等及び学校(教職員と児童・生徒)において無資格の小中学生が身近なくらしの中で電波の利活用の可能性や楽しさを体験できるようにし、ワイヤレスIoT人材の育成に資する。

★内容:
無資格者の小中学生が、親や祖父母、学校の教職員などといったアマチュア無線有資格者の指揮・立会いの下で、その有資格者が開設するアマチュア無線を操作できるようにし、身近なくらしの中でアマチュア無線を体験できるようにします。このことにより、電波の利活用の可能性や楽しさを身近なくらしの中で体験できる機会を増やし、ワイヤレスIoT人材の裾野を広げていきます。

●家庭内における「親子」または「祖父母と孫」との運用
・有資格者である保護者(三親等内)の指揮・立ち会いの下、無資格者の小中学生が運用体験可能
・有資格者が開設するアマチュア無線局を使用
・有資格者の資格の操作範囲内(モールス通信を除く)
・屋内、屋外の運用が可能
・連絡設定と終了に関する通信操作は立ち会う無線従事者が行う

●学校における運用
・学校の教職員である有資格者が指揮・立ち会いの下、その者が開設するアマチュア局を、当該校に在学する無資格者の児童生徒が運用体験可能
・学校の教職員である有資格者の指揮・立ち会いの下、その者が構成員となっている学校クラブ局を、無資格者である当該校の児童生徒が運用体験可能
・有資格者の資格の操作範囲内(モールス通信を除く)
・屋内、屋外の運用が可能
・連絡設定と終了に関する通信操作は立ち会う無線従事者が行う


改正後は無資格者の小中学生がアマチュア無線をより体験しやすくなる(総務省の公表資料より)

この改正案が実現した場合、無資格者の小中学生は三親等内の家族が開設するアマチュア局や、在学している学校のクラブ局、その学校の教職員が開設するアマチュア局などから交信体験ができるようになる。

総務省は上記(1)(2)を実施するのに必要となる電波法関係省令と告示等の改正案をまとめ、ホームページで公表した。いずれも、これまでのアマチュア無線の枠組みを超えたもので注目されている。

この改正案に対するパブリックコメントは誰でも提出できる。募集期間は2020年10月16日から11月17日まで。提出された意見は後日総務省が取りまとめ、同省の考え方とともに公表される。改正案の詳細や意見提出の方法は総務省のホームページに掲載されている。

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次号は 12月15日(火) に公開予定

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