Masacoの「むせんのせかい」 ~アイボールの旅~
2024年6月3日掲載
皆さんこんにちは、Masacoです! 構想1年以上・・・ の新曲のレコーディングが大詰めで、この1か月、ほとんどスタジオに籠って過ごす毎日でした。
いよいよ6月、梅雨入りの季節ですね~! テレビの天気予報で「今年は平年よりも梅雨入りが少し遅くて短めです。でも雨はしっかり降るでしょう」と言っていましたが、6月も移動運用を予定されている方が多いでしょうね! 私はこの記事が出る時には個人コールでの運用が終わった後ですが、この記事を見てくださっているあなたとは交信できたかなぁ~! 梅雨こそ“晴れおんな”全開で本領発揮したいところです(笑)。
さぁ、イベントが続きますよ~! まず、6月8日(土)は故郷の明石に帰ります♪ 日本の標準時「明石市立天文科学館」で「時の記念日公開運用」を明石アマチュア無線クラブの皆さんと行います(関ハム移動局の8J328Aを運用します)♪ 私もお昼前から15時ごろまで運用したり、お手伝いしたり・・・ そして、翌6月9日(日)は兵庫県立明石公園で毎年恒例の「時のウィーク2024」に出演、6月16日(日)は兵庫県明石市魚住にある住吉神社で「あじさいまつり」に出演!
さらに7月に入ると、兵庫県西宮市&東京の銀座でLIVEが2つあります! 7月13日(土)と14日(日)は、毎年恒例の「関西アマチュア無線フェスティバル(KANHAM2024)」です!! 2日間ずっと会場にいますから、ぜひ!! アイボールQSOをお願いします♪ 盛りだくさんのイベントシーズンの始まりですが、詳しい案内&最新情報はMasacoのホームページに随時アップしますので、ぜひチェックしてくださいね!
https://masacocbx.com/live.html
さて今月は、約5年前に“復活”を果たし、コンテストを中心にアクティブに活動している、国立大学法人九州工業大学の自然科学部無線班(JA6YLP)の皆さんを訪問したときのお話をお届けします。
【編集部より: Masacoさんは、2024年3月11日に同クラブを訪問しました。記事内で紹介した皆さんの学年・所属は訪問当時のものです】
去年の終わりに、月刊FB NEWS編集部から「Masacoさん、来年3月10日に“西日本ハムフェア”の取材をお願いしたいのですが、その足で九州にある大学の無線クラブも訪問しませんか?」というお話がありました。もちろん私は大賛成! 九州の大学のアマチュア無線クラブは“交流会”を作って連携し、皆さんアクティブに活動しているので興味津々なんです。しばらくすると「訪問先が北九州市の九州工業大学、JA6YLPに決まりました」という連絡がありました♪
西日本ハムフェア翌日の3月11日、JR鹿児島本線に乗って、その名も「九州工大前」駅で下車。少し歩くと九州工業大学の戸畑キャンパスが見えてきました! 広いキャンパスは明日から入学試験ということで、受験生を迎える準備が進んでいるところでした。
九州工業大学 戸畑キャンパスに到着!
「Masacoさん、こんにちは!」と、門を入ったところで無線班長の松野さんに出迎えていただきました♪
--松野さん! よろしくお願いしますね~♪
そして「Masacoさん、部室に行く前に少しここを見学しませんか?」と案内していただいたのが、開学100周年を記念して作られた「100周年中村記念館」という建物。ここには前身である明治専門学校の創設や発展に尽力した先生方や、大きな業績を上げた卒業生のプロフィールと研究内容などが展示されていました。
「100周年中村記念館」には、学校の創設や発展に尽力した先生方、大きな業績を上げた卒業生の皆さんのプロフィールと研究内容などが展示されています
九州工業大学は1909(明治42)年に私立明治専門学校として開校、炭鉱と機械産業で発展した都市らしく、当初は「採鉱学科」「冶金学科」「機械学科」といった学部がありました。その後1921(大正10)年に官立に移管、さらに第二次大戦後の1949年に九州工業大学を設置(専門学校は1951年に廃止)、2004(平成16)年から現在の国立大学法人 九州工業大学になりました。
現在は、北九州市戸畑区に工学部と大学院工学府がある「戸畑キャンパス」、飯塚市に情報工学部と大学院情報工学府がある「飯塚キャンパス」、そして北九州市若松区に大学院生命体工学研究科のある「若松キャンパス」があり、合計で約5,700名(学部4,120名、大学院1,585名)の学生さんが学んでいるそうです。
大学の卒業生には、日本の溶接技術向上の中心的役割を果たした中村 孝さん、東レ社長として工業発展に寄与した田代茂樹さん、竜巻研究の世界的権威で「藤田スケール」を考案した藤田哲也さんなどのお名前もありました。
竜巻研究の世界的権威で「藤田スケール」を考案した藤田哲也さんに関する展示を見学しました
日本の溶接技術向上の中心的役割を果たした中村 孝さんに関する展示。溶接機械もありました!
