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アマチュア無線の今と昔

第10回 浦島太郎になって迷っているカムバック組の皆様へ

JF1KKT 横田勝彦

2023年9月1日掲載

連載第10回目になります。今回は先日開催されたハムフェアに関する話題から行きたいと思います。

ハムフェアにいってきました!

カムバックしてから2回目のハムフェアです。初日は古くからのローカル局のTさんと一緒に行きました。2日目は単独で行きました。

車で行かれる方、というか、東京ビッグサイトの展示会に車で行く方はご存じだと思いますが、駐車場(今回は南棟立体駐車場)はすぐに一杯になってしまいます。早めに(できれば朝8時までに)行き、タリーズコーヒーで朝ご飯を食べつつ開場を待つのが良いかと。2日目は現地に9時に着いたのですが、南棟立体駐車場はもう一杯で入れませんでした。

ハムフェアの楽しみといえば、私はまずジャンク市、次に普段お会い出来ない方とのアイボールQSOだと思います。ジャンク市の出品側は、持って帰ることを面倒に思う方が多いので、車で行って、持って帰るから! と価格交渉するのが楽しいですね。今回は初日に大物をゲットした関係で、帰りは荷物満載でした(苦笑)

ハムフェアで思うことは、出展料が高いと思われることです。昨年と比較しても、クラブ、業者ともに出展が減っています。以前のハムフェアは、1小間を数千円で借りれて、そこにシートを敷いてジャンクを並べていたように思います。これならば出展も容易ですので、多くの方が出展してくれるのではないかと思います。要するにフリーマーケットの延長にハムフェアがある、そんな感じにすれは、もっと面白いと思います。

出展をすると、当然のことながら、そこに駐在しなければなりません。すると、回っている方とアイボールできる機会が増えます。つまり、出展することで、多くの人と会うチャンスが出来るのです。JARLの関係者の方、ぜひ来年は検討してもらいたいと思います。

ハムフェア期間中にお会い出来た方、どうもありがとうございました。お会い出来なかった方、ぜひまたどこか(オンエアも含めて)でお会いしたいです。カムバックされた方は、「知っている方がいないから行かない」ではなく、通常のビギナーよりも知っている人は確実に多いと思います。来年のハムフェアとはいわず、近場のイベントからでも、ご参加を宜しくお願いします。


ハムフェア2023 会場内は賑わった

JARL発行のアワードについて

一時期QRTする前は、私もアワードハントに力を入れて運用していました。特に力を入れていたのは、国内ではJCC/JCGなどの、いわゆるAJA系のアワードです。

当時、運用は同一都道府県内でなければならない、というルールがありました。ところが今では、一部のアワードを除いて、運用地の制限がなくなってしまったのです。これはまさしく浦島太郎でしたね~。もっとも同一都道府県内という特記を付けるなら、話は別になります。

以前は、移動運用の情報があれば、こちらも県内のロケーションの良いところに移動して「迎撃」したものですが、今のルールでいけば、その移動局の隣に移動してQSOしたものもカウント出来ることになりますので、ずいぶんと楽になったものだと思います。このため、V/U/SHF帯でのアワードが取りやすくなった(極論を言えば、二人で移動してそれぞれQSOすればそれで成立)のではないかと感じています。

「迎撃」移動も、V/U/SHF帯だけではなく、HF帯でDXを狙っても楽しそうですね。今は太陽活動が盛んですから、ロケーションの良い所に車を走らせて、そこから運用すれば、HFハイバンドのモービルホイップでも、十分楽しめちゃうんじゃないかと思います。

話題のIC-905が発売され、出荷が始まったようですので、U/SHF帯でも交信相手が増えていくと思います。サービスするための移動ではなく、自分が交信したい局と交信するための移動が、もっとあっていいと思います。


JCCアワード (JARLホームページより)

