2016年9月号
連載記事
★現部長 JR2UPZ 本多祐士さん(3年生)
現部長の本多さんは、ロボット理工学科の3年生。工業高校3年生のときにアマチュア無線技士の免許を取りました。きっかけは高校の無線部を訪問したら、モールス符号がピーピーと鳴っていて、「これが解読できたら楽しいだろうな」と思ったことだったそうです。
「クラブミュージックやシンセサイザーも大好きで、高校時代から“波形”をいじったり、ライブで使うイヤモニ(モニター用のワイヤレスイヤホン)も無線を使っていることから、無線の関心は昔からあったと思います」と教えてくださいました。
★元部長 JR2SWR 荒木諒介さん(4年生)
前の部長の荒木さんは情報工学科の4年生で、来年からは大学院に進む予定です。アマチュア無線を知ったのは大学受験に備えて物理の勉強をしていたときです。インターネットで「アマチュア無線」という単語を偶然見かけ、なんか面白そうな響きだったから、調べたら、物理で勉強していた内容と同じことが出題されていて驚いたのだそうです。
中部大学入学後、無線部があるのに気が付いて「入るしかない!」と思って入部。その翌週にはさっそくALL JAコンテストに連れて行かれたとか! でも3アマに合格したのは翌年になってからだったそうです。
サフィックスが「SWR」なんて素敵なコールサイン! 荒木さんも無線局免許状を受け取ったときにビックリしたそうです。交信相手からは「FBなコールサインですね」「一度聞いたら忘れません」と言われることもあるそうです。
無線以外ではクルマが大好きで、マニュアル車をカスタマイズして乗っているそうですよ。でも、「両手が運転でふさがってしまうので、モービル運用ができません。車内では無線を聞くだけです」と笑って説明してくださいました。
★JR2UWZ 大参(おおみ)未幸さん(4年生)
4人いらっしゃる女子部員の1人で、環境生物科学科の4年生です。お祖父様が戦時中に陸軍の通信士で、部屋に木製の縦ぶれ電鍵が置いてあったり、幼い頃からモールス通信の話を聞いて育ったそうです。中学時代には本屋さんで「周波数帳」の立ち読みをして、周波数を覚えるのが楽しくて仕方なかったとか(笑)。
「遠くのラジオが聞きたい」と思って、2年生のときに無線部へ入部。その時はまだアマチュア無線技士の資格は持っていませんでしたが、ハムフェア会場の臨時試験で3アマに合格してからは無線が楽しくなり、周囲の勧めもあって一気に1アマを目指して見事に合格したそうです。凄い!!
「問題集を見たら2アマも1アマもそれほど変わりなかったので、出力が大きい方がよかったので1アマを狙いました。工学部の人は電気や無線の基礎的な知識があるけれど、私は最初“同軸って何?”“抵抗って何?”と、先輩たちに聞いて回ったほど。でも頑張って勉強しましたよ」
大参さんの快進撃はそれで止まらず、なんと2陸技(第二級無線技術士)の資格も取ってしまったとか! しかも、これまでの4年間は環境生物科学科で「花卉園芸学」を勉強していましたが、来年からは大学院で「無線工学」を学ぶことになったそうです。
「無線部に入っていなかったら、大学院で無線工学に進むことはなかっただろうと思います」と、目をキラキラさせながら教えてくださいました。
部員の皆さんも口を揃えて、「彼女は本当に努力家で猛勉強をしてました。尊敬します!」と、おっしゃってましたよ!
★馬場翔大(しょうた)さん(1年生)
電子情報工学科の1年生で、アマチュア無線の資格取得の勉強中です。高校時代は写真部で、写真を撮りに立ち寄った愛知県一宮市のお祭りでローカルラジオ局の取材を受け、“ラジオって面白いな”って思ったのが、無線に興味を持つきっかけだったそうです。
中部大学に入学し、部活動の説明会で見たPRビデオに出てきた、フィールドデーコンテストのシーンが面白そうだったので入部を決めたそうです。そして今年の8月に初めて実際のフィールドデーコンテストに参加。「いろいろと1から覚えるのは大変で、あと夏なのに山頂は意外と寒くて移動運用の厳しさを知りました」と感想を教えてくださいました。
3アマの国家試験は、「ハムフェア2016」で行われる臨時試験で受験すると聞きました。無事に受かったかな!?
