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おきらくゴク楽自己くんれん

その16 軽トラック荷台に載せる移動運用シャックを作る-3

JF3LCH 永井博雄

皆さん、こんにちは。製作途中の軽トラック荷台に載せる移動運用シャック。先月は柱と梁、土台の上の骨組みが出来るところまででした。それからほどなく早くも梅雨が明けたと発表がなされ、暑いながらも作業日数を稼げるのと思っていましたが、数日の晴れのあとは台風が来てその後も戻り梅雨の天候が続き、思うように作業時間が取れなくて苦労しましたが何とか時間を作って進めていきました。

1. ヒヤリ事例が発生


作業開始前に事故が発生

いきなりですがヒヤリとした事件が発生しました。ある日の朝一番、作業を始めようと雨除けのブルーシートを外してシェルの後方部ボルト2本に吊りバンドを軽くかけ、前の部分を軽トラックの荷台後部に載せて前に引き出そうとした瞬間「ガタン、ゴトン」と大きな音が。後ろを見るとシェルが斜めになっていました。動いた拍子に片方の吊りバンドが外れ、シェルが倒れてしまい雨除け屋根を支えるパイプに引っかかり止まっていました。

パイプのおかげで完全落下は免れましたが、これがなかったらと考えると最悪の場合これまでの作業が全て台無しになるかもしれなかったとヒヤリとした事件でした。眠気まなこで作業を始めてシッカリ確認していなかったのがいけなかったようです。おかげで目はパッチリ覚めました。これからも1人での作業が続きます。今後このようなことが起こらないよう十分な注意が必要だとつくづく感じました。


製作中シェルの格納状況

雨の日が多いので必ずブルーシートのカバーをかけています。数日安定した天候が続くなら省ける作業なのですがかなりの頻度で雨が降る日が続いていますので、面倒でしんどいですがサボるわけにはいきません。写真のように脚立や合板など立てかけてめくれるのを防いでいますが、強風でシートがめくれ上がり雨が侵入しますのであまり安心しておれません。雨の間も時々大丈夫かどうか確認しています。本体の防水を早くしたいのですが、しかし塗装にたどり着くにはまだまだ時間が必要な状況です。

2. 外壁取付けと窓穴の開口作業

まずは運転席後ろの面に外壁となるT1ラワン板を貼りました。1330mm×1520mmの寸法の面なので1920mm×910mmの板1枚では貼れないので2枚となりました。貼り終えた後、窓枠スペース部分を切っていきます。


窓部分の開け方

細いドリルで複数穴をあけ、拡げてから引き回しノコを使って窓枠に沿って板を切っていきます。時間がかかる作業だと思っていましたが案外ノコの進みが早く、そう時間はかからずに完了しました。ただ真っすぐに切ることは出来ませんでした(笑)



運転席後ろから光を取り込む窓を設けました

曲がった開口部はグラインダーで削ります。これで窓の開口スペースは確保できました。そこでどんな窓をつけるかですが、走行時に何が当たるかわかりませんのでガラスは危なくて使えないなと考えています。同じ様な軽トラック搭載シェルを作っておられる方の多くは透明アクリル板を使った窓を採用されています。しかしこのアクリル板がすごく高価なのです。すでにシェルを予定の金額で作ることはあきらめざるを得ない状態なので出来るだけ節約しながら代わりになる良い方法はないか検討中であります。


側面にも採光用窓の枠を


中から外を望む

実は手間を考えて窓無しにしようかとも考えていましたが、こうやって外を見てみると、あるとないとでは全然気分が違ってきますね。開口部を作っておいてヨカッタです。


自分用なので使用期限はかまわず使いました

これまで材料購入にかかった費用は5万円を超えていて、完成までにかかる費用は予定をかなりオーバーするような感じです。できるだけ余分な出費は抑えていきたいものです。家で以前購入して使わないままのコーキング材がありました。使用期限は少し前に切れていましたが、自分用なので自己責任で柱と板の間に使ってみました。保管環境が良かったからでしょうか、硬くなっておらず問題なく使えました。柱や梁と板の間にコーキング材を詰めておきました。素人なのでこれが適切な使い方かどうか定かではありません。しかし何もしないよりはいいだろうという判断での作業です。いざ雨水が侵入したりすればちょっとした隙間から侵入してしまうわけで慎重に作業を進めていきます。

