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ニュース速報

SEANETコンベンション2017参加記

JA3AER 荒川泰蔵

第45回SEANETコンベンションは、2017年11月16日から4日間、カンボジアのシエムリアップ(Siem Reap)にあるホテルSokhalay Angkor Resort & Spaで開かれた。カンボジアでは初めての開催であるが、この国でホストを務めるアマチュア無線家がいなく、VU2KKZ, Rajaさん達がホテルに協力を求め、インドからリモートコントロールで準備したものである。今回の参加者約100名は19ケ国からで、日本からは16名(JA1BRKとお嬢さん, JF1TEU & JO1LVFご夫妻, JH1AYBご夫妻, JH1EPIご夫妻, 7K3EOP, JA3QUU, JA3KVTご夫妻, JE3BEQ, JK3IYB, JA0FSB, JA3AER)と、マレーシアに次いで多く、フィリピンから参加のDU1YV (JA2KLT)丸山さん、インドから参加のVU3OTK (JM1NCA)太田さん、マレーシアから参加の9M2/JE1SCJ吉田さんを加えると、日本人は19名であった(写真1)。 (紹介する写真は、参加者から提供頂いたものも含んでいる)


写真1. ホテルの玄関先での集合写真、3日目の18日、アンコール・ワットへの出発前に撮影。

初日16日(木)、筆者は前日の夜、JK3IYB西さん、JA3KVT銭谷さんご夫妻、JE3BEQ宮本さん達と共に、関西国際空港から夜行便で早朝バンコクに到着、東京からのJA1BRK米村さんとお嬢さん、7K3EOP戸倉さん達と合流してシエムリアップに向かった。空港で出迎えてくれた小型バスで約20分、到着したホテルは国道6号線に面した高級ホテルであった(写真2)


写真2. (左)空港でホテルの出迎えを受ける。左からJA1BRK米村さん、ホテルの従業員、米村さんのお嬢さん、JE3BEQ宮本さん、7K3EOP戸倉さん。(右)会場となるホテルSokhalay Angkor Resort & Spaの国道6号線に面した正面には、SEANETコンベンションの歓迎横断幕が掲げられていた。

ホテルは高層ビルが2棟、その奥にプールとオープン・エアー・レストランがあり、その周りをバンガロー風木造2階建て4客室の建物が取り囲んでいた。チェックインカウンターのあるビルの通用口にも歓迎横断幕が架けられていて、ボーイが荷物を中に運び入れてくれた。ロビーでは先に到着した参加達が歓談していた(写真3)


写真3. (左)歓迎の横断幕が架けられたホテルの通用口。(右)チェックインカウンターのある待合ロビーで、皆が前後2列に並んで写真を撮ろうとした時、VR2HF, Danielさんがチェアーを持って来て前に割り込んだため、HS1ASC, Thidaさんが彼に指鉄砲を向けている。彼女から右へJA3KVT-XYL銭谷さん、7K3EOP戸倉さん、JA1BRK-2nd米村さん、後列左から、JK3IYB西さん、JA3AER筆者、9M2YRS, Rasidさん、JA3KVT銭谷さん、JA0FSB野田さん、9M2RS, Rashidさん、I2NDT, Claudioさん。

受付は午後からで、ホテルの部屋の準備も出来ていなかったので、JA3KVT銭谷さん夫妻とバイクが引っ張るトクトクで、街の見物を兼ねてシエムリアップ郵便局へ出かけた。その郵便局はオールドマーケットに近い、シエムリアップ川に沿った所にあった。建物の背後にはマイクロウエーブアンテナの鉄塔が2基そびえており、表の標識には「POST AND TELECOMMUNICATIONS SIEM REAP PROVINCE」とあったので、アマチュア無線の免許証を持ってくれば良かったと思った (写真4)


写真4. (左)「POST AND TELECOMMUNICATIONS SIEM REAP PROVINCE」の立派な標識。(右)背後に鉄塔が見える郵便局の建物。

郵便局の建物の中は広く、正面のカウンターに記念切手をセットにして並べて売っていた。アンコール・ワットなどの遺跡を図案にした切手を買い求め、日本から準備してきた封筒に貼って消印を押してもらった。これでSEANETコンベンションの記念カバーが出来上がり、郵趣家などに配って喜ばれた(写真5)


