アマチュア無線の今と昔
2024年6月3日掲載
連載第19回目になります。季節も春から夏の様相を呈してきた今日この頃。お空の方も、デリンジャー現象の影響もあってか、日中はお昼寝タイム! (7MHzの話ですhi)
みんなでお昼寝hi
その代わり午前4時頃からアクティブに運用されている方もおられるようで、昼夜逆転になりそうな感じです。皆様は如何お過ごしでしょうか? 太陽活動のピークを思い思いに体験していただければと思います。では、今回も原稿を進めていきましょう!
話は全然関係ない方にズレますが私の弟も元ハムです。最近は無線とは縁遠くなっているようですが、昨今の太陽活動の話題に昔を思い出したのか、「今、太陽活動が凄いんだってね!」なんてLINEを送ってきます。
そんな話を耳にしましたので、今回のテーマ【太陽活動に刺激されてカムバックを決意した方へ】を書こうと思った次第です。
太陽活動は来年がピーク?
ウン十年もムセンから遠ざかっていたら、まず手元には出てこないであろう無線従事者免許証(以下、従免)と無線局免許状(以下、局免)を探しましょう。これがなければ始まりませんし、従免は携帯しなければなりません。また、局免は有効期限がありますから、その確認もしなければなりません。運良く見つかったら、まずは局免の有効期限に注目してください。まあ、たいていは切れていると思いますhi
有効期限が切れている場合は、再度開局申請をすることから始まります。エリアによってはコールサインが他の人に割り当てられていることもあるので、注意しましょう。総務省のWeb Siteで調べることが出来ます。
私の時は、従免も局免もなくしておりましたが、従免の番号は奇跡的に覚えていたので、従免の再発行と再開局の手続きを同時に行うことが出来ました。通常は従免を再発行してもらってから再開局の手続きとなります。
(以下、総務省のWeb Siteになります)
・無線従事者免許証再発行について:
https://www.soumu.go.jp/soutsu/kanto/ques/faq/faq/riyou.html#a7_1
・コールサインが空いているかどうか(無線局等情報検索):
https://www.tele.soumu.go.jp/musen/SearchServlet?SK=2&DC=100&SC=1&pageID=3&CONFIRM=0&SelectID=1&SelectOW=01#result
・開局申請(電波利用 電子申請・届出システムLite):
https://www.denpa.soumu.go.jp/public2/index.html
上記のWeb Siteを参照して手続きしてください。開局申請する時には、先に機種を選定する必要があります。詳しくは次項で・・・。
免許証関係がクリアになりましたら、今度は無線機選びになります。無線機選びと直結するところで、どこのバンドでオンエアするか?というのが出てきます。
30年前は、どこのバンドで開局しても、相手になる方はいらっしゃったものです。しかし、現在ではアマチュア人口も減り、昔はとても賑やかだった144MHzでも相手に困る始末です。なにせ東京都心でもガラガラですhi 東京でこの状態なら、地方の状態も推して知るべしです。
そこでオススメなのがHF帯です。最近のHF機はHF+50MHzとなっているものがほとんどです。まずはここをオススメします。4アマならIC-705がベストチョイスになるかと思います。3アマ以上の方はIC-7300等の50Wタイプがオススメです。
オススメの無線機の例
左: IC-705、右: IC-7300 (アイコム株式会社Web Siteより)
パワーは50W以下にして移動する局で開局するのが簡単だと思います。というのも電波防護指針により、移動しない局は確認書類の提出が求められるようになったからです。移動する局であれば提出は不要なので、まずは50W以下で開局されるのが良いと思います。
詳しくは、以下の総務省のWeb Siteをご覧ください。
https://www.tele.soumu.go.jp/j/others/amateur/confirmation/safety/
次は何処のバンドに出れば楽しめるのか? という話になります。私のオススメは、7MHz、10MHz、18MHz、21MHzです。10MHzは2アマ以上、18MHzは3アマ以上が必要ですが、出来ることならオンエアしてみていただきたいバンドです。この中でも7MHzは、全国どこでも相手に困ることはないと思います。21MHzもEスポシーズンなら、7MHz並に楽しめると思います。最初はこの2つのバンドに出られるように準備すると良いと思います。
無線機が決まり、出るバンドが決まったら、次はアンテナですね・・・。
出るバンドが決まったなら、次はアンテナです。HF~50MHzの場合、最近は釣り竿+ロングワイヤー系オートチューナーの組み合わせが流行しております。
また、前回私がご紹介した第一電波工業のCPATUも良い選択になると思います。
ロングワイヤー用ATUの例 アイコム株式会社AH-730
私のところもこの組み合わせです。アースさえしっかり取れれば意外と楽しめると思います。手軽さとバンドチェンジが素早く出来る点で満足していますし、飛びについてもそれなりに飛んでくれているので助かっています。また、V型ダイポールやモービルホイップなども選択肢に入ってくるか思います。
V型ダイポールの例 第一電波工業HFV5 (第一電波工業株式会社Web Siteより)
アースがうまく取れないような場所では、ダイポール系のアンテナを使うほうがいいと思います。ただし短縮率が高いため、内蔵のアンテナチューナーでカバー出来ない場合、マニュアル操作のアンテナチューナーを用意したほうがよいでしょう。新品でなくても、ヤフオクやメルカリでたくさん売られていますし、海外製もあります。
「俺はアンテナチューナーは買えない!」というのであれば、釣り竿で1/4λの垂直系アンテナを作るのはどうでしょうか? バンドチェンジに難が残りますが、アンテナとしては一番良いと思います。もちろん、ワイヤーを使ったダイポールアンテナもスペースがあるなら良いと思います。 中古の釣り竿を使えば、かなり安くアンテナが作れると思います。さあこれでオンエア出来るまでになりました! でも、上級資格がないと面白くない面がありますね・・・。
以前から書いていますが、今のアマチュア無線の試験はCWの実技(送信や受信)がなくなっています。CWの試験は法規の中に組み込まれ、「・-」が「A」、「B」が「-・・・」などと理解出来ていればOKというレベルです。和文はもちろんありません。CWだけに限れば、1~3アマ、全て同じレベルになったのです。
まずは3アマ、3アマ取れたら2アマに挑戦しましょう! 2アマまでは講習会(eラーニング)で取れますので、独学に自信のない方でも取得できるチャンスが拡がりました!
2アマもeラーニングで取得できるようになりました!
聞くところによると、米国でもCW試験はなくなったのだとか。世界的な風潮なんでしょうね。これって、喜んでいいでしょうかね?
いかがでしたでしょうか? 今回はタイトルの初心に返りまして、カムバックしようと思っているOM諸氏の手助けになればと思って書きました。同じような内容で以前にも書かせてもらいましたが、新たに追加された事項、私の浅学で書き切れなかったことを追加させていただきました。参考になれば幸いです。
なおご意見、ご感想、ご質問等については、筆者である私宛(jf1kktアットマークgmail.com)へご連絡頂けますと幸いです。
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