さて、最後に無線部の部室に案内していただきました。部室は校舎と校舎の間、レンガ敷の細い坂道を登った、目立たない場所にありました。
ひっそりと建っている無線部の部室です
「本当にここは目立たない場所で、“無線部に入部したいけれど、部室の場所が全然わからない”という学生もいるほどです。しかも周囲の校舎は文系の学部で使っている建物ばかりで、理系の人にはまったく縁がないエリアなんですよ」(荒木さん)
部室の外壁には「無線部員募集」のポスターが貼ってありました
そんな部室はプレハブ作り。周囲には移動運用の必需品、発電機や台車もたくさん置かれ、部員募集のポスターも貼られています。
これから部室に入ります。青いビニールシートがかかっているのは移動運用で使う発電機です
ドアを開けると…凄い!! ソファーや家具、冷蔵庫、毛布といった、居心地の良さそうなものが備え付けられています。部室と言うよりも、誰かのお部屋にお邪魔したような感じ!? メチャ癒される空間やわ~。
部室の内部は癒やしの空間♪
ソファーに毛布、冷蔵庫に雑誌…みんなが思い思いの物を持ち込んでいます
よく見ると、入口の近くには「50」「3.5」「21」とか書かれたプラスチックのコンテナボックスが置かれています。あれは何なの??
コンテナボックスを発見! テープで周波数が書かれています
「あれは、コンテストなどの移動運用に必要な物を運ぶためのコンテナで、周波数別に用意してあります。ここに、その周波数の運用に必要なケーブルや周辺機器を準備していきます。周波数ごとに持ち物を分けることで、忘れ物対策をしています。また、コンテナの中身を準備した人を中心に、その周波数を最初に運用する権利が与えられ、運用してもらうことになっています」(本多さん)
コンテストの第一声をその周波数で出せる権利と引き替えなんて、上手な方法ですね~。私だったら、準備するのは430MHz帯かしら、それとものんびりできる1200MHz帯かも…!?
家具の上には過去のコンテストで受け取った賞状や盾が飾ってありました
学園祭の模擬店用に作った無線機の被り物。D-STARのトランシーバーをモデルにしてあるそうです♪
個性豊かな皆さんに、楽しいお話を聞かせていただき、あっという間に時間が過ぎていきました。高校の無線クラブとは一味違う“自分たちで運営している”というところや、新入部員の獲得に工夫している姿に大学生らしさを感じたなぁ!
中部大学無線部の皆さん、夏休み真っ只中、ありがとうございました。コンテストも頑張ってくださいね~!!!
それにしても、こんなに広いキャンパスで学べるって憧れちゃうわ♪ ふと昔、放送していたドラマ「あすなろ白書」を思い出して、いろんな恋や友情の青春があるんだろうなぁ~と。戻りたくても戻れないあの頃の甘酸っぱい思い出を重ねて、ちょっと大学生に戻った気分で正門を後にしました♪
(JH1CBX Masaco)
Masacoの「むせんのせかい」~アイボールの旅~ バックナンバー
- 第11回 徳山工業高等専門学校 アマチュア無線同好会の皆さん
- 第10回 国立極地研究所と第58次日本南極地域観測隊の皆さん
- 第9回 名古屋工業高等学校 アマチュア無線同好会の皆さん
- 第8回 中部大学 無線部の皆さん
- 第7回 秋田県立能代高等学校 無線部の皆さん
- 第6回 「UECコミュニケーションミュージアム」を訪問!!
- 第5回 神奈川県立横須賀工業高等学校 電子研究部の皆さん
- 第4回 静岡県立掛川工業高等学校 電気・アマチュア無線部の皆さん
- 第3回 茗溪学園中学校高等学校 科学部無線工学班の皆さん
- 第2回 茨城県立八千代高等学校 工業クラブの皆さん
- 第1回 奈良育英中学校・高等学校 情報技術部(JA3YTF)の皆さん