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Masacoの「むせんのせかい」 ~アイボールの旅~

第62回 日本スカウトジャンボリーの体験局 兼 特設局(8N18NSJ)を訪問

Masacoの「むせんのせかい」 ~アイボールの旅~

こんにちは! Masacoです! 大好きな夏が終わったかと思うと、目に入ってくるのは“おせち”や“年末”という文字・・・。秋を飛び越え、焦りを感じてしまいますが・・・(汗)。時代は走っているけど、過ごしやすいこのシーズンは一息ついて秋の深まりを感じたいですね。

楽しいイベントがたくさんあるだけに、天気予報にもハラハラしながら、9月後半は大きな台風が立て続けに上陸し、落ち着かない日々でした。皆さんのお住まいやアンテナはご無事でしたか? 私はベランダにチョロッと顔を出している小さなアンテナでさえ気になって気になって・・・。大きなアンテナのお家は気が気じゃない時期ですよね・・・。低気圧の影響もあるのか、1日中なんだか眠気でシャキッとしなかったり、朝晩は肌寒さを感じるのでお風邪などもひかれませんように。

さて、今回の「むせんのせかい」は、8月上旬に東京都八王子市で開催された「第18回 日本スカウトジャンボリー」の会場にお邪魔し、日本ボーイスカウトアマチュア無線クラブ(JA1YSS)の皆さんが行った臨時体験局の運用などを見学させていただきました。

第62回 日本スカウトジャンボリーの体験局 兼 特設局(8N18NSJ)を訪問


アマチュア無線家の中には、ボーイスカウトの活動経験のある人が結構いらっしゃるようです。“小中学生のときだけやっていました”という人もいれば、“大学卒業までやりました”とか“社会人になってからも指導者として”、さらには“自分の子供がスカウトになり、それまで関わりはなかったが、大人になってから指導者になった”といった方も!?

これまで「むせんのせかい」に登場していただいたハムの皆さんの中にも、現在もボーイスカウトの活動に関わっている方がたくさんいらっしゃるようです! でも、「むせんのせかい」でボーイスカウトの取材をするのは今回が初めて! ワクワクしながら東京都の西部、八王子市に向かいましたよ~。

お邪魔したのはJR八王子駅から北へ約2.5kmのところにある、ボーイスカウトが管理している「ひよどり山キャンプ場」。ここは8月5~10日の6日間、「第18回 日本スカウトジャンボリー」の中央会場になっていました!


「第18回 日本スカウトジャンボリー」の中央会場、ひよどり山キャンプ場に到着!

入口について「到着しました!」という写真を撮っていると、日本ボーイスカウトアマチュア無線クラブの安田さん(JP1WAU)がいらっしゃいました。

「Masacoさん、暑い中ありがとうございます!」

--安田さん、今日はメッチャ良い天気ですね。よろしくお願いします!

広い会場内を一回り

まず、安田さんのご案内で会場を一回り! ひよどり山キャンプ場はボーイスカウトが管理している施設で、面積は約12,500平方メートル、東京ドームのおよそ4分の1という広いキャンプ場です。


メインゲートから見たひよどり山キャンプ場。右側が日本ボーイスカウトアマチュア無線クラブのテントです!

見渡すと、テント!テント!!テント!!! 運動会や町内会の行事で使うような大きなテント(屋根に「杉並第6団」、「立川第1団」といった団の名前が書かれています)から、少人数で寝泊まりする小さなテントまで、たくさん並んでいます!


団の名前が入った大型のテントが並んでいます。団旗もたくさん見えますね!


宿泊用の小型テントがズラ~リ!

--安田さん、テントの数がすごいですね。参加者はここで寝泊まりするのですか?!

「はい。150人以上がここで寝泊まりします。途中で別の会場に移動する参加者もいますが、今回のジャンボリーは基本的に5泊6日のプログラムになっています」

安田さんに伺ったら、今年は全国で約14,000名が、8月7~8日を中心にした期間(ジャンボリーサマー)におよそ290の会場でキャンプやイベントを行う予定だそうです!!

