Short Break
月刊FBニュース12月1日号にニュースとしてカプセルトイのミニチュア電鍵が紹介されました。今回そのミニチュア電鍵(以下電鍵)をIC-705用の超軽量・超小型ポータブル電鍵として改造したのでご紹介します。
IC-705と電鍵とは、図1のようにΦ3.5mmとΦ2.5mmのスピーカプラグを取付けたケーブルで接続します。電鍵側にはスペースがないことからΦ2.5mmのスピーカプラグを使用します。
図1 IC-705と電鍵とはΦ3.5mmとΦ2.5mmのスピーカプラグのついたケーブルで接続
電鍵を使わないときは「ミニチュア電鍵」として飾り物とするため本体からケーブル類は一切出さないこととします。
電鍵内部を見るとスペースはほとんどありません。汎用部品で、できるだけ小型の部品を使って工作を行います。寸法を正確に測ると空いたスペースにΦ2.5mmのスピーカジャックを取付けられることが分かりました。
手持ちの部品の加減からシャーシに取付けするタイプのスピーカジャックを使いましたが、基板取付けタイプであればもう少し小型であるため、少し余裕をもって取り付けられます。基板に取付けするタイプのスピーカジャックを使用する場合は、本電鍵とジャックとは接着剤で固定することになります。
図2 ミニチュア電鍵の内部
さてΦ2.5mmのジャックを取付けるには、図3で示す底ふたを支えている突起が邪魔になります。これをニッパで切断しました。この突起がなくても底面のふたの取付けには特に支障はないようです。
突起を切断したスペースにスピーカジャックが取り付けられるように側面にドリルで穴を空けます。今回使ったΦ2.5mmのスピーカジャックの取付け穴の直径はΦ4.0mmでした。
次に電鍵を本来のモールス符号発振器として使う場合とIC-705用のポータブル電鍵として使う場合の切り替えとして、本電鍵の電源ON/OFFスイッチを取付けます。これも取り付け位置に悩みますが、取り付けられるスペースは図5に示す部分しかありません。できるだけ小型のスイッチを選びそれに応じた穴を空けます。ここでは、小型のスライドスイッチを使いました。
Φ2.5mmスピーカジャックおよびスピーカON/OFFスイッチを取付けた後は、図6のように配線します。
図6 スピーカジャックとスイッチの取付け
あとは取外した基板や電池端子、ボタン電池、内蔵スピーカを元通りに戻して出来上がりです。
図7 配線が終わり基板を組み込んだ内部(左) 完成したミニチュア電鍵の外観(右)
スペースのないところに小型の部品の取付けは困難ですが、じっくり行うときれいに仕上がります。
電鍵とIC-705をケーブルで接続してCW運用を行う場合は、本体に取付けたON/OFFスイッチはOFFにしておきます。CW操作時は、IC-705のキーイングは、電鍵内部に取付けられているタクトスイッチで行うため、タクトスイッチのクリック感が出てしまいますが、それでも意外と問題なく操作できます。
本電鍵を本来のモールス発振器として使うときは、IC-705とのケーブルを外し、電鍵に取付けたスイッチをONにします。
<注意>このスイッチをONにしたままIC-705とケーブル接続すると、IC-705はキーダウンした状態となり、送信状態となってしまいます。
このモールス発振器をキーダウンすると「ピー」と音が鳴ります。実際は「ピー」ではなく、「ビィー」に近い歪んだ音です。この内蔵スピーカの穴の部分に薄い紙を貼ると少しマイルドな音になります。
図8 音質の改善
CL
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