そしてキャンパスの奥まで歩いて、「課外活動共用施設」という建物に到着! この2階にある自然科学部の部室が無線班の活動拠点になっているそうです。
課外活動共用施設にやってきました!
課外活動共用施設の2階に自然科学部の部室があります。屋上には無線班のアンテナがたくさん!
ドアを開けると、無線班の皆さんが待っていてくださって、口々に、「Masacoさん、昨日はありがとうございました!」と歓迎の言葉を!
自然科学部の部室に着きました♪
そうなんです! 実は前日の3月10日に開かれた「西日本ハムフェア」の会場で、ブースを出展していた無線班の皆さんを発見しちゃったんです。思わずその場で「Masacoです! 明日、皆さんの部室に行きますからヨロシクね♪」とご挨拶。記念写真も撮らせていただいたのでした(笑)。だから今日は「はじめまして!」じゃなくて1日ぶり!? 「本日もヨロシク」なんですよ~♪
自然科学部の部室で無線班の皆さんが待っていてくださいました
前日の3月10日、「西日本ハムフェア」の会場で皆さんとフライングのアイボール♪
でも部室訪問はもちろん初めて。広さは15畳ぐらい? 冷蔵庫に電子レンジ、たくさんのパソコンが置かれている中、大きなラックに無線機(IC-756、IC-970D、TS-950SDなど)と電源が配置されていました。
部室の一角は無線班のシャックになっていました
その隣はケーブル類や移動運用の資材が入ったコンテナケース。あ! コンテストの賞状や、1970年代のQSLカードが入ったパネルもありました! 昔からアクティブに頑張っていたのですね。
ケーブル類や移動運用の資材が入ったコンテナケースが整然と並んでいます
世界各国から届いたQSLカードが入ったパネル。1970年代から1980年代にかけての交信分のようでした
部室を見せていただいた後は、皆さんと一緒に屋上へ! いろいろなアンテナが立っていましたよ♪
ルーフタワーには28MHz帯の4エレ八木と50MHz帯の5エレ八木が取り付けられています。もう1基大きな支線式のタワーがあって、現在は14/21MHz帯のロータリーダイポール(OBの方から寄付された5エレ八木の一部を流用)と144/430MHz帯のGPアンテナが取り付け。そのほか3.5MHz帯と7MHz帯はワイヤーダイポールで、コンテストのときには1.9MHz帯のワイヤーダイポールも仮設するそうです。
ルーフタワーに取り付けられた28MHz帯の4エレ八木と50MHz帯の5エレ八木
「Masacoさん、あそこに見えている支線式のタワーはもうすぐ引退なんです」と松野さん。
班長の松野さんに屋上のアンテナを説明していただきました
「もうすぐ引退」という支線式タワーには14/21MHz帯のロータリーダイポール(5エレ八木の一部)と144/430MHz帯のGPアンテナが取り付けられていました
--え、どうかしたのですか?
「だいぶ昔に建てたもので老朽化が進んでしまいました。大学と交渉したら、費用は全部大学負担で建て替えてもらえることになりました。この春休みに業者さんが来て工事する予定です」
--わあ、よかったですね~! 今度のアンテナは何になるんですか?
「14/21MHz帯は現在、OBからいただいた5エレ八木の一部を使ったロータリーダイポールですが、これもいよいよ、ちゃんとした5エレ八木になる予定です」
--凄い! ますますコンテストで活躍できそう!!
松野さんも班員の皆さんも、新しいタワーと5エレ八木の話になるとニコニコ顔に。楽しみで仕方ない様子が伝わってきて私もなんだか嬉しいです!!!
