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ICOM SHF Project ~SHF帯への挑戦~

アイコム株式会社は昨年12月、「ICOM SHF Project ~SHF帯への挑戦~」をテーマに掲げ、2.4GHz帯、5.6GHz帯に対応するアマチュア無線機の開発に着手したことを発表した。合わせて同社ホームページ内に同プロジェクトの紹介を行う特集ページを開設した。


同社が公式ホームページ内に開設した特集ページ「ICOM SHF Project ~SHF帯への挑戦~」(https://www.icom.co.jp/lp/shf/)

同社は1964年7月に株式会社井上電機製作所として設立(創業は1954年4月)。アマチュア無線機として初めてアナログ式PLLシンセサイザーを採用した「IC-200」(1972年)や、独自開発のLSIを採用し周波数のデジタル制御と2VFOシステムを実現した「IC-221」(1976年)、販売累計200万台を達成したハンディ機「IC-2N」(1980年)など、独創的な無線機器の開発で、世界をリードするアマチュア無線機器メーカーとして発展を遂げてきた。また近年では卓越した開発力とデジタル技術を活かし、業務用無線機器や船舶用無線機器、衛星通信機器などの分野でも世界市場に向けて多数の製品を送り出している。


アマチュア無線機から業務用無線機器まで、同社は卓越した開発力とデジタル技術で無線業界をリードしている(イメージ写真)

一方、現在のアマチュア無線界に目を向けると、市販されている無線機の大部分が1.2GHz帯以下のアマチュアバンド用のもので、広い周波数が割り当てられている2.4GHz帯(2400~2450MHz)や5.6GHz帯(5650~5850MHz)、その他のSHF帯では、技術的なハードルの高さもあって、あまり利用が進んでいない。2021年12月23日現在、日本のアマチュア無線局数は38万596局だが、このうち144MHz帯で免許を受けているのは35万2452局もあるのに対し、2.4GHz帯は5,963局、5.6GHz帯は6,323局しか免許されていない状況だ。


2021年12月23日現在の日本におけるアマチュア無線局数と、主なバンド別の免許局数。最も多いのは144MHz帯で352,452局に免許されているが、2.4GHz帯は5,963局、5.6GHz帯は6,323局しかいない

同社はここに注目し、アマチュア無線の新しい楽しみと可能性を示すために、同社の技術力をフルに活用し、2.4GHz帯や5.6GHz帯の画期的なアマチュア無線機を開発する方針を固めた。同社ホームページの発表内容は次のとおり。



ICOM SHF Project ~SHF帯への挑戦~

アイコム株式会社(本社: 大阪市平野区、代表取締役社長: 中岡洋詞)は、半世紀以上に渡り培ってきた無線通信技術とゼロからモノを産み出す創造力を活かし、新たなプロジェクトへの取り組みをスタートさせました。

「ICOM SHF Project ~SHF帯への挑戦~」をテーマに掲げ、2.4GHz、5.6GHz帯に対応するアマチュア無線機の開発に着手しました。

多大なケーブル損失、求められる高次元の周波数安定度など、SHF帯ゆえの数々の難題に、アイコムの技術者が一致団結し、研究、開発に取り組んでいます。そして、最終的には製品として市場への投入を目指しています。

これまでは機材、技術的にハードルが高かったSHF帯を、誰もが気軽に運用できるバンドにするために、そしてアマチュア無線の新しい楽しみと可能性を示すために、アイコムは誰も想像しなかったSHF帯への対応という画期的なアマチュア無線機の開発を進めています。

どのようなアイディア、技術が投入されるのか、どのような機能、デザインになるのか、アイコムの新たなる挑戦にご期待ください。



同社は、SHFプロジェクトの紹介を行う特集ページを開設。今後のプロジェクトの進捗状況はここに掲載されていくとみられる。同ページからは「ICOM SHF Project ~SHF帯への挑戦~ Vol.1」と題したPDFリーフレットもダウンロードできるようになっている。今後「Vol.2」「Vol.3」が順次公開されるのも楽しみだ。


「ICOM SHF Project ~SHF帯への挑戦~ Vol.1」と題したPDFリーフレット

アマチュア無線家と共に歩み、アマチュア無線を知り尽くした同社が開発する2.4GHz帯、5.6GHz帯の無線機はどのような仕様で、どんなデザインになるのだろうか。想像するだけでワクワクするというアマチュア無線家も多いことだろう。今年のプロジェクト進捗に注目していきたい。

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次号は 12月 1日(木) に公開予定

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