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特別寄稿

1アマの取得と今後の目標

JS2JAQ 脇田真以

2023年8月1日掲載

無線歴

アマチュア無線というものを知ったのは3年前の2020年。趣味の登山で遭難したときの救助要請にアマチュア無線が有効。ただそれだけでした。AMラジオ、FMラジオの違いって? 周波数って?

おそらく子供を含む世の中の大多数の人が知っているであろう、ラジオの周波数の合わせ方すら危うい人間が電波の世界にほんの少しだけ興味を持った瞬間でした。

登山にも無線にも精通している職場の方から「アマチュア無線は奥深くて楽しいよ、山でも遊べるよ」と聞き、完マルを問題ごと丸暗記して3アマを取得し、ハンディ機を購入して2020年5月に開局しました。


開局当初はもしものときの救助要請以外の用途は全く考えていませんでしたが、山の上での運用が思いのほか楽しく、山に登るときにはハンディ機にモービルホイップ、八木アンテナを担いで行くことが増えていきました。


ハンディ機での運用が慣れてきたところでコンパクトHF機を購入し、登山口駐車場でHF運用を始めると日本全国の局と交信できることが楽しくなりコンテストにも参加、次は家で固定局を開局したくなりました。


固定局なら50W以上で交信したいし、上級ハムのみ出られる14MHzに憧れて2022年4月に2アマを取得。合格祝いにHF固定機を購入し家の屋根にHFダイポールアンテナ、VHF/UHF GPを設置しFT8を楽しむようになりました。

なぜ1アマチャレンジ?

筆者は完全な文系で2アマの受験勉強は苦労しましたが、思いのほか工学試験の点数が取れたため、出題範囲が同じの1アマにもチャレンジできるのでは・・・ と思ってしまったんですね。

200W以上出す予定はないし、2アマにチャレンジした時と違い出られるバンドが増えるわけでもないのですが、アマチュア無線最高峰の1アマに挑戦してみたいという気持ちと知識をもっと深めたいと思い、2アマを取ったばかりの今がベストタイミングということでチャレンジしました。また周りのOMさんの応援も大きかったです。

受験回数と結果

1回目 2022年12月期: 法規140点 工学102点 不合格
2回目 2023年4月期: 法規134点 工学106点 合格(ギリギリ)
※公式解答による自己採点

使用書籍

・第一級アマチュア無線技士試験 集中ゼミ(吉川忠久著、東京電機大学出版局刊)
これが理解できれば合格点は越えられると思います。
新出問題に対応しきれていないのがちょっと残念。

・第一級アマチュア無線技士試験問題集 第2集 (合格精選450題) (吉川忠久著、東京電機大学出版局刊)
2アマ受験からお世話になっている問題集。
大変分かりやすく2アマはこれで十分カバーできましたが、少々古いのか集中ゼミと同じく1アマ新問には対応していません。出版社もそう思ったのか近々見直されるらしい。

地獄の試験勉強と2022年12月期試験惨敗

2アマと1アマの工学にはとてつもなく大きな壁が存在した。

さすがアマチュア無線局に許された全ての無線設備の操作ができるだけあって求められる知識の深さが違いました。同じ出題範囲とは思えない。2022年12月の試験に挑むために半年前の6月から勉強開始しましたが、文系にはとにかく工学が辛く1問を1日かけて解く日もありました。


知識を深めるつもりでしたが、そもそも知識がなさすぎて集中ゼミが読み進められません。まあでも2アマのときと同じく問題集、過去問9年分をこなし解き方を覚えれば乗り切れるだろうと高をくくって受験しましたが、既出問題アレンジ&新出問題続出は手も足も出ず撃沈。

文系が幸いして法規は合格点を超えましたが、工学は105点合格のところ102点。悔しいので次回こそは! と2023年4月受験に向けて再度勉強を開始しました。

2度目の正直の2023年4月期試験

やはり理屈を理解していないと応用問題に対処できないので集中ゼミを再度読み込みました。問題集と過去問を数回周りこなした成果か、8割ほど理解できるようになっていたので隅々まで読み過去問を解きつつ一陸特、一総通の共通範囲も目を通し再受験。

前回の試験と同じく全範囲から新出問題が出ましたが前回と違い、不正解の選択肢が何となく分かるので正解が絞りやすくなりました。

一陸特からはデシベル計算、一総通からは抵抗網の電圧比が出題されており新問のコモン・モードやフリップフロップの解説は見たことがなかったので困りましたが、コイルは逆向きに巻かないとまずいよな・・・ や多分こんな動作をするだろうな・・・ と何となく予想して回答することができました。

さすがに今回落ちたら再々受験はどうしようかと考えていましたが、本当にギリギリの106点で滑り込むことができました。


今後の運用と目標

3年前の2020年4月に3アマを取得し、コンテストのニューカマー部門卒業とともに1アマ合格できたことは感慨深いです。

あれだけ勉強したのにいまだに7MHzをUSBで運用したり、7.2MHzのラジオをSSBで聴いて音が歪んでいる、怪奇現象だ、と怯えたりと電波音痴なのは変わらずで、多分これからもオロオロと運用していると思いますがたくさんの方と無線でつながりお話ししたいと思っています。

挑戦したいことはたくさんありますが、まずはCW交信です。モールスは紙上の点と線を読むために語呂合わせで覚えてしまったので語呂合わせから抜け出さなければいけません。モールス交信をワッチしていても音を語呂に変換してアルファベットに変換しているため聞き取りが大変遅く、15wpmが精一杯です。音とアルファベットが結びつくようひたすらワッチあるのみ。がんばります。

2アマ合格祝いがHF固定機だったので、1アマ合格祝いはかっこいい電鍵の予定です。

海外局との電話交信もチャレンジしたいです。自宅から出した電波が地球の裏側まで届き、裏側の人とお話できるのもアマチュア無線の楽しみだと思います。FT8で海外局と交信してはいますが、直接会話して相手局の運用スタイルやアンテナ、現地の天気なんかを聞けたらとても楽しいだろうなと想像しています。英語は全然ダメなのでまずはワッチと世界コンテストに参加して最低限の交信から始めていきたいと思います。

そして無線機とアンテナを担いで海外移動運用ができたらと思います。登山が好きなのでいつかキリマンジャロの山頂から電波を出してみたい(笑)

アマチュア無線は本当に奥深くて山でも遊べる楽しい趣味、その通りでした。

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