広げよう“IOTA”の輪 ~ONE PIECE of IOTA~
はじめまして、JP3AYQ眞田と申します。ハンドルネームはMamiです。今回ご縁あって月刊FBニュースにIOTA関連の記事を掲載させて頂ける事となりました。少しでも多くの方に、IOTAの魅力や楽しみ方を知って頂けるように、リレー方式による連載で、IOTAチェイシングのノウハウから、体験談や移動レポートなどで繋げて行きたいと思います。
このシリーズで、一年間キー局を務めさせて頂きます、私JP3AYQについて少々自己紹介させて頂きます。私はまだハムになって6年あまりのビギナーハムです。私もこれから毎月ご登場頂きます各局さまと同様に、IOTAの大ファンであります。何故IOTAなの?と思われると思いますが、その理由は、私のもう一つの趣味であります「スキューバダイビング」で南の島々へ行くのが大好きで、ふとダイビングの雑誌を見ましたら、無線の世界ではとても珍しいとされる島の名前がゴロゴロと出てきました。中米コスタリカのココス島やコロンビアのマルペロ島近辺を潜るダイビングクルーズの旅やガラパゴス諸島にアンダマン海ツアーなど。ダイビングの世界では普通にツアーの出ている島がIOTAだと珍だったりするのには驚きでしたし、ダイビングとIOTAにこんなに接点があったとは、びっくりでした。IOTAの場合は島移動の局と交信しても1クレジットとなりますが、自分が移動して電波を出しても1クレジット加算されます。IOTAで現在認定されています島は1100以上ありますが、とても全部の島に行くのは無理です。しかし、自分の電波でなら世界の島めぐりができるのでは?と、IOTAの世界に魅了されてしまいました。それ以降は、IOTAチェイシングや、IOTA移動をして楽しませて頂いています。毎日どこかの島からの運用を心待ちにして、ひよっこハム生活満喫中です。

筆者がスキューバダイビングを兼ねてIOTA移動運用をした時の写真
さて、初回はIOTA Check Point JAを担当されていますJA9IFF中嶋さんより、IOTAアワードを始めるにあたって、IOTAの紹介と申請方法をご説明して頂きます。ぜひあなたも電波で世界の島めぐりにトライしてみませんか?
(注: 本記事執筆以降2025年10月までに変更された重要点を赤文字で明記しています)

