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Masacoの「むせんのせかい」 ~アイボールの旅~

Masacoの自由帳

第十回 起こることすべてに意味がある、プラス思考へ

JH1CBX Masaco

「壁」このテーマで皆さん、何を浮かべますか? これは私が初めて受けた就職試験の作文問題です。「壁を題材に文章を書きなさい」

最近は3月1日が就職活動の解禁日ということで、「さあ、これから!」とまっさらな革靴と新調したシワ一つないスーツに身を包み、意気込む学生さんの姿が浮かんできます。私が就職を意識し始め、動き出したのは遅くて、ギリギリだったなぁと懐かしくなりました。

就職活動

幼い頃は、「大きくなったら何になりたい?」と聞かれると、「幼稚園の先生」と答えていました(ちなみにこの頃、歌手になりたいなぁ! と思った時期もあったのですが・・・ 恥ずかしくて誰にも言っていません・・・)。ただ、中学生で陸上競技に目覚めてしまい、まずそこで道が分かれました。幼稚園の先生や歌手は頭の片隅にもなくなってしまい、青春時代の真っ只中は、つくづく陸上以外は何も興味がない学生時代を過ごしたなぁと。

当時は、就職してからも陸上に関わりたくて、でも体育科ではなかったので、地元に残るにはなかなか縁がありませんでした。いざ就職活動となると、重い腰が上がらず友達がどんどん内定をしていく中で、かなり出遅れて置いてけぼりでした。周りは肩の荷が下りたように旅行の話で盛り上がり、だんだん焦りと両親にも申し訳ない・・・ という思いで、就職先を探し始めました。自分自身の興味を掘り下げていく中で、「楽しそう!」と共感した会社にチャレンジしました。そこで出題されたのが、「壁」の作文だったのです。壁紙! ベルリンの壁? 壁?! ・・・ 壁にまつわるエピソード・・・ 想像を膨らました私の切り口は「60秒」でした。これは陸上競技の400メートル走を始めた頃に60秒という壁がなかなか手強かったことを書きました。面接でもドアを開けた瞬間に合否が決まると聞いていたので、作文も最初の1行で勝負が決まる! 続きが読みたいと思ってもらえる出だしが大事! と思い込んでいました(笑)。後日、二次試験の合格通知と添削された作文が届き、ありがたい感想が書いてあったのを覚えています。どこを受けたかというと「新聞社」、学生時代に何度かインタビューを受け、新聞に載せていただいた事がありました。その記事は今でも母が大事に残してくれていますが、形が残るというのは本当に嬉しくて、今度は逆の立場で選手たちの輝いた姿や思いにスポットをあてられる仕事もいいなぁと、初めて興味を持った職業が新聞記者でした。でも最終試験で選考からもれてしまいました。当時の作文は大事に取っています。今でも、見返しては勉強になります。起こったことを全てプラスに考えるようになると、どんな場面でも前向きに、自分の心もフラットに保てるようになりますね。

そのタイミング、その一言で・・・

やっと、新聞記者という目標をみつけたけれど、あっという間に消えてしまい、それからはエントリーが間に合うところを・・・ と、放送局、百貨店、社長秘書?!等・・・ 受けた記憶があります。でも「なぜその会社を選んだのか」という明確な思い入れがなく、世間体で就職したほうがいいから・・・ というのが本音でした。自分の気持ちが中途半端だから、志望動機にも情熱が入らないし、本気でぶつかっている他の学生とは目の色が違う・・・。自分でも明らかにわかりました。案の定、ダメでした。

将来があまりにもぼんやりしてしまった時、たまたま高校の恩師とバッタリ遭遇し、「就職うまくいったか?」と聞かれ、目標がなくて何も手つかずと伝えました。するとものすごく親身に心配してくださり、「公務員なら今から提出しても間に合うところが残ってるよ、頑張ってみないか・・・」と色々調べてくださって、そんなことがきっかけで、公務員の人生を歩んだ時期があります。恩師のエネルギーに圧倒され(笑) 「ラストスパートにかける! 最強の教養試験」の見出しが躍る問題集を、一か八か短期集中で勉強しました。ちなみにこのくだり・・・ 私が「第二級アマチュア無線技士」の勉強をした方法と同じです・・・ (笑)

