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おきらくゴク楽自己くんれん

その18 製作途中の移動運用シャックを積んでハムフェアに

JF3LCH 永井博雄

皆さん、こんにちは。先月号の最後でハムフェア3日前に断熱材を貼り終えた時、ふと現状でも軽トラにシェルを載せて走行し、中で寝ることができれば高速道路を走ってコロナ禍で3年ぶりとなった今年のハムフェアに行けるのではないか? と邪(よこしま)な考えがよぎっておりました。


今回のシャック作りを考えた始めた頃は8月の初めに行われるフィールドデーコンテストあたりで初陣を飾り、その後ハムフェアにはシェルを載せて軽トラックで東京まで行こう! とぼんやり思っていました。ですから新幹線や飛行機のチケットを取っていませんでしたし、宿の予約もしていませんでした。

悪天候続きでシェル製作が思うように進まず、ハムフェアの10日前になって宿の予約だけでも取ろうとしたら目ぼしい宿は全て満室となってしまっており、この時点で今年のハムフェア訪問はあきらめかけていました。

ところがハムフェアの3日前になって、完成を見なくても条件さえ整えれば、宿と交通手段の問題は解決することが出来る環境にあることにやっと気が付いた訳です(笑)。

私の自宅は、3エリアの東端に近く1エリアに近い位置でもあり、車で行くなら大阪や兵庫の方よりかなり恵まれた環境です。初めて行ったハムフェアは横浜で行われた年、この時も高速道路を利用しての参加でした。この年は2人交代で運転でしたが、その後何度か1人の運転での移動も経験しており不安はありません。軽トラックでは仕事で浜松くらいまでが最遠ですが、その時の印象でもまだまだ走ることが出来るなという印象でしたので、軽トラックにシェルを載せての長距離でも問題ないだろうと考えました。

ハムフェアが行われる週末のお天気は局地的に強い雨が降るようですが、基本的には曇りベースの予報でした。土砂降りが続くようなことはないようなので試験使用にはちょうど良い天候と言えるかもしれません。

とにかく高速道路を安定してシェルを載せて走れるよう準備を整えることを優先して作業を進めることにしました。

現時点でハムフェア訪問のために考えられる問題点は、
・雨・防水対策が不十分
・屋根が未完成
・シャックの荷台への固定方法
・室内装備が未完成

この4点を改善すれば問題はなくなると考えました。

1. ハムフェア対策を施す

・屋根防水をどうするか
塗装は施したものの天板のべニア板1枚では移動中雨が降ったら大変なことは誰にでもわかることです。しかし未だ屋根材を何にするかも決まっていません。本格的な屋根を葺くには間に合いません。そこで今回は普通の荷物を運ぶときに使っているトラック用シートをかぶせて応急の雨対策としました。かなり不細工ですがこれならシートをかぶせるだけで済みます。長時間高速走行で耐えられるようにしっかり固定する用意をしておかなければなりません。急いで各所を回りそのためのゴムやロープを調達しました。


屋根はトラックシートで応急処置

とりあえず屋根の防水は解決できましたが、後方の上開き扉のヒンジ部分がスキマだらけです。ヒンジ上部にアルミL型アングルを付けて上から伝ってくる水を止めよう思ったのですが、あったはずのLアングルが見当たりません。最悪なかったとしても走っている限り後方では気流が渦巻き雨水の侵入はそれほど心配ないだろうと判断しました。

あとは本体の板の継ぎ目などからの雨水侵入が心配ですが、これはかなり慎重に施工していますので自分の作業を信じるしかありません(笑)。


横の窓も前窓に使ったハモニカーボを取付(仮)

雨対策その2は、枠を取り付けたものの仕様が定まらず大きな穴状態であった横窓です。とりあえずの窓の内枠は取り付け済みだったので、余っている「ハモニカーボ」の真ん中に角材とともに長ネジを通し、内枠で挟み込むようにしてはめ込みました。窓というよりフタですね(笑)。

・荷台への固定方法


土台部分の2×4材にアイボルトを取付け


アオリと荷台の隙間にベルトを通しアイボルトと下の荷物フックを固定

重要なシェルの固定方法ですが、土台部分にアイボルトを通しこれをトラック荷台下の荷物用フックに絡めたベルトで固定します。これを前後左右の4か所で行うことで、シェルはしっかりと固定され動かなくなります。軽トラックキャンピングカーにはよく運転席屋根上に収納スペースがはみ出していわゆる「リーゼント」みたいなスタイルが多く採用されています。こういった仕様では、走行時に前からの風圧でシェルを浮き上がらせる力が生まれかなり大掛かりな固定方法が必要なようですが、こちらのシェルはそれがないので浮き上がる要素は大きくないと判断しました。

