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おきらくゴク楽自己くんれん

その50 軽トラモバイルシャック用HFアンテナを考える

JF3LCH 永井博雄

2025年7月1日掲載

3. テスト運用

準備が整いましたので実際に上げてみてテスト運用を兼ねて移動運用を行いました。


電線が重すぎて上辺が垂れてしまいます

ある程度予想はしていたのですが、釣り竿で両方向に引っ張るには2sqのIV線は重すぎて、グラス竿では引っ張り切れずかなり垂れてしまいます。見た目もアンテナとしての動作も今一つの感じになってしまいました。


SWRはバンド内ほぼ1.5という状態でした

デルタ形状とは言いにくい形ではありましたが、SWRは広い範囲で1.5程度となっていました。この状態でIC-7300の内蔵アンテナチューナーを使い運用しました。バンド内にはALL ASIAN DXコンテストが開催されており、いろんな地域の局が聞こえます。順番に呼んで回ります。近隣国とは全く問題なくつながりましたが、ヨーロッパ地域の局はコンディションも安定しなくてなかなか難しかったです。一方国内でCQを出している局は近くのエリアも遠い6・7・8エリアの局も共に非常に強力に入感していました。ある程度標高があるので近くの局ともFBな場所の様です。低い地上高が幸いして打ち上げ角的に遠くのエリアとも相性がよいかもしれません。


ALL ASIAN DXコンテストにプチ参加

ある程度の実用性を確かめることができました。形状がいま一つなので全体的にブロードな特性になってしまっているような気がします。改善して出直すことにします。

4. 出直し


0.75sq IV線に変更しました

前回のIV線の長さはいい感じでしたので、全く同じ長さの0.75sq IV線を用意しました。移動運用のアンテナですので最大50Wでの運用ですから、この程度のエレメント太さでも十分だろうと考えます。


上辺の垂れは若干改善しました

組んでみるとまだ少し垂れてしまっていますが、見た感じはかなり改善されました。


21.00MHz近辺で同調している様子

SWRを計ってみると前回とは分布がずいぶんを変わってしまいました。エレメント部の平均高さが上がったことと、線が細くなり帯域が狭くなったこと、あとエレメント立ち上がり部とグラス釣り竿との沿わせ方の違いなどでこのような特性になったと推測しています。CWの帯域ではチューナーなしで使うことができたので数局を交信することができました。

同調点はもう少しエレメントを短くしておけば、上部エレメントの張り問題と相まって解決することができると考えています。今回の設置場所の条件でこうなりましたが、他の場所ではまた特性が変わるかもしれません。エレメントが長いのは間違いないと思いますが、切り過ぎては後戻りができませんので何度か使いながら合わせていくことにします。また内蔵アンテナチューナーを使い周波数の近い18MHzや24MHzにも出ることができるか試してみましたが残念ながらNGでした。当然といえば当然の結果ですね。

5. まとめとアクシデント

今回、このアンテナを使った感想は、軽くて設営が簡単でアンテナとして十分な性能が発揮でそうなので期待が大きいです。設置の方法とか見直しをかけながら、夏が終わるまで21MHzバンドを楽しみたいと思っています。

2回目のテスト中、駐車場に現場の地域の方でしょうか? 清掃作業に来られたのですが、アンテナと調整している私を見つけて「アマチュア無線やっておられるのですか?」と声をかけていただきました。2年前のALLJAの時、この場所で運用していたら通報されたらしくお巡りさんの職務質問にあってしまったのですが、今回は理解のある方の目に留まったようでホッとしました。清掃員さんに触発されて? 移動運用終了後に自車の周りのゴミを少し集めて廻っていると・・・


駐車場停止場所白線の上に落ちていました

駐めていた車の区画白線の上にルアーが落ちていました。白線を踏んでしまっていたら危ないところでした。またこの写真を撮ったあと、針がマットに引っ掛かりほつれてしまったり、落としかけた時、慌てて針が指に刺さって血が出たりで散々でした。

私は釣りをしないのでルアーを触ったことが無かったのですが、針は抜けないように返しが付いているので、深く刺さると抜くに抜けず滅茶苦茶痛いですね。魚の気持ちが正に痛いほどよくわかりました(笑)

これを落とした釣り人はわざとではないと思いますが、こんなもの駐車場に落とすなどあってはならないことだと思います。また同時に我々移動運用をしている者も十分注意しなければいけないと感じました。移動運用のメッカと言われる場所にはビニールテープの切れ端や工具、ネジやボルト、時にはアルミパイプが落ちていたりしています。「だからアマチュア無線をやっている人は・・・」などと言われないように気を付けていきたいものです。

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