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日本全国・移動運用記

第78回 福島県中部移動

JO2ASQ 清水祐樹

福島県は市町村の数が多く、地域によっては運用のリクエストが多くあります。1月の3連休に、福島県の中部で移動運用を行いました。

計画

今回の移動運用は2泊3日で、3日目は午前中だけ運用する予定の、実質2.5日間です。時期的に山間部は積雪が多く移動運用が難しい地域もあることから、県中部を中心に、1か所の滞在時間を平均1.5時間程度とする、いわゆる早回り移動で計画を立てました(図1)。

移動の時間を節約するため、高速道路や自動車専用道路を最大限に活用しました。1日目は東北自動車道で福島県に入ると最初の通過地点になる白河市で運用を開始し、東北自動車道で本宮市に北上してから、隣接する市町村に移動しました。

2日目は、福島市から運用を開始し、リクエストが多かった双葉郡での運用を検討したところ、沿岸部への町村への往来に時間がかかるため、双葉郡は内陸部にある葛尾村・川内村だけで運用しました。

3日目は午前中に4か所での運用としました。郡山市から須賀川市に短時間で移動し、さらに岩瀬郡、石川郡のそれぞれ1か所で運用するため、隣接する岩瀬郡鏡石町、石川郡玉川村で運用しました。


図1 福島県移動のルート

1日目(1月8日) 白河市から北へ

最初の運用地である白河市では、工業団地にある空き地で運用しました(写真1)。朝の気温は-5℃で、筆者が居住する愛知県の平野部では体験できない寒さです。サテライト通信は、この連載でも紹介している通り、運転席の窓を全開で運用するため車内も寒さが厳しく、完全防寒体制で臨みました。


写真1 白河市での運用の様子

本宮市は公園の駐車場で運用しました。8時を過ぎても7MHz帯の近距離はスキップする伝搬のコンディションで、この原稿を執筆している2月中旬のような、昼間に近距離が強力に聞こえる状態とは大きく違いました。結局、3.5MHz帯と7MHz帯のQSO数が同じという結果になりました。

安達郡大玉村は公園で運用しました(写真2)。10時台でも3.5MHz帯が聞こえており、7MHz帯と10MHz帯はスキップ気味で信号強度の変化が激しい状態ながらも、何とか交信できました。


写真2 大玉村での運用の様子

午後からは伊達郡川俣町に移動しました(写真3)。この付近は積雪量が多く、公園の駐車場などは除雪が追いついていないため利用が困難な場所もありました。ここでは1.9MHz CWのリクエストがあり、通常では昼間は遠距離との交信が困難にもかかわらず、伝搬のコンディションが悪いことが影響して、15時前後に7局と交信できました。


写真3 川俣町での運用の様子

その後は二本松市の河川敷に移動しました。場所的には 大玉村-二本松市-川俣町 が最短ルートになります。しかし、二本松市のリクエストが多かったので、ローバンドで多くの交信ができる夕方の時間帯に設定しました。1.9MHz帯では今回の運用で最多の36局と交信できました。夜になって風が強くなり、雪も降り始めたため、日没で完全に暗くなる前に撤収しました。

2日目(1月9日) 福島市から東へ、そして南下

福島市では、周辺に車が駐車していないホテルの駐車場で、モービルアンテナ基台に取り付けるタイプの自作ホイップアンテナを使用して運用しました。最低気温は-5℃で、交通量の少ない道路は路面の一部が凍結していました。サテライトの運用のために車の窓を開けていると、スマホが冷えてバッテリーの電圧が低下し、電源が落ちてしまうほどでした。

伊達市から飯舘(いいたて)村に移動する途中の道は積雪が多くなり、もともと交通量の少ない道でもあって路面状況が悪く、慎重に運転しながら移動しました。移動に時間を要したため、飯舘村では短時間の運用になりました(写真4)。


写真4 飯舘村での運用の様子

双葉郡葛尾(かつらお)村の中心部は周囲が山に囲まれていました。サテライト通信の運用のためには高台で周囲が開けた場所が望まれます。しかし、高台にある運動公園などは道路が雪に埋もれて進入できず、村の中心部でサテライトの方向だけが少しだけ開けている場所を見つけて、何とか交信できました。

双葉郡川内村は比較的広い平地があり、雪が降った後で地面が泥だらけになっていたものの、運用に適した場所を確保できました(写真5)。ここでは、今回の移動運用で初めて14MHz帯で交信できました。伝搬の状況から考えて18MHz帯は期待できないと判断し、7MHz帯や3.5MHz帯の運用に注力しました。


写真5 川内村での運用の様子

田村市は高台にあるグラウンドの駐車場で運用しました。雪解けの後で地面がぬかるんでおり、長い距離を歩いて移動することが難しいので、ローバンドの運用は広い設置スペースを要するダイポールアンテナや逆L型ロングワイヤーではなく、釣竿に沿わせた垂直ワイヤーとオートマチックアンテナチューナーで妥協しました。

田村市から田村郡三春町まで、西に30km近く移動して、三春町の高台にある運動公園で運用しました。この場所には雪は無かったものの、夜になって冷え込みが厳しくなりました。

3日目(1月10日) 郡山市から福島空港へ移動

3日目は、郡山市の市街地にある公園で運用を開始しました。路面にはところどころ雪が残っており、歩くと滑りやすくなっている場所もありました。

須賀川市はスポーツ広場で運用しました(写真6)。ここでは、伝搬のコンディションは前日よりも良さそうな感じでありながら、午前中だけで4か所を回るため時間が取れず、残念ながら1時間だけの運用になりました。


写真6 須賀川市での運用の様子

岩瀬郡鏡石町は公園の駐車場で運用しました。このあたりは周囲に高い山が無く、建物も少ないため衛星からの信号は長時間聞こえました。特に、南側に広いグラウンドがあって開けており、HF帯の伝搬も良好な感じでした。

石川郡玉川村は、福島空港に隣接する公園で運用しました(写真7)。高台にあり、方向によってはかなり遠方まで見通せました。天気が良く、快適な運用が楽しめました。


写真7 玉川村での運用の様子

結果

QTH、運用日、バンドごとのQSO数を図2に示します。7MHz帯の伝搬のコンディションが悪く、7MHz帯よりも3.5MHz帯の方が、合計のQSO数は多くなりました。

福島県にはD-STARのレピータが多く、福島大玉430、福島医大430、福島430、郡山430、郡山鶴見坦430、須賀川430の各レピータでQSOできました。


図2 各運用地点でのQSO数。サテライトはCW/SSB、430MHzはDV(D-STARレピータ経由)、その他のバンドはCW。

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次号は 9月 1日(木) に公開予定

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