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Japan Castles On The Air (JACOTA)

Castle 9 洲本城(兵庫県洲本市)

JO3SLK Greg Cook (翻訳 JP3DOI 正木潤一)

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今回は、淡路島にある洲本城に出かけました。洲本城は小さなお城で淡路島の東側にあり、私の家から2時間ほどの場所です。午前6時半に家を出ました。新名神高速、山陽自動車道、神戸淡路鳴門自動車道を走り、途中、なが~い明石海峡大橋を渡ってさらに洲本市へと向けて走り、8時半に洲本城に着きました。私が訪れたときには他に人はほとんどおらず、のんびりとお城へつづく道を歩くことができました。お城はむしろ小さく、1928年に復元された天守だけがたたずんでいます。

洲本城の歴史

お城は1526年にこの地に安宅治興(あたぎ はるおき)によって築かれました。ここ淡路の地を豊臣秀吉が治めたときには、仙石秀久(せんごく ひでひさ)が城主に命ぜられました。1585年には、高取城の城主であった脇坂安治(わきさか やすはる)がこの洲本城城主に命ぜられます。安治は、この地を統治した24年の間にこの城の大部分を改修しました。1615年には淡路の地が徳島藩の支配下になり、蜂須賀至鎮(はちすか よししげ)が新たな城主となります。1631年に洲本城は至鎮の家臣、稲田示植(いなだ しげたね)に委ねられました。そして、稲田氏による統治は明治維新まで続きました。(『Jcastle』より引用)

洲本城の城構え

洲本城は小さなお城で、城内に現存するのは復元された天守だけです。石垣はそれほど高くなく、生(む)している苔の様子から古く見えます。城内の敷地はよく整備されており、淡路島と瀬戸内海の壮大な眺めを臨める場所がいくつかあります。車を停めた小さな駐車場から、門をくぐって城内の庭や石垣を周ってお城に着くまでわずか3~4分でした。


石垣を構成している石は私がこれまで見てきたものより小ぶりですが、それ自体はしっかりと頑丈に組まれていて本丸の敷地をぐるりと囲んでいます。


洲本城天守


天守から見える眺め

復元された天守の基礎はコンクリートで出来ており、エッフェル塔のような形になっています。洲本市は写真の右の方向にあります。


天守は若干右側に傾いているように見えます。そのためかどうか分かりませんが、中は立ち入り禁止になっています。倒壊の恐れがあるのかもしれません。


洲本市の眺め

正面に見える山の向こう側方向に神戸市があり、右側方向が大阪と和歌山です。

運用場所と準備

本丸のある敷地のすぐ下に1台分の小さな駐車スペースがあります。その場所から神戸、大阪、和歌山方面の眺望はバツグンです。

UHFのモービルホイップを車に取り付け、IC-705をダッシュボードに置き、430のD-STARレピーター経由で数局と交信しました。それから430のFM、SSBというようにモードを変えながらさらに数局と交信しました。そのあと、2mのセンターローディングアンテナに付け替え、2mのSSBで数局と交信しました。2mのSSBは常に賑わっており、一日中強力な電波が出ていました。


筆者のモービルシャック(スズキ ラパン) 2mのモービルホイップを取り付けたところ

この日、ダイヤモンドアンテナ製のHFホイップを何本かと、友人に貰った2m用のセンターローディングアンテナ(SSBでのQSOに使ったもの)を持ってきていました。それに、マグネット基台と、それに使うマグネットアース2枚も持ってきていました。


   左: IC-705で2m SSBを運用中   右: 洲本城でJACOTAを行った達成感に浸る筆者

いつもの三脚とアンテナキット(Buddipoleアンテナ)を使って屋外にシャックを設営してもよかったのですが、天気もよくなり少し暖かくなってきたこともあり、それに車内が心地よかったことで、エアコンを適宜調節しながら快適に運用を楽しみました。また、お城を訪れてきた人はお城を見たり風景を眺めたりして過ごしますから、マスクをしたうえでそういう人たちと距離を取って気を付けながら運用するよりも、車内での運用が簡単で都合が良かったこともあります。

こうして、VHFとUHF、そしてFMとSSBを楽しみ、このお城から多くの局とQSOすることが出来ました。HFバンドの中でも特に40mバンドで近隣の局と交信しようとしても、電波はスキップして運用地の3エリアから飛び出してしまいます。私はこれまで全国的にそれほど知られていないお城を訪れました。その訪れた地域でV/UHFバンドで運用すると、そのお城を知っていたり訪れたりしたことがある地元の方と交信できることがあり、それはそれで一つの楽しみですが、これからはHFバンドでもJACOTA運用を行っていく予定です。お楽しみに!

次回は

関西地方のコロナ感染者数の減少を受け、お城に出かけて運用しやすくなり、人出が多い週末でも感染リスクは下がったと思います。

次回のJACOTAは2つのお城の候補があります。1つは奈良県にある大和郡山城で、もう1つは大阪にある岸和田城です。大和郡山城は常時解放されているので、朝早くに出て1時間強かけて行き、お城の傍の駐車場の駐車スペースを確保するつもりです。広い敷地のお城で、写真も沢山撮れそうです。(写真は『Jcastle』より引用)


左:大和郡山城


右:岸和田城


どちらのお城でも楽しく運用できそうです。次回の記事で皆さんをお城にお誘いするのを楽しみにしています。それではお元気で!

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次号は 12月 1日(木) に公開予定

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