この「日本スカウトジャンボリー」は、4年に1回開催される日本のボーイスカウト最大の祭典で、これまでは1つの会場に2~3万人が集まって行われていました。でも今回はコロナ禍のため、会場を全国に分散させて開催。代わりに動画共有サイトのYouTube上で「ジャンボリー大集会」を開催するほか、SNSでスカウト同士が交流できるように工夫されています。


第18回 日本スカウトジャンボリーの公式サイト(https://18nsj.scout.or.jp/)

また、全国共通のルールで、どこの会場からでも「日本一」を目指すことができるプログラムも用意されているとか! 同じ規格の木の棒や竹竿、ロープを使って、自分たちの班旗を基準の高さに掲げるまでの時間を競う「班旗立て」、決められた量の薪を使って一定の高さに張った麻紐を焼き切るまでの時間を競う「火起こし」、お題のキーワードを手旗で伝言リレーして、最初の人から最後の人まで伝わる時間を競う「手旗」などなど、説明を聞いているだけで楽しくなってしまいました! 日本一はどこの班なのかしら!?

中央会場のひよどり山キャンプ場に集まった皆さんも、たくさん用意されたプログラムに参加したり、毎日の食事作りなどを通じて仲間同士の交流を深めていくそうです。


参加者が竹竿と木材を組み合わせて、塔のようなものを製作中! 「これはボールを遠くの的に向かって投げる装置“投てき機”ですね」と安田さん

アマチュア無線のテントへ

会場を一回りしてから、メインゲートのすぐ隣にある、日本ボーイスカウトアマチュア無線クラブのテントへ向かいました。テントの両脇にはHF~50MHz帯のGPアンテナ、HF帯のワイヤーダイポール、144MHz帯と430MHz帯の八木、GPなどが取り付けられていて、遠くからも目立ちます!


日本ボーイスカウトアマチュア無線クラブのテント。メインゲートの横にあり、いろいろなアンテナが建っているので目立ちます!


テントには「アマチュア無線体験受付中!! どなたでも体験できま~す」と書かれた受付がありました!

テントの中にはIC-7851、IC-9700などアイコムの無線機が並び(アイコムはボーイスカウト日本連盟の公式スポンサーで、今回のジャンボリーのオフィシャルサプライヤーにもなっています)、第18回日本スカウトジャンボリーの特設局「8N18NSJ」が運用されています。普通の記念局ではなく、臨時体験局としての免許も受けているのが特徴です。まだアマチュア無線の資格を持たないスカウトの皆さんが、ここからアマチュア無線の体験交信が可能です!


無線機はオフィシャルサプライヤーのアイコムが協力。8N18NSJは固定局(移動しない局)で200W免許を受けているので、IC-7851も登場!


144MHz帯と430MHz帯の運用コーナーにはIC-9700が配置されていました


8N18NSJのQSLカード(見本)

「では、Masacoさんの訪問を記念して、セレモニーを行います!」と安田さん。テントの中にいたスタッフの皆さんも集まってくださいました。

え、セレモニーって何?・・・と思ったら、日本地図に「18th NIPPON」と書かれた、ジャンボリー記念のネッカチーフをいただき、私の首にかけてくださいました。そしてチーフリングと「JH1CBX Masaco」と書かれたネームプレートも!! 「これでMasacoさんも私たちの仲間ですね」って、めっちゃ嬉しいですー!


第18回 日本スカウトジャンボリー記念のネッカチーフをいただきました。ありがとうございます!

ボーイスカウトの活動とアマチュア無線

ここで、安田さんにボーイスカウトの活動とアマチュア無線について、たっぷり教えていただきました。伺ったお話をまとめますね!


安田さんから、ボーイスカウトの活動とアマチュア無線について、詳しく教えていただきました♪

●ボーイスカウトの基礎知識
ボーイスカウトでは「健やかな子供を育成する世界的な運動」、「子供をよき社会人(社会に通用する人)に育てる教育運動」を行っています。1907年にイギリスのロバート・ベーデン=パウエルさんの提唱で始まりました。日本では1922(大正11)年に始まり、今年でちょうど100年を迎えたところです。そこで今回の日本ジャンボリーは100周年記念大会、アマチュア無線でも「ボーイスカウト日本連盟100周年」の記念局として8N100Sを運用しています。


ボーイスカウト日本連盟創立100周年記念局「8N100S」のQSLカード。2023年3月末まで運用中です!