・室内装備(仮)
室内は壁取付がまだでスタイロフォームがむき出しですが、このままでも支障はないでしょう。

寝床にはこのシャックで使うために購入してあった幅600mmの一人用ソファベット(マクラ付き)を使います。ベッド形態として広げた時の長さは1800mmという品物でしたが、何故か室内長1790mm程のシャック内で30mmくらいの余裕を生んでくれています。○国品質万歳です(笑)。


スタイロフォームむき出し壁も悪くないかも

室内灯は壁に購入したまま使うことのなかった、100円ショップのバーベキュー鉄板をネジで固定し、乾電池式LEDハンドライトを磁石で貼り付けました。このライトの明かりで十分な明るさを確保できました。もちろんこれも仮付けです。


鉄板の長孔が壁への固定に便利

2. 出発前試験走行

本来もう少し余裕があるはずだったのですが、運転席側窓の出っ張りが多すぎてトリイに接触してしまうため、シェルの前後長はトラック荷台とちょうど同じとなりました。これは荷物としては安定する要素でもありますが使い勝手としては今一つ。跳ね上げ式扉の誤開放防止に板をはさみたかったのですが隙間が少なすぎて工夫が必要となりました。


塗装前に荷台に載せた状態の前後


試験走行

70km/h制限の道路を走行してみたところ、シェルが車体と接触する音以外には異常を感じられませんでした。

3. いよいよ出発

本当はもっと早く出発したかったのですが、準備に思いのほか時間がかかってしまいました。決定的なのは、それこそもう出発しようとした直前に、ひょんなことから見当たらなかったアルミLアングルが見つかったのです。「もしも雨が強く降ったら」と考えると同時にアングルを適当なサイズにカットしていました。暗闇の中、急いで本体にネジで止めて本当に出発することができたのは、20時を過ぎた頃でした。もうこの時間では、途中十分な睡眠時間は取れそうにないので、初のシャック内睡眠は、2時間程度の仮眠となることが決定してしまいました。

自動車専用道路である名阪国道の伊賀サービスエリアまでは、特にゆっくり慎重に走りました。

伊賀サービスエリアで軽トラックを停めてじっくり異常がないかを確認し、問題がないことが確認できたので再び出発しました。

行きは新東名高速を使うことにしました。120km出せる区間がある高速道路ですがそんなスピードではシャックが心配ですし、ボロ軽トラックにも無理があるので大型トラックと同じくらいの速度でゆっくり走りました。


名阪国道伊賀SAで状態チェック


新東名藤枝PAで仮眠

午前3時頃に新東名藤枝PAに到着。目がもう限界と訴えてきましたので、ここで仮眠することにしました。蒸していて少し暑かったのですが、新しいソファベットの寝心地は言うことなしでした。今までのシートを倒しただけの車中泊とは比べ物になりません。


壁がスタイロフォームむき出しなので、窓から怪しいブルーの光が外に漏れる


シャック内での初めての睡眠

Twitterでフォロワーさんから、高速サービスエリアでは近くにトラックがいない場所を選ぶようアドバイスをいただきました。そういう場所に車を止めたつもりでしたが、後から近くにトラックが来てエンジンをかけっぱなしにするので、うるさくて目が覚めてしまいました。トラック内冷房の為にエンジンをかけているのでしょうが、それだけの為に大きなエンジンを動かして、大きな音を立てて大量の二酸化炭素を排出するのは何とかして欲しいですね。しかしこの迷惑のおかげで寝坊は防ぐことが出来ました。目が覚めた5時前に再出発しました。


海老名SAで朝食休憩。出発直前に取り付けた扉上部のアルミL型アングルも見える

4. 東京ビッグサイトに到着

すっかり明るくなり、朝日が眩しい海老名SAで朝食をいただきました。

ここまでくれば着いたも同然です。ほどなくして首都高に入り、開場前の東京ビッグサイトに到着しました。過去いつも利用していた駐車場が立体式となっており、大きな荷物? を積んだ軽トラを入れることが出来ないので、かなり遠くの海のそばの屋外駐車場に駐車しました。そこから会場はかなり遠く、15分から20分くらいかかったでしょうか。長距離運転に疲れた体では歩いて会場までの歩きはかなり堪えました。