【くんれんコラム】
ポケットダイポールアンテナの軽量化

言い訳になりますが、移動運用シェル造りは屋外での作業となりますので雨が降ると作業できません。雨の降る日にはアンテナの改良作業をしていました。

記念すべき連載スタートを飾った50MHzポケットダイポール記事では、エレメント取付け根元にM型コネクターを使っていました。丈夫で信頼性に富む造りなのですが、これがそれなりに重いのが気になっていました。使っていた1.4m伸縮エレメントの底には4mmのネジ穴が開いているので、それを利用して直接給電部と接続できるようできないか検討して改良してみたら上手くいったので紹介させていただきます。13mmの塩ビキャップから4mmネジを出すように加工します。


写真左の2枚はナットを埋め込む為にネジを裏側から取り付けている

キャップ先端中央に6.5mmドリルで穴をあけ、ヒートガンで温めて柔らかくし穴より少し大きい4mmのナットを埋め込みました。キャップを温め過ぎると下の差込み部分が変形してしまい13mmパイプが入らなくなるため、パイプ接続部分を水に漬けて上部を熱しました。上手く埋め込みできたら15mm長さの4mmネジにワッシャを噛まして、中から回して出してくればOKです。T字管はそのまま使うと幅が長くなり携帯性に乏しくなるので10mm削って幅を縮めました。短くし過ぎると接続するための13mmパイプが入らなくなるので注意が必要です。10mm以上は難しいでしょう。




3. 天板の取付け

当初、屋根は真っ平にすることにしていましたが、どうも屋根が平面になっていると時間が経つと凹みが生じ、水が溜まる箇所が出来てしまい止まったままですと、長期間水が残るのであまりよくないことがわかってきました。雨漏りのリスクが高くなりますが15mmセンターの梁を高くし前後は低いままにしました。つまりゆるいドーム形状の屋根にしてみました。これにより全高も1525mmから1540mmとなりました。


センターの梁を15mm程高くし前後は端に合わせます

これによって天板は両サイドと真ん中部分をねじ止めする形になるので、しなって曲線になった部分を合わせてみましたが何とかスキマを少なく合わせることができました。この上に屋根材を貼る予定にしていますがそれもうまくいくかどうかは今の時点ではわかりません。ただ時間が経ってズレが生じたら雨漏りなどのトラブルの元になるような気がしています。しかしもう後戻りはできません。これが原因で雨漏りが起こらないことを祈るばかりですがどうなるでしょうか(汗)


天板を貼り終えました

天板を貼り終えて中に入ってみます。窓の部分開いたままですが完全なプライベートスペースが出来あがりました。しばらく横になってボーっとひとときの満足感に包まれました。このまま扉を付けて完成にできないかなんて考えてしまいましたhi

4. 載せ降ろし作業

冒頭ヒヤリ事件で弱点が露出してしまいましたが、当分このやり方で作業の度に出し入れしなければなりません。この日、天板を張り終えたあと夜には雨が降るという予報でしたので暗くなる前に格納作業に入ります。


ゆっくりバックでシェル部を納めます

この日は1日中上に写真の状態で作業を行いました。ゆっくりバックをしながら雨よけヤード内にシェルを納めていきます。ある程度まで収まったら吊りベルトで引っ張って4箇所ある吊り下げ用ボルトにかけて少し浮かします。


シェルが浮いた状態でトラックを前に出します

シェルが浮いたらトラックを前に出します。この作業はこの日最後の楽しい作業でもあります。古い話ですが子供の頃に大好きだったテレビ「サンダーバード」の2号機のコンテナ脱着シーンを思い浮かべ頭の中でテーマ音楽流しながらの作業であります。

トラックが離れたら荷台の高さに合わせた台を入れ、吊りベルトをゆるめて降ろしブルーシートをかぶせて完了です。

5. 今月はここまで

予定では、今月は断熱材取付や屋根材張り、窓も仕上げられたらというつもりでしたが作業時間が全く足りませんでした。一つ一つのステップに時間がかかり過ぎて、いかに自分がどんくさいかもよーくわかりました。早く梅雨が明けたので一気に作業を進めるつもりでしたが、自然は早すぎる梅雨明けのつじつま合わせをしていたようです。

まだまだ各ステップで多くの問題が残っています。屋根材はどうすればうまく雨漏りを防げるか? 窓の材料をどうするのか? 窓は開くものにするのか? 出入口はどうするのか? 様々な課題が山積していますが、検討を重ねながら一歩一歩進めていきたいと思っています。

それでは続きはまた来月号で。

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次号は 12月 1日(木) に公開予定

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