ちなみに、少し離れた建物(総合研究1号棟)の屋上には430MHz帯などの大きなビームアンテナ(仰角ローテーター付き)が見えています。
総合研究1号棟の屋上には、衛星が追尾できる430MHz帯などの大きなビームアンテナが。九州工業大学には“衛星開発プロジェクト”があり、超小型衛星をたくさん打ち上げているそうです
--松野さん、あの建物のアンテナは無線班のものではないのですか?
「あれは九州工業大学の“衛星開発プロジェクト”が使っている衛星管制用のものだと思います。一時期はほぼ同時に4つぐらいの超小型衛星(CubeSat)を打ち上げていましたので。無線班のOBメンバーの中には、CubeSatのアンテナに関する研究で博士号を取得した人もいるんです」
--そうだったんですね。大学で衛星を作ったなんて凄いです!
「九工大が開発している衛星は、学生主体の衛星開発プロジェクトだけでなく、人工衛星の打ち上げやロケットの開発を行っている研究室もあります。あの小惑星探査機“はやぶさ”の太陽電池を試験したこともあるんですよ」
--わあ~、はやぶさの太陽電池の試験ですか! 私、はやぶさが燃え尽きながら地球に帰還したときはテレビで見てウルウルしちゃいました~!
アンテナ見学の後、もう一度自然科学部の部室に戻って、松野さんと班員の皆さんに無線班の歩みと活動を伺いました。
自然科学部の部室はこんな感じです。無線班の皆さんにお話を伺いました
九州工業大学の自然科学部に無線班が誕生し、クラブコール「JA6YLP」が割り当てになったのは1960年代のこと。「古いことで、詳しい開局時期などはわからないのです・・・」と松野さん。でも1972(昭和47)年のコールブックには、JA6YLPが“九州工業大学自然科学部”として掲載されているそうです。
その後、無線班の活動がずっと続きましたが、次第にアマチュア無線ブームが衰退し、無線班員も減少したことから、2000(平成12)年に無線班は活動を中断、JA6YLPも一度閉局したそうです。
と言っても、自然科学部はそのまま存続したそうで、「ロボット班やパソコン班、天文班が活動を続け、ロボット班は“全日本ロボット相撲大会”に出場したこともあります。それと屋上のアンテナタワーは解体されずにそのまま残って、一時期は大学の衛星開発プロジェクトが、衛星管制用に利用していたこともありました」と教えていただきました。さっき見せていただいた屋上のタワーですね♪
そして2018(平成30)年、自然科学部に無線班が復活するのですが、その立役者が当時学部2年生だったJO4ISY 宗本さんです! 宗本さんはもう卒業していているのですが、松野さん経由で当時のことについてコメントしてくださいましたよ!!
★復活後の初代班長 JO4ISY 宗本さんのコメント
私(JO4ISY)は2017年に九州工業大学へ入学しました。高校生だった2015年には高校のアマチュア無線局(JA4YNO、修道高等学校物理班)を再開局してコンテスト中心に活動しており「大学でもアマチュア無線を楽しもう」と考えていました。
入学して1年間は、屋上にアンテナを仮設して1人で活動していましたが、自然科学部の先輩の中にアマチュア無線の免許を持っていた方(JE6RWI)が偶然おり、意気投合した結果、2018年に2人で無線班を復活させることになります。
JA4YNOの再開局時にお世話になったOBが、JA6YLPのOBでもあったという偶然があり、旧無線班の資料(免許状や申請書類のコピー)や当時の活動を知る同級生をご紹介いただけたことが復活の大きな後押しになりました!
