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Summits On The Air (SOTA)の楽しみ

その62 山頂からのFT8について-6

JH0CJH・JA1CTV 川内徹

寒い毎日ですね。気が付けばもう2022年もあと2週間となってしまいました。先日、丹沢縦走を楽しんできましたが途中で雪に降られ楽しさ一転、過酷な登山となってしまいました。くれぐれも安全に、そして防寒にも気を付けて山からの無線運用を楽しみましょう。

今回も引き続き山頂からFT8運用を楽しむためIC-705に300g足らずの追加機器の作成をしていきましょう。前回はラズベリーパイの時刻合わせ機能の設定を行いました。今回はラズベリーパイのディスプレイとして使用するスマホ、iPadなどの端末をラズベリーパイと接続するためのアクセスポイント化について説明します。いよいよこの設定が最後の山場になります。説明の都合上、下記の説明ではiPadという言葉で統一させていただきます。

まずはラズベリーパイとiPadがWi-Fiでつながるようにラズベリーパイをアクセスポイントにします。このためにラズベリーパイにhostapdというソフトウェアをインストールします。


これでインストールは完了。次は設定です。サンプル設定ファイルは下記のdirectoryにあるのでコピーして持ってきます。


次に、その持ってきたサンプルの設定ファイルhostapd.confを書き換えることで設定していきます。私は下記の追加をしました。そのほかは全部デフォルトです。


これでhostapdは起動しますが、その前にいくつかやることがあります。それはラズパイがここまでの設定に使っていたWi-Fiのネットワークにつながらないようにしておかないといけません。ラズパイがWi-Fiのネットワークに繋がってしまうと、先にWi-Fiポートを占有されてしまうため、ラズパイがアクセスポイントとして立ち上がらず、iPadとラズパイがP2Pで接続できません。このためラズパイのネットワーク接続設定を削除しておく必要があります。

これは、/etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.confで設定します。一度でも家のネットワークや携帯のテザリングなどに接続するとその時の情報がすべてこのconfファイルに記憶されています。


このnetwork={ ・・・ }までが自分のネットワーク設定ですので消しておきます。これでラズパイを立ち上げてもWi-Fiに自動で接続されなくなります。

次にラズパイを立ち上げた時に自動でアクセスポイントになるようにhostapdが開始されるように設定します。

これは/etc/default/hostapdのなかにある下記のコマンドのコメントアウトの#を削除することで可能です。


この後コマンドラインで


これでhostapdが起動します。

systemctl status hostapdで状態を見ると下記のようにAP-Enabledになっています。


これでラズパイを再起動しても、自動でアクセスポイントとして立ち上がります。
iPadからも先ほど自分で決めた名前(SSID)が見えているはずです。


このアクセスポイントを選択したあと、これも上記で決めたパスワード(wpa_passphrase)を入力してラズパイに接続します。その後はIP Addressも前回設定した固定のままなので、その状態から「山頂からのFT8について-3」で説明したようにiPadでVNCを起動すればラズベリーパイの画面が見えるはずです。


この辺で今回の設定を終えて行きましょう。次回はいよいよ大詰め、ラズベリーパイにWSJT-Xをインストールします。

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