写真5. (左) SEANETコンベンションの記念カバー。(右) ロビーにある大きい机で、封筒に切手を貼って記念カバーを作る筆者。

ホテルに戻り、グリーン・レストランと呼ばれるオープン・エアー・レストランで昼食を済ませた後、受付で参加費を支払い、お揃いの帽子やTシャツ、それにプログラムや参加者の情報が満載の小冊子(Convention Directory)を受け取った。この部屋には、筆者が事前に送っておいた過去18年間のコンベンションの写真がA3サイズでプリントして展示されていた(写真6)


写真6. (左)主催者のVU2KKZ, RajaさんとVU2ETS, Saravさんが訪れる参加者を次々受け付けていた。(右)部屋の壁には1999年のブルネイから、2016年のパタヤ(タイ)まで、18年間のコンベンションの写真が展示されていた。

午後6時から始まった開会式は、主催者VU2KKZ, Rajaさんの歓迎挨拶で始まり、今回のコンベンションに協力してくれたホテルのシニアー・セールス・マネジャー Theavy Seekさんへ感謝状を贈った後、自己紹介で参加者が各自前に出て一言話す機会が与えられた(写真7)


写真7. (左) 参加者を代表して9M2KN, Kenさんと筆者が、ホテルのマネジャー Theavy Seekさんに感謝状を贈った。(右)自己紹介で中国の参加者7人が前に出て挨拶をした。中国語しか話せない人の挨拶はBD4AAQ, Michaelさん(左端)が英語に通訳してくれた。

2日目17日(金)、午前中のプレゼンテーションはHS1ASC, Thidaさんの「ワールド・スカウト・ジャンボリーに於けるアマチュア無線活動」、G3XTT, Donさんの「ZL7Gチャタム島DXペディション」、それに、G3WUW, Allanさんの「軍事及び行政における無線通信」の3件の予定であったが、VR2HF, Danさんの小型受信機の紹介、T32AZ, KenさんのSEANETコンテストの活性化、BD4AAQ, Michaelさん達の中国製通信機の紹介などの飛び入りもあった(写真8)


写真8. (左)「ワールド・スカウト・ジャンボリーに於けるアマチュア無線活動」のプレゼンテーションをするHS1ASC, Thidaさんと、(右)「ZL7Gチャタム島DXペディション」のプレゼンテーションをするG3XTT, Donさん。

午後はSEANETのサインを付けた数十台のトクトクに2人ずつ分乗して、オールドマーケットへショッピングに繰り出した。上手な日本語を使う売り手との値段の駆け引きを楽しみながらのショッピングであった(写真9)


写真9. (左)バイクが引っ張るトクトクに乗る筆者と7K3EOP戸倉さん。(右)日本語、タイ語、マラヤ語などが上手なカンボジアの売子さんはたくましい。左から9W2CCW-XYL, Wasanaさん、HS1ASC, Thidaさん、売子さん、DU1YV/JA2KLT丸山さん、7K3EOP戸倉さん。

そして夜はプールサイドでのガラパーティであった。イルミネーションで飾られたプールサイドは別世界に変貌し、カンボジアの伝統ダンスのショーで歓迎してくれた(写真10)


写真10. (左)ガラパーティで挨拶するVU2KKZ, Rajaさん。(右)歓迎のカンボジアの伝統ダンスの鑑賞。

夕食はお預けで、伝統ダンスを鑑賞したあと、希望者はステージに上がって、ダンサーと一緒に記念写真を撮る機会を与えてくれた(写真11)


写真11. (左)食事はお預けで、伝統ダンスを鑑賞する参加者。左から右回りに、JE3BEQ宮本さん、HS1XIM, Ponwatさん、HL1SRJ, Kwonさん、HL1OYF, Kimさん、9M2KN, Kenさん、JA3AER筆者、VU2MTK, Kesariさん一家3人。(右)ステージに上がりダンサーと記念写真に納まったJA3KVT銭谷さんご夫妻とJA3AER筆者。

3日目18日(土)、ホテルの前で集合写真を撮影後(写真1)、6台の小型バスに分乗してアンコール・ワットの見学に出かけた。5号車には日本語のガイド、6号車には中国語のガイドを付けてくれたので、日本人19人は全員5号車に乗った。お天気がよく暑い日で汗びっしょりになった。昼食のためホテルに戻り、着替えをして午後はアンコール・トムを見学したが、また汗だくになった(写真12~14)


