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2023年2月1日掲載
無線従事者国家試験の指定試験機関である公益財団法人 日本無線協会が、令和5年度(2023年度)4月期に行う「第一級アマチュア無線技士(1アマ)」および「第二級アマチュア無線技士(2アマ)」の国家試験日程を発表した。
日本無線協会の発表によると、令和5年度4月期の1アマ国家試験は4月8日(土)、2アマ国家試験は4月9日(日)で、全国11か所(東京都、札幌市、仙台市、長野市、金沢市、名古屋市、大阪市、広島市、松山市、熊本市、那覇市)の試験会場で実施される予定だ。受験申請の受付期間は、今日2月1日(水)0時から2月20日(月)23時59分まで、同協会のWebサイトにある専用ページでのみで受け付けている。
日本無線協会が発表した、令和5年度4月期の1アマ、2アマ国家試験日程と受付期間
無線従事者国家試験は、以前は郵送による受験申請も可能だったが、2022年1月からインターネット申請に一本化されているので注意が必要だ。申請時には撮影後4か月以内の顔写真の電子データ(縦横比が「5:4」の縦長写真)が必要になる。
また試験手数料は1アマが9,600円、2アマが7,800円で、インターネット申請時に指定した方法(クレジット決済、コンビニ決済、ペイジー)で支払期限までに納付を要する。
無線従事者国家試験の受験申請は専用ページから受付期間内に行う
受験票は、試験が行われる月の前月の下旬(4月期の場合は3月下旬)に電子メールで送付され、受験者はこれをA4用紙に印刷し試験会場に持参しなくてはならない。受験後の試験結果通知は、試験終了から数週間で届く電子メールで案内される専用サイトからPDF版をダウンロードする仕組みになっている。
ここで、無線従事者規則に規定されている1アマ、2アマの試験科目と、日本無線協会が公表している両資格の試験問題、試験時間、出題数と配点・合格点の情報(目の見えない者の試験を除く)を紹介しておこう。なお“科目合格”はなく、「無線工学」、「法規」の両方とも合格点を取らなくてはならない。
★1アマ国家試験の「無線工学」
・試験科目:
(1) 無線設備の理論、構造及び機能の概要
(2) 空中線系等の理論、構造及び機能の概要
(3) 無線設備及び空中線系等のための測定機器の理論、構造及び機能の概要
(4) 無線設備及び空中線系並びに無線設備及び空中線系等のための測定機器の保守及び
運用の概要
・試験時間: 2時間30分
・出題数: 30問
・配点: 150点
・合格点: 105点
★1アマ国家試験の「法規」
・試験科目:
(1) 電波法及びこれに基づく命令の概要
(2) 通信憲章、通信条約及び無線通信規則の概要
・試験時間: 2時間30分
・出題数: 30問
・配点: 150点
・合格点: 105点
★2アマ国家試験の「無線工学」
・試験科目:
(1) 無線設備の理論、構造及び機能の基礎
(2) 空中線系等の理論、構造及び機能の基礎
(3) 無線設備及び空中線系等のための測定機器の理論、構造及び機能の基礎
(4) 無線設備及び空中線系並びに無線設備及び空中線系等のための測定機器の保守及び運用の基礎
・試験時間: 2時間00分
・出題数: 25問
・配点: 125点
・合格点: 87点
★2アマ国家試験の「法規」
・試験科目:
(1) 電波法及びこれに基づく命令の概要
(2) 通信憲章、通信条約及び無線通信規則の概要
・試験時間: 2時間30分
・出題数: 30問
・配点: 150点
・合格点: 105点
出題された試験内容と正答は、試験実施から数日(週明けの火曜日か水曜日の夕方のことが多い)で、日本無線協会のWebサイトにある「試験問題と解答」コーナーにPDFで掲示されるので、チェックすると自己採点に役立つだろう。
日本無線協会のWebサイトでは試験終了の数日後に、出題内容と正答を公表している
ちなみに総務省が公表している、令和3年度(2021年度)に3回(4・9・12月期)実施された1アマ、2アマ国家試験の合計申請者数、受験者数、合格者数、合格率(合格者数÷受験者数)は次のとおり。
★令和3年度1アマ国家試験
・受験申請者数: 1,977名
・受験者数: 1,446名
・合格者数: 424名
・合格率: 29.3%
★令和3年度2アマ国家試験
・受験申請者数: 1,080名
・受験者数: 833名
・合格者数: 431名
・合格率: 51.7%
1アマ国家試験の合格率は平成28年度(2016年度)までは40%台だったが、その後は試験問題の難化もあって下がり始め、令和元年度は35.3%、令和2年度は28.0%という「狭き門」の状態になっている。
一方、2アマ国家試験の合格率は、平成23年度(2011年度)以降40%台後半から50%台前半をキープしているが、JARD(一般財団法人 日本アマチュア無線振興協会)が2015年7月から実施しているeラーニング養成課程(年間2,000名前後が受講)の影響もあり、受験者数は減少傾向となっている。
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