IOTA チェックポイント
JA9IFF 中嶋 康久
IOTAとは何ですか?
最近、DXの信号を聞いていると普通のエンティティにもかかわらずパイルアップになっている事がありませんか? これはIOTA(アイオータ)と呼んでいる全世界の外洋の島からの運用を対象としたアワードのクレジットをサービスするペディショナーとそれを呼ぶチェイサーの信号です。 IOTAとはIslands On The Air の略で、英国RSGBが協賛し、IOTA Ltd. という非営利団体が発行しています。
DXCCと、どこが違うのですか?
DXCCでは国を基本とした異なるエンティティと100以上交信する事でアワードが申請出来ます。 IOTAでは7大陸(通常の6大陸+南極)の最低1島を含む異なる100島以上交信する事でアワードが申請出来ます。 DXCCは基本となるアワード以降はスティッカーですが、IOTAでは100単位で1100までアワードが発行されます。 DXCCのエンティティは現在339ありますが、IOTAではリストアップされている島の数は約1200にものぼります。 DXCCで日本は小笠原、南鳥島を含め3エンティティですが、IOTAでは総数26ものクレジットが設定されています。 みなさんがお住まいのところの近くにある島なども別のクレジットになる場合もあり、IOTAでは総数26ものクレジットが設定されています。 みなさんがお住まいのところの近くにある島なども別のクレジットになる場合もあり、ハンティングとは別にサービスする立場にも簡単になれます。 IOTAでは、DXCCのオナーロールに相当するものとして、現時点(2025年10月)で運用のあった島の総数1139の半分の569以上(小数点以下切り下げ)と交信する事でオナーロールにリストアップされます。
どうやって、クレジットを集められますか?
IOTAでは7大陸から最低1島のカードが必要ですから、まずこれをクリアしましょう。 日本からは南極、南米、アフリカ大陸が困難かも知れません。 南極は、8J1RLがQRVしていますので、狙い目です。 南米は、HC8 ガラパゴス諸島がコンテストでよく QRV しています。 アフリカはインド洋の島 3B8/5R/S7/VQ9 等を狙いましょう。 あとはアジアやオセアニアの島を沢山QSOをすれば条件を満たします。
どうやって、申請出来るのですか?
以下に申請までの手順を説明します。 一年で何回でも申請出来、回数制限はありません。
1. 「IOTAディレクトリ」の入手
「IOTAディレクトリ」がいわばIOTAの事が何でも書いてある「虎の巻」で、RSGB(*1)から刊行されています。 現在でも印刷物として発行されており、直接購入(クレジット決済も可)が可能ですが、英語版のみとなっています。 これに代わり、日本語版の「IOTAディレクトリ」が、IOTA CP JAのホームページ(*2)から無料でダウンロード可能です。
2. IOTA対象のカードの準備
今までのQSLカードからIOTAの島としてカウント出来るカードを「IOTAディレクトリ」のリストに準じて探し出して下さい。 QSLカードには、運用した島の名前が記載されていることが2001年以降のQSOでは必須ですので、注意してカードを探しましょう。 新規申請の場合は、カード審査によりカウント出来ない可能性があるので、110枚程度をメドにします。 ただし、枚数の上限はありませんので、何枚準備されても結構です。 又、“Club Log” と“LoTW”とのログ照合の機能が追加され、ログ照合により一致した IOTA からの運用が電子的にクレジットされる様になりました。 この照合により、QSLカードを IOTA CP JA に送付する必要はなくなりました。 この照合のみを使って、IOTA-100アワードを取得された方もいらっしゃいます。 又、毎年7月最終の週末に開催される IOTA コンテストでの QSO もカード取得と提出の必要がありませんので、“Club Log” または“LoTW”照合と IOTA コンテストの QSO を活用しましょう。
3. 申請
申請には、IOTAウェブページにユーザー登録して下さい。 その手順は、「IOTAウェブマニュアル」(*3)を参照下さい。 ユーザー登録後は、コンファームしたQSLのデータを「IOTAウェブマニュアル」に従って入力します。 入力の方法は、
の4通りがあります。
申請料はPayPalによりIOTA Ltd.へ直接支払い、カード提出がある場合はカードをSASEで提出して下さい。
4. アワード
最終審査の後、PDF形式のIOTAアワードが IOTA ウェブサイトからダウンロードが可能となります。 又、追加料金を支払う事で、紙アワードの取得も可能です。 さらに、クレジットを追加する事で、100島毎のアワードや7大陸・3地域毎のアワードの取得も可能です。

IOTA100アワード
5. IOTA-750 楯と IOTA-1000 トロフィー
クレジット数が750を超えた時にIOTA-750楯が、1000を超えた時にIOTA-1000トロフィーが申請出来ます。

(左)IOTA-750楯 (右)IOTA-1000トロフィー
IOTAに関する情報は、どこから得られますか?
インターネットで日本語のホームページを開設し、情報提供を行っています。アドレスは以下の通りです。
https://www.iota-world.org/ja/ (*1)
https://jim0836.wixsite.com/iota (*2)
https://jim0836.wixsite.com/iota/manual (*3)
以上、今月はIOTA CP JAの中嶋さんにIOTAの入門編をレポート頂きました。来月は、IOTAチェイシングの楽しさやおもしろさの紹介をさせて頂く予定です。どうぞお楽しみに!続いて再びJP3AYQからです。
副題につけました「ONE PIECE of IOTA」ですが、ひと繋がりのIOTAというニュアンスで、繋がって行くIOTAの輪をイメージしてみました。今流行りの、海賊まんが「ONE PIECE」もかけています。海賊と言えばカリブの海賊=カリブ海の島々はレアIOTAの宝庫です。そして、私がYL局でありますので、女性が着るワンピースも掛けてみました。いかがでしょうか?
リレー方式でIOTAチェイサー、IOTAペディショナーのお話を繋げたいと思います。お知り合いでボランティア記事を書いて頂ける方をご紹介頂けると大変助かります。自薦、他薦問いません。QRP・SWL・アパマン・ビックガン、ご近所の島へお手軽移動から、本格的海外島移動など。そして今後、IOTAをやってみたいな~と思われている方からのご質問などもお待ちしています。色々な方面からIOTAを通じて繋がっていける事を目標にして、このコーナーで皆さまの記事をぜひご紹介したいので、jp3ayq@jarl.comまでお気軽にメールを下さい。よろしくお願いします。
IOTAを楽しむ為に、参考になるおすすめHPやブログのご紹介
https://www.iota-world.org/ja (IOTAのHP まずはここから入門)
http://dx-world.net/ (世界のIOTAやDXCC移動情報をいち早くお知らせするHP)
http://jn6rzm.cocolog-nifty.com/ (日々のIOTA情報をお届けするJN6RZM山本さんのブログです)
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