お互い様なのに・・・

最近、SNSで話題になっている抑圧問題。昔に比べて局数も少なくなったし、周波数も空いてきているので、あまり問題にはならないだろうと思っていました。

ところが運用場所のロケーションが素晴らしかったりすると、先住の方から「抑圧を受けるっ!」と言われた方がいらっしゃるようです。抑圧の原因はいろいろある(特に古い無線機では抑圧を受けやすいと言われています)と思いますが、相手の信号で抑圧されているなら、抑圧を与えている相手も自分の信号で抑圧を与えている可能性は大だと思います。

お互いに「お互い様だよね」という気持ちで譲り合っていけば、ハムライフも楽しくなるのではないでしょうか? そんなところから仲良くなることだってあると思います。仲良くなれたら、抑圧で陰口叩くこともないでしょうし、譲り合いもしやすくなるでしょうから、抑圧もなく、ローカルさんとも仲良くなれて、グッドだと思うのです。

昔は局数も多かった分、もっと沢山、こんな話があったと思います。局数が減って、なおかつ無線機も進化している現代でも「こんなトラブルあるんだ」と思わずにはいられませんでした。


電波は譲り合って使いましょう

AMモードを楽しもう

温故知新というか、懐古趣味ともいわれてしまいそうですが、開局が50MHzのAMだった私は、無線界のふるさとみたいに思っています。同様にお考えのOM諸氏もたくさんおいでではないかと思います。

そのAMモードですが、最近では7/28/50MHzでアクティブに運用されている局長さんがいらっしゃいます。最近のオールモード機はAMモードが付いている物がほとんどです。それも結構マトモなAM電波が出せるようです。SSBやCW、FMに比べて、AMモードのアクティビティは高くないので、エリアによってはAMモードのロールコールが行われています。また最近ではUHF/SHF帯のAMロールコールも始まると聞いています。

ロールコールがあることで、いつも決まった時間、周波数に運用する方がいることになり、またチェックインする方も存在します。つまり、局数の少ないバンド/モードでも、交信相手が見つけやすくなることになります。私と同じように開局はAMだったというOMさんも多いことでしょう。今からでも昔を懐かしんで楽しまれてはいかがでしょうか。


1200MHzでもAM出来ます!

ビギナーさん、カムバック組さんに優しくありたい

先輩が後輩を指導するのは、どの世界でもあることです。無線界で見てみると、以前は地域のOMさんのところに訪ねていったり、学校のクラブ活動などで、先輩から後輩を指導したりしたものです。ところが昨今は隣近所のお付き合いも少なくなっているのと同じように、アンテナを見て先輩のところを訪ねて行くケースは少なくなりました。後輩から先輩を訪ねて行くことが少なくなったのなら、オンエア上で、先輩が後輩に指導するようにしてはどうでしょうか?

例えばCWのビギナーさんに、スピードを落として対応するとか、しゃべり方をこうしたほうがいいとか、いくらでも考えられると思います。でも、鬱陶しいと思われてしまったら本末転倒です。教える方も、教えられる方も、優しい気持ちで接していただければと思います。

余談ですが、早すぎるCWのCQは呼ばれない傾向があります。たまに30wpm近いスピードでCQを出している局長さんを見かけますが、あまり呼ばれていない感じがします。私の場合は経験上、22wpmくらいがよい感じがしています。

オペレーションだけではありません。アパマンハムネタですが、アースの取り方も教えてあげたいことのひとつです。SNSを拝見していると、間違っていると思われる方が見受けられます。やっていることを否定することもあるので、なかなか気が引けますが、上手くいかないと、無線自体が楽しくなくなってしまうので、押しつけにならないように気を遣いながら、こういうやり方もあるので試してみてください的なアドバイスをするのがいいのかと思います。


先輩から後輩へのアドバイス。誰に対しても親切でありたいですね

なおご意見、ご感想、ご質問等については、筆者である私宛(jf1kktアットマークgmail.com)へご連絡頂けますと幸いです。

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