ボーイスカウトは「進歩制度」と「バッジシステム」を取り入れています。参加する子供たちの年代に応じて小学校1・2年の「ビーバースカウト」、小学校3~5年生の「カブスカウト」、小学校6年生から中学生の「ボーイスカウト」、高校生の「ベンチャースカウト」、18歳以上の「ローバースカウト」に分かれ、さらに経験値に応じて「初級章」、「2級章」、「1級章」、「菊章」、「隼(はやぶさ)章」、「富士章」があり、なんと富士章のスカウトになると首相官邸や東宮御所を訪問する機会が与えられます!

活動母体になるのは「団」。全国に約2,000の団が組織され、約9万人が参加しています。地域の大人たちが「子供たちのためにスカウトの団を作ろう」といって始めた団もあれば、学校が作った団、お寺や神社、教会などが作った団などもあります。それぞれの団に活動の特徴があるので、希望者は好きな団を選んで入ることができます。活動は団の中の小グループ(班)単位で、野外で行うのが基本。「野外で困難に立ち向かいながらみんなで協力していくことで、良いスカウトを育成していく」という考えだそうです。

ボーイスカウトの進歩制度の1つとして、体験して身につけた技能を示す「技能章」があります。その中の「無線通信章」は、①アマチュア無線技士の資格を取ること、②和文通話表とアルファベットの伝達方法を覚える、③10局以上と交信しQSLカード5枚以上得る・・・といった条件をクリアすると授与されます。「種類がたくさんある技能章の中で、国家資格が必要なものは数少ないので、そういう意味で無線通信章はハードルが高くなっています」と教えていただきました。


これが「無線通信章」。ユニフォームに貼れるワッペン形式のものです♪


スカウトのユニフォームと「無線通信章」など、さまざまな技能章の例

●ジャンボリーについて
ジャンボリーは19世紀のアメリカの俗語で“賑やかな宴会”、“お祭り騒ぎ”の意味。ボーイスカウトのキャンプ大会もこの名前で呼ばれるようになりました。ひとつの国や地域のほか、国際的、世界的規模で開かれるものがあり、人種、宗教、習慣の違いを超えて、広くスカウトの交流と親善を深める大会になっています。

日本では原則4年に1回、広い会場にスカウトが大集合する「日本スカウトジャンボリー」が開かれています。前回(2018年)は石川県珠洲市、その前は2013年に山口県山口市で開催され、全国から2~3万人が参加しました。

世界的規模としては「世界スカウトジャンボリー」が4年に1回開かれ、日本でも1971年に静岡県富士宮市(約24,000人参加)、2015年に山口県山口市(約3万4000人参加)の2回開催されています。


2015年に山口県山口市で開催された「世界スカウトジャンボリー」には世界中のスカウトが集合!月刊FB NEWSでは、あーちゃんの会場訪問リポートを「無線ガール奮闘記」コーナーに掲載しました!
(https://www.fbnews.jp/201509/rensai/musengirl_06_01.html)

今年の日本ジャンボリーは、コロナ禍のため、初めての分散開催型になりました。中央会場はお邪魔した八王子市のひよどり山キャンプ場と、東京都大田区の平和島公園キャンプ場の2か所、そのほかサテライト会場が全国5か所(そのうち3か所は残念ながら中止)、地区や団単位で行う「ジャンボリーサマー2022」が北海道から沖縄まで158会場に設けられる予定だそうです。このうち中央会場には、各地域の団から選抜されたメンバーが隊を作って参加しています。

今回のジャンボリーでは、先ほど安田さんに教えていただいた「ジャンボリー日本一プログラム」のほか、「信仰奨励」(スカウト活動では宗教や宗派は問わず、明確な信仰を持つことを奨励しています)、「SDG'sプログラム」、「野営生活プログラム」、「交流プログラム」、「奉仕・社会活動プログラム」などが用意されています。

●日本ボーイスカウトアマチュア無線クラブについて
日本ボーイスカウトアマチュア無線クラブは、ボーイスカウト運動に携わる者が、アマチュア無線を通じて会員相互の友好を深めながら、技術的、精神的充実を図って無線科学の向上とスカウティングの発展に尽くそうという目的のもとに、スカウト加盟員で構成するアマチュア無線クラブです。

発足のきっかけは1966年。岡山県で第4回日本ジャンボリーが開かれる際に、会場でボーイスカウトによるアマチュア無線局の運用をしようと、関東・東海の若いスカウトリーダーが中心になってボーイスカウト日本連盟内に設立したクラブで、コールサインはJA1YSS(サフィックスの「SS」はScout Stationの意味)。現在の会員数は約90名です。