出会いによって成長する

振り返ってみると、お世話になった先生や部活の仲間、職場の人、いろんな人との出会いで私の人生は大きく変わっています。日々選択の中で、紆余曲折がありながらも、今日出会う人が人生を変える運命の人だという可能性があるということを学生時代に経験しました。あの日、あのタイミングで恩師に出会っていなかったら、公務員という選択肢はなかったわけで・・・。社会人を経験したことで、苦手だった上司とのコミュニケーションの取り方も先輩にアドバイスをいただきながら付き合い方を学びました。5月のゴールデンウィーク明けには、働くことがつらい時期もありましたが、まずは3か月だけ頑張って、それでもダメならまた考えよう! と気にかけてくださる先輩の言葉で前を向いて・・・ の繰り返しで、気が付いたら1年が過ぎているという感じでした。その頃には、「ここで1年頑張れたなら、もうどこの部署に行っても、どこの会社に行ったとしても大丈夫!」と言っていただき、大きな自信に繋がり、扉があいたようでした。「新人はみんな根をあげて続かないから、あなたも最初は難しいかなぁと思ったけど、スポーツで鍛えた精神で踏ん張ってくれたことにありがとう」と先輩から言葉をかけていただき、涙していたあの日も無駄ではなかったと思ったのです。物事を違った角度から見たら、また新しい見え方もあるという気持ちで前向きに捉えると楽になることも知りました。そしてこの経験があったからこそ、音楽の道へ飛び込んだ今も、あきらめず、楽しくこの業界でお仕事ができています。これまでの出来事が点から線になっていく感覚の中にいます。

一期一会、でも断る勇気も大事

明るい日差しが多くなり、雪解けとともに春を感じながら、道を選んでいく季節。慣れないこと、何か新しいことを始めることはとても大変だけど、まずはゆっくりでも最初の1歩を! 辞めたくなったり、失敗したり、すぐに結果が出なくて焦ったとしても、それでも歩き続けると、気づいた頃に成長して、答えが明確になっているかもしれません・・・。今できることをひたすら続けていくことは、とってもシンプルだけど、大事なことだなぁって思います。私がずっと大切にしている言葉・・・。「何も咲かない寒い日は下へ下へと根を伸ばせ、誰かがきっと見てくれている、そして時が来たら必ず花が咲くから信じて進め」

今は就職活動もWeb面接など、オンライン化が進み、地方の方は間口が広がって良かった面もあるようですね! でも一方で、一度も対面なしというところもあり、お互いの思いや理解の深さなど、難しいこともあるだろうなぁと思います。このような状況なので、人と会うことすら容易ではないけれど、どんな人と出会い、何を学び吸収していくか・・・。常にアンテナを張って、自分にも問いかけています。すべては一期一会。でも、その時に自分に必要のない出会いはきっぱりと断る勇気も! と、言われたことがあります。ちょっとした心づかいで一瞬の出会いの中にも最高の瞬間が作れたなら、人生は明るい方へ変わっていくのかなぁ。そんなことを心に置きながら、新しい春へ希望を見つけていきたいです。そして、コロナの終息、1日も早い世界平和を祈りながら、この記事がアップされる頃には世界が穏やかに収まって子供たちの涙が消えてあたたかい安堵の笑顔になっていてほしいと願っています。

下の言葉は、月刊FB NEWS内の「Masaco、大人の社会科見学!」で以前、シャープミュージアム(奈良県天理市)を取材させていただいた際に、展示されていたシャープ創業者の早川徳次氏の創業への思いです。私の心に響いて写真を撮っていたので、載せておきますね。



★ちなみにシャープミュージアム(奈良県天理市)の内容は、「Masaco、大人の社会科見学!」に詳しく載っていますので、ぜひこちらも覗いてみてくださいね!!!

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