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Masacoの「むせんのせかい」 ~アイボールの旅~

Masacoの自由帳

第七回 今この一瞬を生きるということを教えてくれたあなたへ

JH1CBX Masaco

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2021年もあと僅かで終わろうとしている。コロナ禍でもこの1カ月は身動きが取れやすくなり、今まで萎んでいた風船がパンパンになったように、都内も新幹線も観光地も笑顔が弾む光景がある。まだまだ油断はできないけれど、ちょっとだけ自由を手にした気分で、私も久しぶりに友と会ったり、お世話になっている方にご挨拶へ行ったり、会食で交わす言葉もなんだか新鮮でエネルギーの交換ができている感覚はとってもありがたい。ある方が、「簡単に人に会うことすらできなくなってしまった今、人付き合いの深さを試されている気がします。この約2年間、今までと変わらず心にかけてくださる人、パッタリ連絡が途絶えた表面だけの付き合いだった人・・・ 良くも悪くも人が見えました・・・」と。ハッとしたが、心の目を鍛える時間に捉えるなら、それも生きていくには大事なことだと思った。

ヘルシーな人間関係

私自身振り返ってみると、人間観察をすることで、心が健康でいられる環境を求め、息のしやすい道を選ぶようになっている・・・。お仕事でも攻撃的な人と関わることがかなり減ったように思う。試行錯誤のこれまでの経験で、裏切られたり、悔しい思い、苛立つ気持ち、失敗、すべてひっくるめ、生まれる感情の中で、人に教えてもらう学びは大きいなぁと今なら思えるようになってきた。「人なんてそんな簡単に変わらへん、自分が変われば相手が変わるんや」、「自分が苦手やと思う人とどうしても仕事上付き合わないといけないなら、どうせなら味方になってもらえば怖いものなしやー」と私を育ててくれた社長がよく声をかけてくれたことを思い出した。節目節目で社長には人生観を教えてもらって今がある。

いつかではなく今を大事に

私は社長との出会いで、人としての心構えも、声のお仕事の原点も見出していただいた。第一回目の記事の中に「アナウンススクールの社長さん」で登場するのが、私の芸能の師匠。まだまだこれからは私が恩返しの時間♪ と思っていたのに、突然の病で、あまりにも早く天国へ旅立ってしまったのが12月・・・。もう7年が過ぎようとしている。社長がお元気だった生前のお話をちょっとしますね。毎年のように12月に事務所に顔を出すと、ガックリと肩を落としハガキを眺めている姿を目にするようになった。ここ数年は特に年末は悲しいお知らせが多いと。「あの時に会っておけばよかった。もっと話したいことがあったのに・・・」、「また近いうちに会いましょうと言っていたのに悔やまれる・・・」という思いを聞き、涙を浮かべて「Masacoはあの人に会いたい! と思ったらすぐに行動に移す生き方をするんやで。またいつか会いましょうの「いつか」は、永遠にないから・・・」と。その時の言葉は重く「いつかではなく、今を生きる」意味を語ってくれたのです。

むこう岸を褒めてもらえたあの日

家に帰ってすぐに社長から聞いた思いがどんどん歌詞になって溢れた。その後、社長に見せたところ「これは良い! 皆に通じるものがある! 曲を付けて次回作にしよう」と言ってもらい、めったに褒めてもらえない私が舞い上がったのを覚えている。それが「むこう岸」の原点。作曲は誰にお願いしよう?・・・ となったとき、実は私も社長も同じ方を浮かべていたのでした。さあ! 本格的に制作を始めよう! という矢先に、むこう岸へと渡ってしまった社長・・・。早すぎました。全てがストップしたまま月日は流れ、春を迎えた頃にお別れ会の話をいただき、そこでこの曲を完成させて聞いてもらいたい! という思いが沸いたのです。作曲は社長も私も大好きなヒナタカコさんへ依頼。「彼女は宇宙を歌う。この詩にぴったりや」と言ってくれた言葉を胸に感謝の気持ちを込め、お別れ会で一番に聞いてもらった。その場に同席されていた参列者の方から後日、この曲をライブでも聞きたい、CDにしてほしいとお話をいただき、皆さんの思いを受けてようやく形になった「むこう岸」。上京当時から支えてくれている、社長のことが大好きだったメンバーと呼吸を合わせて、「せーの」で一発録り。あの時の空気も思いも真空パックのように詰め込んだ。


左からギター: 山口和也、アレンジャー&サウンドプロデューサー: 高藤大樹、ピアノ&作曲: ヒナタカコ、ウッドベース: 須長和広、パーカッション: 福長雅夫、写真に写ってないですがバイオリン: 菅野朝子

追悼歌というと寂しい歌に聞こえるけれど、大事な人が命をもって教えてくれたことを心に刻んで精一杯生きていきますという前向きな思いを込めている。


「むこう岸」これまでもこれからもよろしくお願いします。

決して大きなバックアップや媒体があるわけじゃないけど、人の手から手にじわじわと広げていただいている道の途中、カラオケのDAMの機種に入れていただいたんです。天国で社長はコロナに関係なく、笑いを取りながら、朗らかに歌ってくれている姿が浮かんでくる12月。(笑)


松田聖子さんに囲まれてなんとも光栄!!! タワーレコードでいつも応援いただいています。

見つめなおす時間の中で

読者の皆様も、コロナ前まではカラオケで歌ってくださっている方が本当に多かったんです。世代を超えて歌い継いでほしいと思える楽曲に私自身巡りあえたことがありがたく、もしかしたら、社長が大きな使命を与えてくれたのかもしれません。もっともっと生きたかった人の思いと、伝えたかったであろう言葉も一緒に、私は歌を通して、心から心へと届けていきたいと強く思っている。一人一人の応援の力の結集で私は前へ進めている。感謝と誇りをもって、この1年を締めくくりたい。色々と見つめなおすコロナ禍の時間の中で、本当に大事な隠れているものが見えてきた。支えてくださる皆さん、出会ってくれた皆さん、いつもありがとう。どんな時も変わらず待っていてくれるあなたがいると思うと今日も一人じゃない! と、心が晴れやかに過ごせるよ。むこう岸に立つあなたのもとへこの声は届きますか・・・。

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次号は 6月 1日(水) に公開予定

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