ビッグサイト屋外駐車場


久しぶりのハムフェアを堪能

3年ぶりとなるハムフェアでしたが、このところの新型コロナ感染拡大の影響で訪問を見合わせた方も多く、例年通りの本格的なアイボール大会としてのハムフェアは来年に期待となりました。とはいえ多くの方々と久しぶり&初めての挨拶が出来てうれしいイベントとなりました。

しかしながら、あまり長時間会場にとどまるのも感染リスクを増大させることになるので、お昼を過ぎたころ会場をあとにすることにしました。

5. 帰る前に移動運用

会場をあとにして空に近かったガソリンを給油し、そのままプチ移動運用に向かいました。今回は過去一度も移動運用をしたことがない埼玉県で移動運用すべく首都高速を埼玉方面に向かいます。これまたTwitterでフォロワーさんから、埼玉県で移動運用するならと教えてもらった朝霞市の水門の近くでの運用です。

シャックには未だ移動運用の為の装備は整っていませんでしたが、自慢の床下収納スペースに忍ばせてあった長いモービルホイップアンテナと、シェル内に積んでおいたIC-705を使って狭い運転席でのオペレートです。10Wですが430MHzと144MHzで交信を楽しむことができました。これで関東の全都県での移動運用実施が完了しました。

残る未運用県は青森県・岩手県・秋田県・山形県・鳥取県・島根県・山口県・愛媛県・佐賀県・長崎県の10県を残すのみとなりました。早くこの移動シャックを活用して減らしていきたいものです。


埼玉県朝霞市でプチ移動運用を実施

今回の運用ではそれほど多くの局と交信したわけではありませんが、運用を始めると楽しくて夕方までとどまってしまい、帰る予定時刻をオーバーする羽目になってしまいました。

家には土曜深夜か日曜未明に帰宅すると言っていたのですが、予定の立て方が甘かったようです。過ぎてしまった時間は仕方がないので安全運転に心がけて帰ることにしました。

6. 雨の高速での試験走行

慣れない道をスマホのナビを頼りに東京インターチェンジ近くで再び給油し、満タンで東名高速に入りました。帰りは古い方の東名高速で帰ることにしました。お天気もここまでは大して強い雨はなく来ることができましたが、予報ではこれから先では強く降る可能性が高いようです。少し心配ではありましたがテストと割り切って雨が降っても突き進むことにします。

しばらく走ると急に眠気が襲ってきました。まだそんなに距離を走ってなかったのですが何とか中井PAまで走り、ここで1時間程仮眠すると少し回復してきましたので再び出発です。

途中足柄SA近くと富士川あたりで強い雨に遭いました。しかし長続きすることはなくほどなく止んでくれましたので、おそらくシャック内は大丈夫だろうと根拠のない自信をもとに走行を続けました。


日本平PAで熟睡

仮眠後しばらくは大丈夫だったのですが、100km程走るとまた眠たくなってしまいました。もう少し先でまとまった睡眠時間寝る予定にしていましたが、なかなか若い頃のようにいかないなと感じながら日本平SAで再び休むことにしました。

大雨の中を走ってきた後のシャック内は大丈夫かドキドキしながら中をチェックしましたが、雨漏りは確認できませんでした。ここではしっかり休んで疲れを取り一気に家まで帰ろうと4時間近く寝ることができましたが、深夜にサービスエリアに現れた爆音を出すスポーツカー集団のおかげで目が覚めてしまいました。

しかしゆっくり寝ることができたおかげで、あとの走行では眠くなることなく一気に家まで走ることができました。帰った時はすっかり明るくなっていました。予定よりはかなりおそくなりましたが事故もなく無事に帰れたことが何よりでした。

気になるシェルを載せた今回の走行燃費ですが、行きは約13.5km/L、帰りは12.8km/L程度となりました。行き帰りの差は走行時のエアコン使用率が影響しているのではないかと思います。普段荷物を積んでいない一般道走行で、15km/L程度の燃費です。高速道路利用がほとんどとはいえ重い荷物を積んでの燃費ですから、この程度が妥当なのかなと思います。

7. 載せて長距離を走ってみて

無事に強行ハムフェア旅行から帰ることできました。今回の製作中のシェルが構造・強度的に、高速道路移動にも十分耐えることが確認できたのは大きな成果でした。心配だった雨漏りも現在のところ確認されず、まずまずの成果が得られたのではないかと感じています。

来月は、いよいよ室内の移動運用の設備を整えていく内容にしたいと考えています。

※このシェルは、あくまでも荷物として積載しますので、人が中にいる状況では走行してはいけません。また本記事ではそのような使用方法は行っておりません。

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