アマチュア無線とスカウティングの歴史は古く、イギリスのボーイスカウトでは1910年代に電信用機器の製作やモールス符号を使った通信ゲームを行ったという記録もあるほどです。創始者のロバート・ベーデン=パウエルさんも、「アマチュア無線による電話通信は、ボーイスカウト連盟のような広範囲にわたった組織の活動における相互連絡や指揮を行う媒体としても最適」として、無線局の設置と運用を推奨。日本でも1924(大正13)年に「30名の同好者が集まってスカウト無電倶楽部が組織された」という記録があるそうです。

過去の日本ジャンボリーでも、特設のアマチュア無線局が運用されてきました。まだ“記念局”という枠組みがない時代に「JH2BSJ」(1970年と1978年の日本ジャンボリー)や、「JH8BSJ」(1974年の日本ジャンボリー)というコールサインを特例で発給してもらったこともあります。


過去の日本ジャンボリーで開設された特設局のQSLカードの例

そして1971年に「第13回世界ジャンボリー」が静岡県で開催されたときは「8J1WJ」というコールサインが発給されました。これは国内初の8Jプリフィックスで、静岡県なのにエリアナンバーが“1”、大会参加の外国人ハムも運用可能というものでした。

また2015年の「第23回世界スカウトジャンボリー」が山口県で開催されたときには「8N23WSJ」が発給。こちらもイレギュラーなエリアナンバーで、大会参加の外国人ハムも運用可能、会場から行うARISSスクールコンタクトの運用可能年齢を17歳まで引き上げ・・・といったように、本省との交渉の結果、いろいろと対応いただいたというお話でした。

1958年からは、電波を通じて国内各地や外国のスカウト仲間と交信し、お互いを理解し、知識と友情を深めるという行事「ジャンボリー・オン・ジ・エア(Jamboree On The Air,JOTA)」が始まり、現在も毎年10月の第3週末の72時間に行われています。日本ボーイスカウトアマチュア無線クラブでもこの行事に参加し、今年もアイコムの協力で、10月14日から16日まで1・2・3・4エリアに体験局 兼 特設局の「8J*JOTA」を開設予定です。


昨年10月に東京・杉並のスカウト会館に開設された体験局 兼 特設局「8J1JOTA」の運用風景

最後に安田さんが、「アマチュア無線とスカウティングには多くの共通点があります」とおっしゃって、①世界中ほとんどの地域・国で展開している、②民間外交、世界平和に貢献、③幅広い年齢層と職業によるサポートがある、④技能取得ができる(エレクトロニクス技術の取得、向上)という点を挙げられました。そして「スカウトとは“自ら率先して幸福な人生を切り開き、社会の発展に貢献する人”、“先駆者”であり、アマチュア無線も無線通信を切り開いたパイオニア(先駆者・開拓者)です」と説明されたのには、私も、「そうですよね!!」と、とても納得! できました。

体験局のプログラムを見学&お手伝い

安田さんからお話を伺ったところで、ちょうどアマチュア無線を体験運用するため、6人の参加者がやってきました。全員が中学生で、東京都内の団に所属しているそうです。


交信体験のために6人の参加者がやってきました!

安田さんやスタッフの皆さんは、「アマチュア無線とは?」という基本から、無線機とはどんなものか、送信ボタンを押して行う交信方法、交信で話す内容などをやさしく説明しました。クラブで作成した資料(ガイドブック)も詳しく、「ここに、自分の名前を和文通話表で書き込んでおきましょう」、「このタイミングで無線機のSメーターを見て、相手局の信号の強さを確認しましょう」、「RSリポートの送り方」など、とても分かりやすくて、これならアマチュア無線を知らない人でも安心して体験できるなあ~と感心しました。


スタッフからアマチュア無線機について説明を受けています

参加者は3つのチームに別れ、1人ずつ指導するスタッフと一緒に無線機の前に座ります。順番がまだの人は、モールス通信体験コーナーで、パソコンに接続された電鍵を使って、自分の名前を打つ体験も! 上手に打てるとパソコン上に「MASACOさん よくできました」といったようにお誉めの言葉が表示されるのでテンションが上がります!! 実は私、モールス通信がすごく苦手なのですが、これなら楽しく勉強できる気がします・・・。自分のパソコンにもあればいいなぁ~!


モールス通信体験コーナーで、自分の名前をモールス符号で打つ練習をしました


自分の名前が上手に打てると、パソコン上にこんなお誉めの言葉が現れます!