一度無くなった活動を復活させるということで、アンテナ・無線機などの機材集めや、大学からアンテナ設置許可を得るための交渉などに最も苦労しましたね。これらの準備作業のため、班復活から1年半程度ですが私の個人コールで活動していた時期があります。
機材は近所に住んでいたDXerの自然科学部OBから寄贈していただくという偶然があり、設置許可についても、職員の中にアマチュア無線経験者がいらっしゃったため、大変ではありましたが比較的スムーズに事が進んだのかなと思います。
いまどき「無線」と聞いて入部してくれる子は少ないので、復活当初は新入班員集めに苦労しました。九工大は宇宙系の学部が強いので、衛星通信やEMEの話をすると興味を持ってくれた子が多かったですね。
そして松野さんからは、「復活したJA6YLPで無線活動をしていると、過去に九工大がアクティブに活動していたことを覚えている地元のOMさんと交信させていただくことも多数あります。“活動を頑張って”といった、温かいお言葉をいただいたり、“昔に交信したときの思い出”“当時の学生社団局事情”などを伺うこともありました。その交信がご縁となって、機材などのご支援をいただいたこともありました」というステキなお話も! 地元の皆さんに愛されているクラブ局なんですね~!!
現在の無線班には10名の現役メンバー(1年生6名、2年生2名、3年生2名)と、OBとOGメンバーが8名いらっしゃいます。部活動は、定例の班会(ミーティング)を毎週木曜日にオンライン上、2週間に一度は対面で開き、それ以外は自由活動として、いつ部室に来て、何をしても構わないようになっています。
JA6YLPのQSLカードです
これは無線班が去年作った班誌。古~い資料に見えるような、凝ったデザインになっています
主な活動はやっぱりコンテスト! 7月の「6m AND DOWNコンテスト」と、8月の「フィールドデーコンテスト」は移動運用で北九州市の平尾台や福岡・大分県境の英彦山などから。それ以外のJARL主催コンテストやDXコンテストは校内から参加して、最近は2023年の「6m AND DOWNコンテスト」と「フィールドデーコンテスト」で九州地区1位、2022年の「CQ WW DXコンテスト SSB(Multi-Operator Multi-Transmitter)」と、2023年の「CQ WW DXコンテスト CW(Multi-Operator Single-Transmitter Low Power)」でどちらもアジア5位(JA6エリア1位)、「電信電話記念日コンテスト」でシングルオペジュニア種目の全国第1位・・・ といった成績を上げています!
2023年の「6m AND DOWNコンテスト」の賞状です!
2022年の「6m AND DOWNコンテスト」の移動運用風景(無線班のSNSより)
また九州地区の大学アマチュア無線部(宮崎大学、福岡大学、福岡工業大学)と連携して「KyunivRadio(九州版の大学社団ミーティング)」を開催したり、西日本ハムフェアに「九州大学社団交流会」のブース出展、島根大学(JA4YPE)や早稲田大学(JH1YDT)との交流といった、横の繋がりも力を入れているそうです♪
2023年8月に開いた「九州社団ミーティング」の風景(無線班のSNSより)
今年の「西日本ハムフェア」も、福岡工業大学電波部、宮崎大学無線部と合同でブースを出展、めっちゃ賑わっていましたよ♪
そして若者のアマチュア無線活動をサポートする「YOTA JAPAN」とのコラボレーションによる若手コンテスター養成プログラム「Youth Contesting Program」の一環として、今年3月の「CQ WW WPXコンテスト SSB」には宮崎大学から参加! 2022年にはクロアチアで行われたアマチュア無線の国際親善イベント「YOTA Summer Camp 2022」にIARU(国際アマチュア無線連合)第3地域代表として、宗本さんと山﨑さんの2名が参加するといった活動も行っています。
--ずいぶんアクティブなクラブですね! 無線部の班員はどうやって勧誘しているのですか?
「自然科学部は人気があって、50人以上の部員がいます。天文やロボットなどに興味を持って多くの新人が入部してくるので、その中から無線班に勧誘している感じです。大学が主催する新入生歓迎のステージでは無線班のPRタイムもありますし、部室に海外からのQSLカードをまとめて掲示して関心を持ってもらうようにしています。あとは他の班や部活からのヘッドハンティングですね(笑)」
無線班のX(旧Twitter)アカウントでは、活動情報の発信や新入生に向けた勧誘を行っていて、楽しいPR動画も見られます♪
OBの山﨑さんは自然科学部のパーカーを着て出席! カッコいいデザインです♪
--部や班の掛け持ちもOKなんですか?
「もちろん大丈夫です」
--皆さん、アマチュア無線の免許は無線班に入ってから取るの?
