PHONEで楽しむQRP通信
2023年9月15日掲載
皆さん、先月開催された「ハムフェア2023」は楽しめましたでしょうか。
筆者は特定のメーカーリグを使用してQRPで参加するQSOパーティの特別運用として、会場内クラブブースでクラブ局のオペレートをしておりました。QSO並びにQSOパーティに参加された方ありがとうございました。
今月は北海道ハムフェアも開催されるとのことなのでまだまだ「お楽しみ」が続きますね。
さて、今回は昨年末から実施していた「144MHz SSB 1Wでの山手線駅前(駅ちか)QRV」を紹介します。事の初めは山手線(環状線)が東京都23区のうち9区に駅を有していることから、1区・1駅の駅前(駅ちか)QRVすることを目標に移動運用を開始しました。(線路は通っているが駅を有さない区は対象外です。)
駅前QRVは430MHz FMでは頻繁に行われていますが、普通に皆がやっていることを行うことは面白くない、モノバンドの144MHz SSBハンディートランシーバーを有していたことでこれを実行することとしました。9区9駅QRVを完了し、次に山手線30駅を周ってみようと欲? が出てきました。途中、JD1移動などの年中行事等もあり中断しておりましたが、夏の移動運用シーズンが到来したこと、過去にQSOしていただいた方のリクエストもあり6月に運用を再開しました。
山手線というとコマーシャルソングで「ま~るい緑の山手線」とありますが、実際は品川駅~渋谷駅~新宿駅~田端駅間が山手線、田端駅~東京駅間が東北本線、東京駅~品川駅間が東海道本線になります。また、駅では品川駅が港区に、目黒駅が品川区に存在し、駅名称と所在地が異なります。
使用した設備は、リグが新スプリアス保証済の西無線NTS-200とアンテナがダイヤモンドのRH770といった極めてシンプルなものです。西無線では2代目のNTS-210を経て、さらに小型化されたNTS-220を取り扱っているようです。筆者はミズホのピコトランシーバーの流れをくむシンプルなトランシーバーが大好きですが価格面(QRVできる周波数を基準とした単価)を考えると、IC-705などに触手が向いてしまうところが悲しいところです。
路線図
今回のQRVの再開は、新大久保駅からのスタートです。過去にQRVを試みましたがQSOできなかった駅の1つです。1日目は新大久保駅、代々木駅、神田駅の3駅、2日目は御徒町駅、目黒駅、3日目は、原宿駅、渋谷駅、品川駅です。
実際の運用は4日行っており、平日に御徒町駅で運用しましたがNGでした。御徒町駅周辺には3か所ほど、広場・公園があります。駅前のパンダ広場や東京メトロ日比谷線の仲御徒町駅に近い御徒町公園ではQSOできませんでした。最後に向かったのが中央通りに面した黒門児童遊園で、ここでようやくQSOが成立しました。中央通り沿いに視界が開けていたことが幸いしたようです。
広場や公園でベンチなどがあれば、腰を落ち着かせ、ログを広げて運用が可能です。そのような場所がない場合は立った状態でQSOすると同時にログを執る形となり忙しくなります。
山手線のほとんどの駅は駅ビルがありますが、屋上を開放している場所がほとんどないように思えました。屋上が開放されていても日中から夕方と時間の制限がありました。
以下が各駅での運用実績です。30駅クリアを目標としたことから1QSOできれば御の字としました。
左:御徒町駅、右:上野駅
左:鶯谷駅、右:西日暮里駅
田端駅
駒込駅
渋谷駅
左:品川駅、右:高輪ゲートウェイ
田町駅
左:浜松町駅、右:第2中里踏切
このようにテーマを見つけてハムライフを続けていくとQRVする頻度もあがってくるのではないでしょうか。現在のアマチュア無線家はQRVすることが少なくなってきます。違法無線局の周波数占有等で遊びの場がなくなることのないよう、QRP運用に限らずQRVすることでアマチュア無線家は自らで周波数を確保しないとつまらない趣味への道をたどることになるのでは、と危惧してしまうのは筆者だけでしょうか。
ということで今回は山手線駅前(駅ちか)QRVを紹介いたしました。今後は都区内切符の地図のエリアを周ろうと考えていましたが、この執筆中にテレビニュースでJR武蔵野線開業50周年が取り上げられていましたので、多くの行政(市や区)をまたにかけ走行している武蔵野線の各駅にトライしたいと思います。
今回活躍した西無線NTS-200
★★★ウラ話★★★
★★★QRPプチ情報その1★★★
QRP通信を楽しむための団体「東京QRPers」を発足します。
以下を目的とするQRP通信に関わるグループ(クラブ)を立ち上げます。
「アマチュア無線QRP通信(QRV)」を楽しむ。
「アマチュア無線の運用」により、クラブ員の親睦を図る。
「ロールコール」などを実施してクラブ員同士の情報交換を行う。
都内在住で参加希望、興味のある方はJE1ECFまでご連絡ください。
Email:t.saitoje1ecf(あっと)gmail.com
※(あっと)は半角@マークに変換。
表題を【東京QRPers問合せ コールサイン】として送信してください。
★★★QRPプチ情報その2★★★
前回、IC-705のバッテリーを複数個持ち歩くことを記載しましたが使用前、使用後を明確化させるため、バッテリー本体に表示フォルダを設けました。ガソリンメーターを真似て使用前を「F」、使用後を「E」で表示しています。
左:使用前は「F」、中:使用後は「E」、右:明確化され一目でわかる
★★★QRPプチ情報その3★★★
都電荒川線を貸し切り、車内でQRP懇親会を行う「都電QRP号」を9月16日(土)午後の2時間程度運行します。当日は参加者による都電車内からのQRP運用「都電モービル」も開局します。運用周波数とモードは433.92MHz付近FMです。QSOをお願いいたします。
次回は、東京湾唯一の自然島「猿島」に行ってみた。と、
都電QRP号、出発進行! です。
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