アパマンハムのムセンと車
2023年8月15日掲載
連載11回目となります。フィールドデーコンテストも終わり、この記事が皆様のお目にとまる頃は、ハムフェアの開催直前かと思います。私も昨年同様、ハムフェアには参ります。現地でお会い出来たらFBに思います。参加しようかどうか、迷われている方、ぜひお目に掛かりたいと思います!
前回の7/15号で紹介したアンテナを、先日のフィールドデーコンテストで使ってみました! 移動先は近所の小高い畑の中で、車を停めての運用です。運用バンドは1.8MHzを選びました(前回、8J1HAM/1で運用し3.5MHzは実績がありましたので)。
なにせ1.8MHzは、それまでの無線家人生の中で、1局しかQSOしたことがない、まったく未知のバンドです。そのため、コンテストではどこの周波数に出ればいいのか、それすらもわからず、ネットで調べるところから始まりました(苦笑)
アンテナの帯域が狭いことは承知していましたが(なにせエレメント部分が6mほどしかありません)、コンテストでオンエアに使える1.801~1.820MHzすら、アンテナチューナー無しではカバー出来ず、短縮率の高さを思い知らされました。
結果として、コンテスト開始から1時間半ほどで31局とナンバー交換が出来ました。呼びに回っただけではなく、CQを出したら続けて呼ばれたり、時には小さいながらもパイルアップを浴びることもでき、すっかり気を良くしてしまいました。
今回使用した釣り竿アンテナの全景
J-クラスタ等を見ても、普段1.8MHzで移動している方は少ないので、この秋からは、このアンテナを使って、移動運用にも挑戦したいと思います。なお、QSOしていただいた各局、慣れないzLogを操作しながらのためヘボオペになってしまいましたが、それにも関わらずお相手ありがとうございました!
移動用に短縮率の高いアンテナを使うと、同調点はあってもどうしてもインピーダンスが合わず、結局SWRが下がらないことがあります。市販品のアンテナでも明記はされていませんが、給電部にコンデンサが入っていてインピーダンスの整合を取っている場合が多いようです。
市販アンテナのマッチングケース。中身はコンデンサ
特に自作のアンテナをヤフオク等で販売している方の中には、ハッキリとコンデンサを入れていることをおっしゃっているOMさんもおられます。
さて、先日の関ハムでとても魅力的な物を発見し、購入して参りました! それが、アメリカMFJ社製のモービルアンテナマッチャー・MFJ-909です。
MFJ-909の外観
中身を見るとコンデンサを同軸ケーブルの芯線側と網線側の間に入れている形になっています。器用なOMさんなら、ケースとコネクタ、コンデンサ、ロータリースイッチがあれば、自作も容易だと思います。ただ私は不器用なので、お祭りの勢いもあって購入してしまいました(笑)。コンデンサとロータリースイッチの代わりにバリコンを使っても良いかと思います。
前項でお話した1.8MHzの自作釣り竿アンテナですが、同調は取れていますがSWRが下がりきらない状態でした。アンテナアナライザーで見るとインピーダンスが合っていないことがわかりましたので、マッチングボックスを入れてSWRを下げています。実際にマッチングボックスを使ってみての感想なのですが、アンテナチューナーなしでもSWRが下がってくれるのは気持ちがいいです。それに電波の飛びも、心なしか良いようにも思えます。
自作するにしても簡単ですし、今使っているアンテナだけでいいなら、給電部の芯線と網線の間にコンデンサを入れるだけですので、簡単にできると思います。また、7MHzの逆V等で共振はしているけどSWRが下がらない場合にもこのコンデンサ作戦は有効だと思います。ぜひお試しください。
ネット上でカーボン釣り竿が燃えて破損した、という話題を見つけました。これは直接給電をされているOMさんが投稿しておられましたが、私が前回書きましたように、カーボン釣り竿にIV線をはわせ、IV線のみに給電する方法であれば、このような事は起こらなかったのではないかと考えます。少なくとも私はIV線をはわせる方式で、カーボン竿が発熱したという経験がないです(毎回運用直後に手で触れて確認しています)。
カーボン釣り竿よりもIV線のほうが圧倒的に抵抗は少ないですので、抵抗の少ないIV線に電流が流れるのは自然だと思います。そうすれば、竿自体に電流が流れることがなくなりますので、燃えてしまうようなケースは避けられるかと思います。
ただ、カーボン釣り竿のメリットである扱いやすい点については、だいぶマイナスに働いてしまうとは思いますが・・・。固定で使うような場合は、IV線をはわせることも検討しても良いのでは? と思います。飛びもこちらのほうが良いと思いますし。
釣り竿の例。右側2本がカーボン製(7mと10m)、左側はグラスファイバー製(実測5.8m)
最近の自動車にはアンテナを付けるところがないと、以前から話題になっています。私もカムバックして改めてアンテナを付けようと思うと、ほとんどの車が取り付けが難しく感じます。車にアンテナが直接付けられない場合は、マグネット基台を使うか両面テープで付ける基台を使うか、はたまたルーフキャリアを付けてそこに基台を付けるかのいずれかになってくると思います。
電波を飛ばそうと思ったら、長いアンテナが必要になります。特にHF帯は波長が長いために、どうしてもアンテナが大きくなりがちです。そこで、確実にアンテナが取り付けでき、かつ丈夫に取り付けできる方法として思い付くのがルーフレール付の車両です。一部の軽自動車、輸入車のワゴン車などに付いていることが多いです。また、標準では未装備でもメーカーオプションで装着できる車両もあります。とはいうものの、年々少なくなってきているようにも思えます。
ルーフレール付車両の一例。屋根の部分にレールが見える
新車で買えるルーフレール付車の例 スズキ スペーシアベース
(スズキ(株)Webサイトより)
ルーフレールには、ルーフレール用基台、あるいはトラックのミラーステーに取り付け用基台を使い、アンテナが取り付けできるようにします。
ルーフレール専用基台K515 (第一電波工業(株)Webサイトより)
このように取り付けることで、強度的にも心配のないモービルアンテナが出来ます。ただ、この取り付け方だとアースは期待出来ませんので、マグネットシート等でアースを取ってください。また、マグネットシートを使った場合は、回り込みにも注意が必要です。私の経験では、ワイパーが動き出したり、コーナーセンサーが鳴り出したりしたことがあります。
対策としてはパワーを落とす(50W→25Wで解決したことあり)、周波数を変える、マグネットシートの貼り付け位置や貼り付け枚数を変更する、マグネットシートまでのリード線の長さを短くする等です。
なおご意見、ご感想、ご質問等については、筆者である私宛(jf1kktアットマークgmail.com)へご連絡頂けますと幸いです。
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