「大半は入部後に取得しています。そのために毎年春に“オンライン講習会”を開いています。昨年は1年生が3アマ受験して6名全員が合格、2年生1名が2アマを受験して合格、ほかにもFCCのGeneral級に2年生が1名合格など実績多数です!」
--凄い! 私もFCC試験を教えてもらおうかしら(笑)
続いて、集まってくださった8人の皆さんにミニインタビューを行いました!
●班長 松野さん(JF6CNY) 工学部 宇宙システム工学科 機械宇宙システムコース 2年
無線班の班長です。長崎出身の学部2年生で宇宙関連を専攻しています。宇宙が好きなので、入学後に自然科学部の天文班に入っていたのですが、アマチュア無線をやっている先輩から「キミも無線をやってみないか?」と言われて無線班にも入りました。それまでアマチュア無線のことは知りませんでした。アマチュア無線をやってみて、コンテストで楽しさを実感しました。電離層や電波伝搬は自分が好きな宇宙関連とも繋がっていますね。そういうところも今後ちょっと勉強していきたいと思っています。将来のことですが、宇宙関係か自動車も好きなのでそういった感じのエンジニアになりたいと思っています。
●山﨑さん(JE6WUD) OB
無線班のOBで、2年前まで北九州にいて、現在は広島に住んでいます。きのう「西日本ハムフェア」に合わせて北九州にやってきたら、Masacoさんが訪問されると聞いて、今日は見学させてもらっています(笑)。現役当時、無線班に入った理由ですが、JO4ISY 宗本さんがずっと休止状態だった無線班を復活させ、JA6YLPの再開局に向けて活動していることを新歓で知って興味を持ちました。コンテストやいろいろなことを楽しませてもらいましたが、自分のやりたいことがあれば、無線班の機材を活用して自由にできるところが良かったです。その頃に挑戦したアマチュア衛星を使った交信は、大学を離れた今でも楽しんでいます。後輩の皆さんには、自分たちの楽しみを追求することを優先してやってほしいなと思います。
●副班長 今井さん 工学部 工学4類 1年
4月から学部2年生になり、応用化学科に所属する予定です。もともと無線班に入る予定はなかったのですが、自然科学部に興味があったので入学当時に部の見学に行きました。そうしたら工学4類の2人が先に入部していたので「友達ができそうだし、楽しそうだな」と感じて、とりあえず入ることにしました。2人が無線班に所属しているのを知って、自分もコミュニティ的な感じで入りたくなり無線班に決めました。入ってみて、友達ができたのはすごく嬉しかったです。自分は無線班以外で交信はしていませんが、無線が中心の班活動を通して、他の人と関われるというのがとても楽しいです。
活動の中で好きなのは、やっぱり「飲み会」ですね(笑)。自分はまだお酒が飲めませんが、先輩方や友達といろいろな話ができる場なので好きです。将来はまだ決めていませんが、化学系のエンジニアになり、人並みにお金が稼げたらいいなって思っています。
左から、副班長の今井さん、山﨑さん(OB)、班長の松野さん
●今任さん 工学部 工学4類 1年
4月から応用化学科所属になります。自然科学部に入って何かしようと思ってたときに、無線班のすごくごっつい機械がたくさんあるのに気付きました。専攻は化学なのですが、せっかくなら化学と全く関係ないところをやってみようと思って、あと先輩にも誘われたということもあって、無線班に入りました。入ってみたら結構楽しいです。先輩方からいろいろと教えてもらうことがあるのですが、自分たちが講義で受けている授業内容と全然違うジャンルを先輩たちから教わることに、学ぶ内容の新鮮さを感じて面白いなと思いました。
自分はコンテストも普通の交信もCWがメインです。西川君がCWをやっているのを見て、「自分もできるようになったらいいな」と思って西川君や先輩に教えてもらいながら、少しずつ練習しました。まだ“何とか1人でできるようになった”ぐらいのレベルなので、これからより楽しんでいけたらいいなと思っています。将来の夢はできれば化学系の開発者側につきたいなと思っています。
●西川さん 工学部 工学4類 1年