写真12. (左)アンコール・ワットを背景に、5号車に乗った日本人19人の集合写真。前列左から、7K3EOP, JA3QUU, JF1TEU, JO1LVF、中列左から、9M2/JE1SCJ, JH1EPI, JA3KVT-XYL, JK3IYB, JA3KVT, DU1YV/JA2KLT, JH1AYB-XYL, JH1AYB、後列左から、JE3BEQ, VU2OTK/JM1NCA, JA0FSB, JH1EPI-XYL, JA1BRK-2nd, JA1BRK, JA3AER。 (右)日本語での説明を受ける日本人参加者。


写真13. (左)アンコール・ワットの壁画の見学。(右) アンコール・ワットの修復事業に日本が協力している旨の掲示板があった。


写真14. (左)アンコール・ワットが池に写って見える写真スポットで、記念に撮ってもらった筆者。(右)午後に出かけたアンコール・トムの一角で、VU3OTK/JM1NCA太田さんと筆者、樹木の根が石垣の建物を壊すそうだ。

夜は恒例の国別パフォーマンスであった。アルファベット順という事で、中盤に主催国インド、次期開催国インドネシアと続き、イタリアを挟んで、日本に順番が回って来た。日本はJE3BQE宮本さんのバイオリン演奏の後、全員がステージに上がって「故郷」と「赤とんぼ」を合唱した(写真15~16)


写真15. (左)主催国インドのパフォーマンスは、VU3OTK太田さんも参加してインドの歌を披露した。(右)次期開催国インドネシアのパフォーマンスは、インドネシアの歌の合唱であったが、日本人にも親しみやすいメロディであった。


写真16. (左)日本のパフォーマンスは、日本人全員がステージに上がり、JE3BEQ宮本さんの指揮で全員が日本の歌を合唱した。(右)パフォーマンスの後、主催者からチームに送られた参加を祝福する盾。

最終日19日(日)、朝食のあと会議室で開かれた総会は、6月に行われたSEANETコンテストの入賞者の発表と表彰式から始まった。日本人では9M2/JE1SCJ吉田さんがCWシングルオペの部門で、第1位に入賞し表彰を受けた(写真17)


写真17. (左)SEANETコンテストで入賞し、9M2KN, Kenさんから表彰状を受け取る9M2/JE1SCJ吉田さん。(右)吉田さんに贈られたCWシングルオペ部門第1位の表彰状。

続いて、SEANETコンベンションへの参加、特に若い人たちの参加を増やすにはどうすれば良いかをテーマに、活発な意見の交換が行われた。そして2019年度のSEANETコンベンションは9M2KN, Kenの提案で、シンガポールからペナンを往復するクルーズ船での開催を検討することになった。最後に主催者の1人VU2ETS, Saravさんの閉会の挨拶でコンベンションは無事終了した(写真18)


写真18. (左)9M2KN, Kenさんが司会をする討議風景。(中)意見を述べるK4SFP, Allanさん。(右)閉会の挨拶をするVU2ETS, Saravさん。

昼食を済ませ、空港に向かうまでの待ち時間に、DF5UG, Hansさんが個人的に免許を得て、ホテルの一室で運用するXU7AKI局を見学させて頂いた(写真19)。今回のコンベンションでは参加者が運用出来る特別局の免許が得られなかったのは残念であった。


写真19. (左)XU7AKIのアンテナ設置を手伝うHB9DKZ, Hansさんと、DU1YV/JA2KLT丸山さん。(右) XU7AKIを運用するDF5UG, Hansさんと、左から、DU1YV/JA2KLT丸山さん、HB9DKZ, Hansさん、HS1XIM, Ponwatさん。

次回2018年度の第46回SEANETコンベンションは、10月18日から4日間、インドネシアのジョグジャカルタ(Yogyakarta)のRoyal Ambarrukmo Hotelで開催の予定です。期間中はYB46SEAが運用を予定しています。詳細は「SEANET 2018」で検索できるホームページをご覧ください。URLはhttp://seanet2018.orari.or.id/ で、既に予約の受付も始まっています(写真20)


写真20. (左)会場に設置されたSEANET 2018のポスターを囲んで、YB1GJS, Sutamaさんと筆者。(中)配布された案内パンフレット。(右)SEANET2018のホームページの一部。

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次号は 12月 1日(木) に公開予定

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