・・・と、ここで私に極秘ミッションが!!

「Masacoさん、今日はご自分の無線機を持って来ていらっしゃいますか?」

--はい、もちろん! いつもID-51を持ち歩いています!

「じゃあ、こっそりと向こうのテント(50mぐらい離れた場所)に行って、そこから参加者の交信相手をしてほしいのですが・・・」

--え、私が!? もちろんOKです♪

というわけで、参加者の皆さんに気付かれないように移動して、離れたテントからID-51で8N18NSJの信号を待ち受けました。しばらくすると

「CQ430、CQ430、こちらは8N18NSJ。日本スカウトジャンボリーの体験局 特設局です。どなたか体験局のQSOをお願いできる局がありましたら応答をお願いします」という、スタッフ(有資格者)からのCQが聞こえてきました。そこで

--「8N18NSJ、こちらはJH1CBXポータブル1、八王子市です。届いておりますでしょうか、どうぞ!」と応答すると、

「JH1CBXポータブル1、応答ありがとうございます。こちらは8N18NSJ。日本スカウトジャンボリーの体験局 特設局です。ただいま体験運用をしておりますので、体験者との交信をお願いします」というアナウンスに続いてマイクを交代!

「こちらは8N18NSJです。こんにちは、はじめまして。私の名前はモリカワと申します。もみじのモ、りんごのリ、為替のカ、わらびのワです。ボーイスカウト世田谷○○団、ボーイ隊のスカウトで中学2年生です」と、ゆっくりだけど、しっかりした声で体験者の声が聞こえてきました!


参加者の交信体験が始まりました♪ 交信相手は私! 気が付くかな!?

このあと、信号リポートの交換をしてから、私は「ボーイスカウトの活動はどんなところが楽しいですか?」とか「将来は何をしたいですか?」なんて、いろいろ聞いちゃいました(笑)。森川さんは初めてとは思えないほど上手!! 昔、私自身の初交信がドキドキとグダグダだったことを思い出して、あの頃も体験局の制度があったら良かったのに・・・ なんて考えてしまいました(汗)。


すこし離れたテントから、参加者と交信中♪

この後も2人と交信! 「学校の宿題を持ってきて、空いた時間に勉強しながらキャンプ活動をしています」、「中学3年生なので受験勉強が大変です」なんてお話も聞けましたよ~。みんなボーイスカウトで活動しているからか、交信の会話がめっちゃ上手! 初めての無線交信を楽しんでくれたみたいです。これが良い思い出になって、ハムの資格を(そして無線通信章も)目指して欲しいなあ~。


「中学3年生なので受験勉強が大変です」と打ち明けてくれる参加者も!


8N18NSJの業務日誌(ログ)。欧文・和文の通話表やスカウトがよく使う周波数も書かれていて、とても使い勝手の良いものでした

体験交信の参加者にミニインタビュー

全員が2回の体験交信を終えたところで、集まっていただきました!

「さっき交信したJH1CBXは私でした~。交信した人は気付いたかな?」と尋ねたら、「最初にここでお会いしたのに、途中で姿が見えなくなったと思ったら、無線で呼び掛けてくれたのでビックリしました」とか、「ここにいらっしゃるときから関西弁だったので、すぐに“あ、さっきの人だ!”とわかりました」といった返事。う~ん、ミッションが終わるまで、関西弁を封印しておけばよかった・・・。サプライズにはならなかったみたいですね(汗)。


2回の交信体験を終えた参加者の皆さんとお話タイムです♪

6人の皆さんのミニインタビューをまとめました。

①中学2年生 板垣さん
最初は何を話せばいいのか全然わからなかったのですが、前の人が交信しているのを見て「これは普通に自分の言いたいことを言えば良いのか」と思ってやったら、うまくいきました。最初の交信で緊張が解けて、二度目の交信にも繋げられたのだと思っています。Masacoさんとも交信しました。スピーカーから聞こえてくる声で、さっきここにいたMasacoさんだとすぐわかりました(笑)。

②中学2年生 柿沼さん
友達に誘われて、小学校3年生の頃からスカウト活動をしています。今日の交信体験は、何を話したらいいのか緊張しました。でも、相手の方からの質問が多かったから、それに答える形で進んで、結構話しやすかったです。顔は見えないけれど“ちゃんと会話している”という感じがしました。無線機を使うのはこれが初めて。送信ボタンを「どうぞ」という前に離してしまったり・・・ という失敗もありました。

③中学2年生 森川さん
Masacoさんと最初に交信しました。アマチュア無線を初めて使ってみて、会話していると知らない人と話がどんどん弾んでいくのが、携帯電話とは違うなと思いました。初めてで緊張していたけれど、マイクが回ってくるたびに少しずつ緊張がほぐれていきました。2回目の交信のほうがうまくいったかな?