4月からは応用化学科に進学します。無線班に入ったきっかけは今井君と同じで、とりあえず自然科学部に入ったら無線班の先輩に誘われ、無線にも興味があったので、それで決めました。自分はクラブ局からCWをメインに運用して、たまにコンテストにも参加しています。今ではマイナーになっているモールス信号が、アマチュア無線では日常的に使えるところに面白みを感じます。モールスは無線班に入ってから覚えました。初めは先輩が打っているのを横で見て、それから「CW Skimmer」というアプリを使って覚えたりしました。あとは班の中で、モールス練習用のソフト(Morse Runner)を使って、自分の得点をみんなで披露し合うみたいなこともやりました。将来は、どこかの企業の化学系の研究者になりたいと考えています。
左から、今任さん、西川さん
●淺田さん(JF6CFF) 工学部 マテリアル工学科 3年
4月から4年生です。無線班に入ったきっかけですが、新歓シーズンにいくつかの班を回ってみたときに、確か今日いらしている山﨑さんが確か日常のQSOをしていらっしゃって、その様子を見て一番気になったのが始まりです。活動では飲み会も好きですけど、移動運用がいいですね。元々アウトドアが好きなタイプなので、無線でも外で運用してやった方が楽しいです。市内にもいくつかおすすめの移動ポイントがあります。将来ですが、自分は材料系を専攻しているので“エンジニアで材料系”って言ったらまだ結構幅が広いのですが、製鉄関係かセラミック系か・・・ まだ悩んでいる途中です。
●安東さん 工学部 工学3類 1年
4月から電気電子工学科に所属する予定です。日常的な交信はあまりしなくて、コンテストで少し出るだけなのですけれど、コンテストではいろいろな社団局と競い合って、局数を稼いだり、上位入賞できたときに喜びを感じます。専攻が電気系なので、パソコン班やロボット班、無線班がある自然科学部が面白そうだなと思って入部したのですが、何に興味あるの? って聞かれたので「とりあえず無線班」って最初に言ったら、先輩からすぐに歓迎のLINEが飛んできました(笑)。入ってみたら交信が楽しくて、間違いなかったなと思っています。将来は電気電子工学科の勉強が生きるような職業、電力会社などに行けたらいいなと思っています。
●平田さん(JF6ATU) 工学部 機械知能工学科 機械工学コース 3年
最初は無線班以外の自然科学部の班に所属していたのですが、入部するときに一緒にいた友達が無線班に入っていて、その人がコンテストで「遠いところが取れた!」とはしゃいでいるのを見て、なんかメッチャおもろいやん! と思って、それでこの班に入りました。入ってみて、コンテストでたくさん得点が取れたときの喜びももちろん大きいですし、コンテスト以外で無線班の人たちと交流するのが大きな楽しみになりました。入ってよかったなと思っています。活動で一番好きなことは、ぶっちゃけ「飲み会」です(笑)。飲みの席でいろいろ話すのが結構好きだったりします。将来ですが大学院で勉強も続けて、それから機械系の、何か物を作ることがメインの会社に就職できたらなとは思っています。
左から、淺田さん、安東さん、平田さん
皆さん、ありがとうございました。なんか「飲み会が楽しい!」というお話がたくさん出てきたのですが、どんな感じで飲み会をやっているのか聞いてみたら、「新人歓迎会」「懇親会」「コンテスト決起集会」「コンテストお疲れ様会」「1次会の前から集まって飲む“-n次会”」などを教えてもらいました。いろいろな理由を付けて、楽しんでいるのですね(笑)。
でも「大学から借りたテントの中でコンテスト運用をしていて、終了後に片付けないまま“お疲れ様会”に行ってしまい、翌朝テントを見たら強風で修理不能な状態に壊れていたんです。大学にお詫びをしたら“国の資産だから弁償してください”と言われて、新年度早々、部費から8万円を支払いました・・・」なんて失敗もあったとか!
それから「飲み会のときに“世界一臭い食べ物”と言われている、スウェーデンの発酵食品(シュールストレミング)の缶詰を持ち込んで開封した」という、ビックリするようなエピソードも飛び出して大爆笑!! 液体がかからないように屋外でレインコートを着て開封したそうですが、あとでその写真も送っていただきました。
飲み会に“世界一臭い”というシュールストレミングの缶詰が登場したときの写真
缶詰の液体がかからないようにレインコートを着て、恐る恐るシュールストレミングを開封!?
ちなみに!「今、無線班で欲しいものはあるの?」と尋ねたら、「ウォーターフォール表示のある無線機が欲しい!」とか、「柔らかいソファーのような、泊まり込みでも快適に無線ができる環境が欲しいです。パイプ椅子で仮眠は辛いので・・・」といった答えが返ってきましたよ。
連載恒例(?)の「Masacoの体験コーナー」です♪ 今回は「僕たちがコンテストのパイルアップに慣れ、ピックアップが上手にできるように行っている特訓を体験してもらいます」ということで、世界中からJA6YLP宛てに届いたQSLカードが持ち込まれました。
JA6YLP宛てに届いたQSLカードの保管BOXが登場しました!
「まず、みんなでお手本を見せますね」
--はい、お願いします!
無線班の皆さんは、箱の中からQSLカードを取り出してランダムに分配し、トランプのようによく切り始めました。
そしてメンバーの一人がハンドマイク(無線機には繋がっていません!)を持ち、「CQコンテスト、JA6ヤンキー・リマ・パパ」と言ってスタンバイすると、残りの全員が手元のQSLカードに書かれているコールサインで、JA6YLPを大声で呼び始めます。
「ジュリエット・アルファ・スリー、ヤンキー・・・」
「JA1ノベンバー・・・」
「JA7ズール・・・」
--すごいパイルアップ!!
JA6YLPのオペレーター役の人は、パイルアップの中から聞き取れたコールサインの局に応答して、コンテストナンバーを送り、無事にナンバー交換ができると「1点獲得」となり、また次のパイルアップが始まります。なるほど!!! そういう特訓系のゲームなんですね!
「ではMasacoさん、JA6YLPでCQを出してください」とハンドマイクを手渡され、ドキドキしながら「CQコンテスト、JA6ヤンキー・リマ・パパ、JA6YLP、お聞きの方いらっしゃいましたらお願いします」と言い終わったら、さっきよりも大きなパイルアップが! これは大変なことに!(笑)
無線班の皆さんからの猛烈なパイルアップを聞き取り、ナンバー交換をしていきます
何回かパイルアップを聞き取ってナンバー交換をして、少し慣れてきたかなあ? と思ったら、こんなこともありました。
--えーっと、JJ1タンゴ・マイク? の方、5940ホテルです!
「こちらから5911マイクどうぞ」
--すみません、ラストレターをお願いします!
と返したとたん、誰かが大声で
「周波数チェック、この周波数お使いですか?」と被せてきました(笑)
--え~。いじわる!!! でもここで経験しておくと打たれ強くなりますね~(笑)
ナンバー交換ができたらログに記入します。混信やフェージングの激しい局もいて、なかなか大変!? 鍛えられます!
突然、英語の局が現れたり、QRPで小声の局、フェージングの激しい局なども出現して、スムーズにナンバー交換を終わるのはなかなか大変! これは鍛えられました! JA6YLPと交信してQSLカードを送った各局も、まさかパイルアップ聞き取りの特訓に活用されているとは思わなかったでしょうね。これはゲーム感覚で模擬運用が楽しめるので、耳を鍛えるにももってこいですね!
九州工業大学自然科学部無線班の皆さん、ありがとうございました。「西日本ハムフェア」でお会いしたときから、みんな明るくて、和気あいあいとしていたのが印象的でした。CWモードの無線交信に新鮮な魅力を感じたり、班員との飲み会が大好きだったりと、目をキラキラさせて話してくれる様子に、私の青春が蘇ってきました(笑)。これからもコンテストや若者ハム育成の活動を頑張っていってくださいね!!
九州工業大学自然科学部無線班の皆さん、ありがとうございました♪
そうそう、松野さんから「こんなアンテナが建ちました!」という写真が送られてきました。
春休みに行われたタワーとアンテナの工事の模様です
ピカピカの立派なタワーとOB寄贈の5エレ八木(14/21MHz)が建ちました!
うわーと思わず声が出てしまいました!!! ピカピカのタワーに14/21MHz帯の5エレ八木! おめでとうございます! JA6YLPが聞こえていたら私もパイルアップに参加するので、ぜひ交信してね♪
あ、それとね! 最後にもう一言! 用意してくださったおやつ!!! 嬉しかったなぁ♪
「九州なのでやっぱりあまおうだと思って選びました!」という気持ちの分まで美味しさが増しました~!!! レッドブル! もね!!! (笑) ごちそうさまでした♪
(JH1CBX Masaco)
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