前列左から森川さん、柿沼さん、板垣さん

④中学3年生 伊藤さん
兄に感化されてスカウト活動を始めました。アマチュア無線の交信体験は、去年の10月に8J1JOTAでやったことがあります。その時も2局と交信したのですが、ガッチガチに緊張しちゃって・・・。「次のチャンスがあったら、もっと面白い話をしよう」と思っていました。去年の交信は60~70点ぐらい。今日の交信は80点ぐらいで結構良い感じでした。高校受験が終わったらハムの資格を取りたいです!

⑤中学1年生 門間さん
交信相手をしてくれた人たちの話がとても面白かったので話しやすかったです。無線機を使うのはこれが初めてでした。スカウト活動ではキャンプが楽しいです。今回は5泊6日で、昨日は東京都大田区の会場に泊まりました。秋篠宮殿下や東京都知事ともお会いできてうれしかったです。

⑥中学2年生 橋岡さん
兄の付き添いで年少の時からやっていたのでスカウト歴は長いです。小学校1・2年のビーバースカウトの活動は親が付き添うのですが、親と一緒に自分も活動を見に来て、それでビーバーに入ったという感じです。カブスカウトのときに山梨県の本栖湖でキャンプして、みんなで本栖湖を泳いだのが思い出です。手作りしたカヌーに乗ったこともあります。無線は今回が初めて。顔を見ながらだと緊張してうまくしゃべれないけれど、無線なら顔が見えないので、あまり緊張はしないで、楽しく話せました。


前列左から伊藤さん、門間さん、橋岡さん

そして皆さんに私からも質問!

--ジャンボリーではキャンプファイヤーはしないの?

「枯れ草とかに燃え移ると危ないからあまりしません。でも“キャンプファイヤーもどき”はすることがありますよ」

--夜はみんなで歌を歌ったりしないの?

「今はコロナだから・・・」

--あ・・・ そうか!(汗)

「でも昨日の夜は(大田区の会場で)特別に100周年の歌をみんなで歌いました!」

--100周年の歌があるの? 素敵! みんなで歌うって楽しいよね♪

まとめ

日本ボーイスカウトアマチュア無線クラブの皆さん、ジャンボリー運営スタッフの皆さん、ありがとうございました!

「体験局」は本当にいい取り組みだなぁと思います! 自分が体験者の交信相手を務めるときは「どうしたら緊張感をほぐして話してもらえるかな?」、「ハムに興味を持ってもらうには、どんな話題にすればいいかな?」なんて、いろいろ考えながら・・・ 私も緊張してマイクを握っていたかも。でも皆さんのお話が上手で、むしろ私の方が楽しませてもらいました!!!

ジャンボリーの運営を支えるスタッフの皆さんも素晴らしい連携で、参加者が5泊6日のキャンプを安全に楽しく過ごし、一回り成長できるよう、しっかりとした計画と準備を行っているのを実感しました。普段だと経験できない良い思い出がたくさん作れたでしょうね♪

取材の合間の雑談で、安田さんから「残念ですが、ボーイスカウトもアマチュア無線と同様、人数が減っています。少子化や遊びの多様化、塾などで忙しいといった理由があるようです。それでも熱意ある指導者がいる団は栄えているんですよ」というお話を伺い、“熱意って、やっぱり大切なんだ!”と思いました。


私も少しだけ、7MHz帯で8N18NSJを運用させていただきました。呼んでくださった皆さん、ありがとうございました♪

私も熱意を持ってアマチュア無線を楽しみ、次の世代の人たちにしっかりとバトンを渡していきたいなーと、強く感じた取材でした♪ そして4年後の日本スカウトジャンボリーは、きっとこれまでのように1つの会場で盛大に行われるでしょうね! そのときに、この続きの取材をさせてくださいね♪

(JH1CBX Masaco)

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次号は 12月 1日(木) に公開予定

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